ハスターの後継者 上 (創元推理文庫 690-11 ダーコーヴァ年代記)
- 東京創元社 (1987年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488690113
感想・レビュー・書評
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作者が冒頭で書いているようにこれまでのストーリイとの食い違いがあるが、そんなことは気にならない作りになっている
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年代記第一作『惑星救出計画』にて、謎の星ダーコーヴァに君臨するハスター家のプリンスとして颯爽と登場したレジス・ハスターの若かりし頃を取り上げた長編小説。
幾多の超能力(ララン)を持つ特権階級の中でも、最も力を持つ者といわれるハスター家の跡取りと生まれながらララン(能力)のない劣等感に苛まれ、祖父や若くして無くなった父の名声に反発し、ダーコーヴァを捨てて広い宇宙へと出ていきたいと夢見る少年として登場するレジスが、どのように成長していくのか。
『オルドーンの剣』の主人公であるルー・オルトンをもう一人の主人公に据え、二人の間を行き来しながら、シャーラの追放に繋がる『事件』を詳しく取り上げたこの作品は、外の世界(地球帝国側)からの視点で描かれることの多かったダーコーヴァ年代記を内側から描き出した点に読みどころがある。
貴族の若者として士官学校に放り込まれたレジスが、かつての友人ダニロ・シルティスとの間に育む友情、そして友愛と紙一重のところに横たわる恋にも似た感情。
地球人との混血として己の居場所を探し続けたルー・オルトンが陥った罠と災厄。大いなる悲劇を飲み込み、己自身の重い責務を背負って生きる決心をするレジスの少年の日々への決別までが描かれるこの作品は、あのどこか取り澄ましたレジス・ハスターがそこに至るまでの足跡を辿るとともに、ダーコーヴァという異世界に生きる人々の厳しい現実や、どこか中世めいたこの異世界の文化に触れる長い長い旅のようでもある。
ところで、今回、ルー・オルトンの視点で物語られることによって、既に上梓された『オルドーンの剣』とは微妙に話が食い違ってしまっている。作者のブラッドリーはそれについて前書きで「ルー・オルトンの記憶違いか、意識しての記憶操作」だとしているようである。 -
<My殿堂入り>中学の図書室で読んだのが始まりです。ダーコーヴァ「年代記」とシリーズ名の通り、作品の時系列はバラバラですが、そこはパズルのピースを合わせるように進んでいきます
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ダーコヴァ年代記のシリーズの一作。どれを選ぼうかすごく悩みましたが、レジスがメインのこれを。
もう絶版でしょうか。続きも翻訳されていないようですし。寂しい限りです。 -
2006年8月16日再読完了。ダーコーヴァ年代記。久々に再読しました。長らく読んでなかったので、細かいところをすっかり忘れていて、かなり新鮮。やっぱりおもしろいです。「アヴァロンの霧」の作者が書いたSFのシリーズ物。ダーコーヴァという、宇宙移民から取り残された惑星が舞台の年代記です。一冊一冊が読みきり形式ですが、ある話の主人公が別の話で脇役になってたり、子供や孫の時代の話だったり。
数百年に及ぶダーコーヴァの歴史が語られるこのシリーズ。これはシリーズ中、私が最も好きな、レジス・ハスターのお話です。
ちなみにこのシリーズも絶版。
絶版どころか、本国のアメリカではまだまだシリーズが続いているのに、邦訳されてません。
仕方が無いので、ぼちぼちと原書で続きを読んでます。 -
ダーコーヴァ年代記は全て好きですね。あえて選ぶなら、これの上下と、「惑星壊滅サービス」
SFかFTか微妙なところ。