日曜日の考古学

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  • 東京堂出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784490208351

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  •  2000年の旧石器捏造事件は、日本中に考古学への不信を与えてしまった。書籍や教科書等、今までの事実が大きくねじ曲がってしまうという前代未聞の事件であった。しかし、新しい発見があると新聞の一面を飾るなど、一般の人にとっては宇宙に神秘さを求めるのと同様に、歴史へのロマンも色あせることはない。古墳の終焉が、古墳造営から大事委員造営への変化と、厚葬から薄葬そして「火葬風習」であるなど、歴史が今の我々に教えてくれることは多い。がんばってほしい分野であるが、調査への資金や、発掘場所が宮内庁の管理で調査できないなど、まだまだ難しい問題がある。そもそも発掘調査というのが、工事や建設が行われている際に、偶然発見されそこから調査が始まるというのが一般的であるともいう。教授によるフィールドワークもあるが、やはり資金が大きなネックとなる。発見された遺跡も、全てが保存されるわけでなく、90%いじょうが破壊を前提の「記録保存調査」となっていることには、複雑な思いがした。科学が進み、「C14放射性炭素年代測定法」や「年輪年代測定法」などより正確な調査ができるようになっているだけに残念である。

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著者プロフィール

1951年、東京生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程修了。44年間、私立東邦大学付属東邦中高校で教壇に立ち、現在は昭和女子大学国際文化研究所研究員。専門は日本考古学。日本考古学協会全国理事を歴任。

「2022年 『ここまで解けた 縄文・弥生という時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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