世界の終わりの天文台 (創元SF文庫 SFフ 12-1)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488792015

作品紹介・あらすじ

どうやら人類は滅亡するらしい。最後の撤収便に乗ることを拒み、北極の天文台に残った孤独な老天文学者は、取り残された幼い少女とふたりきりの奇妙な同居生活を始める。一方、帰還途中だった木星探査船の乗組員は、地球との通信が途絶えて不安に駆られながらも航海を続ける。終末を迎える惑星の上で、孤独な宇宙の大海の中で、旅路の果てに彼らは何を見つけるのか。ジョージ・クルーニー監督主演『ミッドナイト・スカイ』原作。

感想・レビュー・書評

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  • 【今週はこれを読め! SF編】星に囲まれた静寂のなかで、捨ててきたはずの人生を思う - 牧眞司|WEB本の雑誌
    https://www.webdoku.jp/newshz/maki/2018/01/30/125537.html

    ミッドナイト・スカイ | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
    https://www.netflix.com/jp/title/80244645

    LILY BROOKS-DALTON - Home
    https://www.lilybrooksdalton.com

    世界の終わりの天文台 - リリー・ブルックス=ダルトン/佐田千織 訳|東京創元社
    http://www.tsogen.co.jp/sp/isbn/9784488792015

  • 2016年8月刊行のGoodMorning,Midnightを訳して、2018年1月創元海外SF叢書刊。2022年8月創元SF文庫化。人類がいなくなった地球に残るオーガスティンと幼い少女アイリスと帰還してくる木星探査船メンバーとのストーリー。いったい何があってこの状況になったのかの説明はなく、地球にいる二人と探査船メンバーだけの出来事が綴られる。淡々とした語りと出来事は退屈だけど少し抒情的。映画化もされているそうで、どういうイメージングになったのかが気になる。

  • 宇宙の果てを見に行けるとしたら、家族と別れて、友人達と二度と会えなくなる事を選択できるだろうか?


    それでも宇宙の果てを見に行きたいと思う。




    撤収便に乗ることを拒み、北極圏の天文台に一人残った孤独な老天文学者。同じように何故か取り残された幼き少女?二人は北極圏の閉ざされた空間で奇妙な共同生活を送ることになる?

    一方、木星の探査船は帰還途中であったが数ヶ月前から何故か地球と更新が途絶えてしまう、乗組員達は地球に残してきた家族や知人達の安否に心を傷めていく・・・


    孤独な天文学者のオーガスティンと木星探査船の女性乗組員サリーの孤独が交互に綴られる物語


    果たして地球はどうなってしまったのか?
    世界と文明は終わってしまったのか?

  • 情景描写と人物の内面描写が多く、ワクワクするSFというものではなかった。むしろ、極限状態の人間を演出するための題材として「人類の終焉」や「宇宙」を登場させた、人間ドラマといった感じ。不可解な点も多かったが、ネットで他の人の考察を見て多少楽しむことができた。

    地球に最後の人間として残されたオーガスティンは、過去に女を妊娠させてしまうが、父親になる気がなく、そそくさと逃げて自分の宇宙研究に没頭する。
    宇宙で他の乗組員たちと共同生活を送るサリーは、仕事を家族よりも優先して夫や娘とうまくいかなくなり、宇宙飛行士として選ばれることをきっかけに破局する。
    どちらも、それぞれ人類の滅亡・宇宙での孤立という極限状態に置かれて、それぞれの形で人を愛せなかったことを後悔する。

    以下はネタバレ注意。

    作中、オーガスティンが妊娠させて産ませた子供がサリーであることが示される。
    また、オーガスティンは地球でなぜか幼い少女アイリスと出会うが、最後のハーパーのセリフで、このアイリスの正体がサリーの幻想であることが示唆される。最後に贖罪をするために幻想を生み出したという考察はちょっと浅いので、もう少し深読みしたい気持ちはある。他人と一緒に生きてこそ孤独を味わえていたオーガスティンが、本当に一人になるに至って、孤独を保つために生み出した、とでも言えば通っぽいだろうか。

    人類や地球になにがおこったのか、最後まで語られることはない。また、オーガスティンが地球で出会ったアイリスも、結局ただの幻想。この2点で、夢オチと同じようなガッカリ感を感じた。
    アイリス=サリーであることを示す伏線として、「サリーの由来であるサリヴァンが、ファーストネームではないことが母親のフルネームから分かり、サリーのファーストネームは作中に一向に出てこない」「サリーと無線が通じたオーガスティンが、アイリスの存在について何も言及しない」についてはあとでページをぱらぱらとめくっていて気づいた。このあたりの仕掛けはうまく施されているのかもしれないが、情景描写や心情描写が長く、読み返す気にはならない。

    ―オーガスティンが知っているのは何十兆キロも離れたところにある遠い星々のことだけだった。彼は全人生をあちこち転々として過ごし、出会った文化や野生生物、あるいは地形について、自分のすぐ目の前にあるものについてなにかをわざわざ学ぼうとしたことは一度もなかった。それらはつかのまの取るに足りない事柄に思えた。オーギーの視線はいつも遠く離れたところを見ていた。

  • 【請求記号:933 ブ】

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