妖魔と二剣士 <ファファード&グレイ・マウザー4> (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488625115

感想・レビュー・書評

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  • 第三巻の翻訳から二十年以上たってやっと翻訳されたファファード&グレイマウザーシリーズ第四巻
    ほんとに待ちました。
    三巻を読んだときはまだ十代だったが今は中年になってしまった。
    月日の流れは速い・・・

    本書の構成は中編の物語二本とそれぞれの物語の導入部のショートストーリー二本で構成されている。

    1.魔女の天幕
    イリック・ヴィングの街で魔女に冒険の助言をしてもらっている最中に悪党に奇襲される二剣士の物語。
    これが次の物語”星々の船”につながる。

    2.星々の船
    ネーウォン世界の最高峰”スタードック”(恐らくエベレストレベルの山ではないかと思われる)の頂上にあると伝えられる宝石を求めてファファードとグレイマウザーが決死の登山を行う。
    ”スタードック”の登攀の様子がかなり詳細に描写されており、様々な難所を切り抜けていく二人の剣士の様子がスリリングで息をつかせない。
    ファンタジー小説でこれほど登山の様子を克明に描写したものは初めてではないだろうか?
    またライバルとなる他の冒険者との壮絶な戦いあり、山頂に住む超自然の存在、”雪王”とのその王子・王女達も関わってくる。


    3.ランクマー最高の二人の盗賊
    スタードックの王女たちから渡された不思議な宝石をランクマーで売って一攫千金を狙う二剣士だが、その宝石の本当の価値を知らない彼らは、狡猾な故買屋の女達に騙されすべての宝石を巻き上げられてしまう。彼らは自棄になって酒場で自暴自棄になるが、そんな時クォーモールからの使者が彼らに依頼をもちかける。


    4.クォーモールの王族
    星々の船とは打って変わって地下深い世界が舞台。
    巨大な地下迷宮内にある王国クォーモール。
    王クォーマルと二人の王子ハスジャールとグワーイの権力闘争が続くこの地下王国に雇われた二剣士の物語。
    ファファードとグレイマウザーはお互いがそれぞれの王子に雇われていることを知らない状態で物語が始まります。
    暗く淀んだ地下王国内で繰り広げられるお互いを亡き者にしようとする王子たちの暗闘。
    そして新たに生まれる子の為に、王座に不適格な王子二人の抹殺を謀る王。
    この恐ろしい権謀術数の中、巧みに立ち回って生き延びる二剣士の活躍が楽しい。


    ファファード&グレイマウザーシリーズの特徴はなんというか演劇っぽい感じではないだろうか。
    「魔女の天幕」とか「ランクマー最高の二人の盗賊」なんかは、絶対に演劇(映画ではなく)にしてやってみたら面白いんじゃないかな。

    シリーズ中には凄惨な戦いあり、恐ろしい妖魔も登場する物語であるが、全体としてどこかお芝居っぽさを感じさせるユーモラスさが漂っている。
    そこが私の感性に合っているのか、すごく好きなヒロイックファンタジー物語の一つになっている。

  • ほぼ山岳小説の様を呈する「星々の船」、二人の盗賊の
    アイディアの素を作ったフィッシャーの手による一万語を
    含むためか、このシリーズには珍しくあからさまに邪悪な
    雰囲気を放つ悪漢が三人も登場する「クォーモールの王族」
    そして男性としては納得出来るが納得したくない、何とも
    むずむずする短編「ランクマー最高の二人の盗賊」と異色の
    作品が並んだ第4巻。猫好きにも楽しめる一冊だった。

    いよいよ最終巻、このシリーズ唯一の長編に進みます。

  • おなじみ二人組のファンタジー。
    短編のほうはちょっとゲンナリンテイスト。
    中編はシリアスとシリアス+ギャグでしょうか。

    どちらかというと中篇作品のほうが
    なかなか内容が詰まっていてお勧めです。
    片方の作品では
    空想のモンスターが出てきたりと
    ファンタジーの定番の作品です。

    彼らが得たものも
    ある意味すばらしいものです。
    ですが…

    もうひとつの作品は
    ちょっと特殊です。
    それゆえに普通に展開が進むわけが
    ないのです。

    もっと読みたいけれども
    次で最後。

  • 2007年3月10日購入

  • 感涙の第4弾!
    20年ぶりの彼らの活躍に目頭が熱くなる。あぁ血が飛散り、骨が砕け、濃厚な黒魔術に大気が満たされる。そしてエキゾチックなエロチシズム。
    技巧を凝らした小味な中篇が目白押し。

  • 待ってました!!
    十何年ぶりぐらいにこのシリーズを呼んだわけですが、シリーズ最高傑作かも。昔このシリーズを読んでいた人は必読。

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