- Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
- / ISBN・EAN: 9784491045276
作品紹介・あらすじ
子どもたちが社会科を生き生きと学ぶにはどうしたらよいか—
自分たちの「まち」を身近なものにするためには—
これからの社会科のあり方を提案する
■まちづくり的社会科の提案
地域から学び、地域に提案する社会科
—まちづくり的社会科
社会は多様化が進んでいます。社会が多様化するということは、当然子どもたちも多様化していきます。その中で、教師が「おもしろい」と思ったことは、子どもたちにとって必ずしもおもしろいとは限らないことも。そこで、個人の「学びたい」思いのみならず、自分たちの地域社会の問題を知り、「学ばなければならない」「学ぶことで社会をよりよいものにしたい」といった切実さを大切にする必要があります。つまり、たんに「おもしろい」のではなく、「地域から学び、地域に提案する」視点を明確にしたいと考え、提案します。
■まちづくり的社会科の位置づけ
■従来の社会科とまちづくり的社会科は何が違うのか
■自分たちの知っている「まち」と切実性
■ハイクオリティーな教科教育書
社会科教員なら必見の本であることはもちろん、すべての小学校の先生にもお勧めです。これからの社会を変えるのは子どもたちです。近年、「まちづくり」からさらに一歩進んで、「誰もが多様なスタイルで、まちと関わることを前提」とした「まち育て」という概念が広がってきています。「まち育て」には「まちを育はぐくむという想い」(北原啓司)が込められています。ぜひ、子どもたちのまちを育てるデザインを取り入れる社会や大人が増えて欲しいと願っています。自分たちの学びが社会に貢献されると、学ぶ意味や意義はとても高まっていきます。
感想・レビュー・書評
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学習指導要領が目指す社会科の理念をどうしたら実現できるのか。それをとことん追究し、筆者は「まちづくり的社会科」の実践に辿り着いた。
わたしも社会科教員の端くれとして、学ぶものが非常に多くあった。まず一つは、やはり「自分がまちを知ること」。そして次に、「地域やまちづくりにかかわる人と子どもたちとをつなげることを通して、子どもたちが自分の住むまちを知ること」。
現在「働き方改革」が推進される中にあり、アポ取り、取材、資料作り、単元構成を行う事は、大変効率的に行わなければ難しい環境である。しかし、そうした中でも、やはり「子どもたちの『これから』につながる学び」「社会科に軸足をおいた学級経営」にチャレンジしていきたいと思わせてくれた一冊であった。
私自身、現在小学校に勤務する中で、地域の副読本、教科書、タブレット端末などをうまく取り入れ、組み合わせて、小学校のうちから丁寧に授業づくりをしていくことで、「まちを知り、主権者として地域(日本)を支えていく子どもたち」の育成を目指していきたい。
また、本書の優れているところには、教科書と自分のまちを比較する際に、筆者が実践してきた授業づくりが詳細に記述されているところである。「社会科の学習指導要領、社会科の教科書ではこの部分です。そして、それを踏まえてこのように単元を構成しました」と分かりやすく書かれている点は、大いに参考にしたいところである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
長瀬先生が提案される「まちづくり的社会科」は社会科としての系統を大事にしながらも,子どもたちが社会に関わっていこうとする社会志向を目指されている所が興味深い。3.4年生の地域学習だけでなく,5.6年生の学習においても関連する地域の題材を取り上げて,教科書の内容とも比較しながら進めていく学習を続ければ,学習内容を自分ごととして捉えられ,公民的資質の育成につながっていくと感じた。
自分は経験主義と系統主義の間で揺れているが,その中で一つの答えにつながるヒントをもらえた気がした。