内なる宇宙〈下〉 (創元SF文庫) (創元SF文庫 ホ 1-18)
- 東京創元社 (1997年8月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488663186
感想・レビュー・書評
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星を継ぐものの4作目下巻。
前作からは毛色違いなファンタジー要素とそれを今までの世界観に収束させる展開に引き込まれた。
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正直星を継ぐものはきれいな三部作だったので、蛇足を感じるかな…と思いきや違った視点からのお話で最後までサクっと読めた
いってしまえば映画のマトリックスに近い世界観を描ききっていて、ファンタジー部分の文章の想像しにくさを除けば非常に面白い展開だった。
実はもう一作あるらしいですが、和訳がないとのことで、いつか読んでみたいものです。 -
4.0 内なる宇宙、正にタイトル通りの内容。進化し続けるVRの世界を見ていると、まんざらSFの世界だけとも言い切れないような。先見の明に脱帽。
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星を継ぐものから読み始め、宇宙や地球人の成り立ちにまで広がる壮大な物語にのめりこんだが、この本が最も理解するのが難しかった。コンピュータの中に情報宇宙が存在するという事態がどう頑張っても理解できなかったのだ。だが、過去のシリーズで時も空間も拡大してきたのと反対に、内側へと向かうイメージを頭の中に描いた事でぼんやりと概念を理解できるようになった。彼らの存在を保護しようだなんて、テューリアンはさすがテューリアンだなと思った。
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『星を継ぐもの』から続くシリーズ第四弾の下巻。ファンタジー世界を科学で説明するとこうなる、みたいな感じ。スパイ映画さながらの謀略やアクションが飛び交い、惑星ジェヴレンの政治や社会の側面を通じたメッセージ性もあるが、本質的にはやはり空想科学の面白さ。過去作の、頭をガツンとやられたような衝撃はないが、ハントたち愛すべき仲間の冒険をじっくり味わえた。巻末にもわざわざ太字で注意している通り、前作までのネタバレを前提に進むので、このシリーズは必ず最初から順番通りに読むべし。
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本巻でようやく人類と異星人の壮大な宇宙と時空を背景とした長い物語が完結します。
一作目から毎作新しい目的と新たな謎に翻弄され続けやっと現実世界に戻れました!
上巻では惑星を管理するシステムに完全依存した惑星人が自立を求めて地球人と異星人ガニメアンの政府に対する暴動を起こしたのですが、
本巻で新たな事実があぶり出され、切断されたシステムにかつて接続した惑星人は人格が変わり別人となって行く、暴動は宗教的背景を隠れ蓑にした未知の星人が惑星征服を目論んだ陰謀だった。
未知の星人の存在は、システムに存在し完全なる人格を備えた肉体なき存在だった、彼等は実在の証と新たな世界を求めてシステムに接続する者に乗り移るのだった、
三作目から十年が経て発表された本作は突然、ソフトウェア人格なる前作迄全く無関係の異星人?を創出しいささか、えっ!? とは思いましたが内容は素晴らしくその発想に感激しました。
読後本題である「内なる宇宙」を改めて納得し長い旅が終わりました。 -
シリーズ4作目。宗教等について描かれると思わせながら、変わった方向に物語は進む。面白かったが、やはり三部作とは少し別物か。とはいえこれはこれでありだと思う。