感覚表現辞典

制作 : 中村 明 

• 東京堂出版 (1995年4月10日発売)

感想・レビュー・書評

[3niyanさんの感想 · 2013年12月27日]

積読目的で買ったにゃん

[tulipsさんの感想 · 2013年11月1日]

あなたは「紫」という言葉を使い、どのようなイメージを言い表しますか。有島武郎は、夜空を次のように描写しました。
”岸から打ち上げる目標ののろしが紫だって暗黒な空の中でぱっとはじけると、さんさんとして火花を散らしながら闇やみの中に消えて行く”(-生まれ出づる悩み)
この文から、私たちの頭の中ではそれぞれの夜空のシーンを想像することができます。いくつかの言葉の組み合わせによって創られた頭の中のイメージは、その夜空を撮った写真より強力で、より豊富な感性を含んでいるかも知れません。
このように、色・音・におい・味など「感覚」を表現する言葉の用例を文学作品等から集めたのがこの本です。102人の作家の314作品より4,642例の多彩な感覚描写が収録されており、ひとつの色に対する作家それぞれの表現には感嘆するはずです。彼らの感性を覗いているうちに、あなただけの閃きが起こるかも知れません。
芸術、デザインなどクリエイティブな仕事に携わる方、感性を磨きたい方なら、ぜひ発想の参考にして欲しい一冊です。
また、同著者の「感情表現辞典」（中央図書館所蔵/参考図書【分類816.07-N37 】）も一緒に読むことをおすすめします。
（2013 ラーニング・アドバイザー/感性 HONG）

▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1145386&lang=ja&charset=utf8

[来栖ゆきさんの感想 · 2011年10月25日]

その名の通り、色々な作家の本から抜粋したうちの感覚表現だけを載せた辞典。

光影・色彩・動き・状態・音声・音響・嗅覚・味覚・触感・痛痒・湿度・温度・感覚的把握の１３項目。


感覚表現――例えば、光影の章には光、陽、月、星、輝、艶…などの項目に分かれていて、そのうち[月]の説明をしたいのであればそれについて説明された文章がつらつらとピックアップされています。
月光に照らされた～、青い月の～、月明かりの下の～…など。

温度の章[冷]だと
ひやりとした冷気が～、空気が凍って～、冷たい空気の～、風は冷たく～…。
寒っ！という表現をするために色々な表現方法がありますよね。
やー、日本語ってホントすごい(笑)

※全文載せちゃうと著作権とかアレなんで～～で表現しているので、実際の表現は本をめくって確認してください。

ちなみに、各文章に作者と作品名が書かれています。


初版が1995年なので、やはりというか古めかしく、最近の表現は載っていませんが、表現をそっくりパクる目的ではなく、自分の文章を作るのに参考にするのならいい辞典になると思いますヨ。


小説を書くには、文章力を上げるには沢山本を読もう！と言われていますが、やっぱ本のジャンルによっては好みもあるし、これでショートカットも有りかなと(笑)
一気に読もう！というのではなく、暇なときにぱらぱらめくるくらいでも楽しめます。

[jellyfishさんの感想 · 2008年10月4日]

初めて立ち読みしたとき目から鱗だった。
いろんな感覚を表わした文章集みたいな本。