ブラック校則 理不尽な苦しみの現実

制作 : 荻上 チキ  内田 良 
  • 東洋館出版社
3.84
  • (7)
  • (16)
  • (7)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 220
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784491035574

作品紹介・あらすじ

いま、なぜ校則が問題なのか?


?「校則問題はもう遠い昔の話なのでは?」

「今の子どもたちはのびのびと過ごしているのでは?」

?実は…


背景を変えながら、いまも
理不尽なブラック校則は子どもたちを苦しめ続けている

?
 2017年、生まれつき髪が茶色の高校生が学校から髪を黒く染めるよう強要され、精神的苦痛を受けて不登校になったことから裁判を起こした。?この報道をきっかけに行われた全国的な調査から見えてきたのは、生まれつき茶・金髪の高校生の2割が黒く染めさせられている、女子生徒の下着の色を検査され、没収さえされるといった「ブラック校則」の現状だった――


○体操着の内側に下着着用禁止
○日焼け止めやリップクリームの禁止
○「おしゃれ」だからタイツの着用は禁止
○女子生徒の下着の色を検査され、没収さえされる
○指導対象の生徒に授業を受けさせない
○年功序列で非合理的な「部則」
○以前よりも増加している「厳格な指導」
 ………
?


 子どもたちの理不尽な苦しみが、子どもたちの、そして社会の未来の足かせとなっている。その現状を、どのように変えることができるのか。
 2017年の裁判をきっかけに発足した「ブラック校則をなくそう!プロジェクト」による詳細な統計データや苦しむ子ども・保護者の声のほか、司法・貧困・トランスジェンダーなどの多様な論点、そして保護者・教師自身からみた校則の問題など、多様な論点からブラック校則の現状と、その解決策を探る。
 巻末には荻上チキ・内田良による対談のほか、頻繁に問われる校則への誤解を解きほぐした「想定問答」を収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • まだこんな校則あるんだ、からさらにひどくなっていることに愕然とする。息苦しさは学校にも。

  • 社会学の実践的手法としても勉強になる本。
    こういう身近な問題を、きちんと議論の俎上に載せるやり方を、中高生などのうちに身に着けるとよいと思う。
    そして実際、不条理な校則に苦しんでいる現場の人たちが、なるべく早く少なくなりますように。

  • スカートの丈、下着の色、髪型…様々な校則のうち理不尽なものを取り上げた本です。過去のものと思いきや近年増加傾向と知り驚きました。理不尽な事にNoといえる風潮が広がって欲しい。子どもや保護者の意見を丹念に拾った良書です。

  • ふむ

  • 校則の専門家はほとんどいないらしいが、そんな中でこのようなブラック校則が統計データや事例データといった根拠を基にして論じられている本に出会えてよかった。校則によって生徒を管理するのではなく、生徒を主体とみなして接する、生徒と保護者が校則づくりに関わることが重要など、様々なことを感じた。ブラック校則は単に学校の問題ではなく、先生の時間的余裕の確保や生徒と保護者の校則に対する考え方など、実に様々なことを考えていかなければいけないとわかった。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000056312

  • 特設サイト
    http://www.toyokan.co.jp/special/book/black-kousoku/
    書誌情報
    http://www.toyokan.co.jp/smp/book/01/b372257.html

    【簡易目次】
    はじめに [001-003]
    目次 [004-009]

    第1部 調査から見えるブラック校則の現在
    第1章 データで見るブラック校則 荻上チキ ・岡田有真
    第2章 ブラック校則の具体事例 荻上チキ

    第2部 子どもたちの理不尽な苦しみ
    第3章 子どもの安全と健康が脅かされる 内田良(名古屋大学)
    第4章 司法から見る校則 真下麻里子(弁護士)
    第5章 校則が及ぼす経済的な負担 渡辺由美子(NPO法人 キッズドア 理事長)
    第6章 当事者研究からみた学校の生きづらさ 綾屋紗月(東京大学)
    第7章 校則に内在する性規範 増原裕子(LGBTアクティビスト)

    第3部 ブラック校則をなくすには
    第8章 制服の「あたりまえ」を問いなおす 内田康弘(愛知教育大学)
    第9章 命を追いつめる校則 大貫隆志(指導死 親の会 共同代表)
    第10章 教師が見る校則の功罪 原田法人(元小・中学校校長)
    第11章 保護者から見る校則 大塚玲子(ライター)
    第12章 学校だけが悪者なのか? 内田 良 

    対談 ブラック校則から「ホワイト校則」へ 荻上チキ × 内田 良 223

    ブラック校則 想定問答 252

    おわりに [258-260]
    編者・執筆者紹介 [262-262]

  • 「こんなヒドイ校則がある」と言うようなトンデモ
    校則の内容を挙げつらう本ではありません。

    何のために校則はあるのか。本来はどうあるべきか。
    ひどい校則に対して保護者はどうあるべきか。などを
    真剣に考えるキッカケとなる本です。

    多くの識者が意見を寄せている編書と言う体裁を
    とっています。その中では、大阪の黒髪への強制染め
    と銀座のアルマーニ制服の2つの象徴的な事例を
    多くの人が取り上げているのが印象的です。

全16件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1981年生まれ。評論家。メディア論を中心に、政治経済、社会問題、文化現象まで幅広く論じる。NPO法人ストップいじめ!ナビ代表理事。ラジオ番組『荻上チキ・Session-22』(TBSラジオ)メインパーソナリティー。同番組にて2015年度、2016年度ギャラクシー賞を受賞(DJパーソナリティー賞およびラジオ部門大賞)。

「2019年 『ネットと差別扇動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

荻上チキの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×