「感情」は最強の武器である: 「情動的知能」という生存戦略

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492047330

作品紹介・あらすじ

「直観力」「やる気」「リスク評価」……
感情や情動は生命の進化がもたらした究極の能力だ!

最先端の「感情神経科学」が明らかにした、
感情や情動の驚くべき世界。

今、「感情神経科学」は大革命のさなかにある。
そして、かつては「的確な判断の邪魔をするもの」とされてきた感情や情動は、
進化がもたらした生存のための最強の能力であることが明らかとなっているのだ。
自分の情動状態を知り、感情を手なずけ、活用するための、
最先端科学の知見が満載の書。

★本書で得られる知見★
・感情や情動は、進化がもたした生存のための卓越した能力である
・人は情動がなければ何も行動を起こせない
・あなたの意思決定は、ポジティブな状態か、ネガティブな状態かという
 「コア・アフェクト」に大きく影響される
・やる気も鉄の意志も情動によってもたらされるが、
 それらは睡眠不足や加齢によって衰えてしまう。
・喜びやポジティブな情動は人を創造的にし、リスクを取るように促す。
・悲しい気持ちのときは、より現実的で正確な判断を下せる。
・空腹感は(食べ物に限らず)ものを手に入れることを促し、
 嫌悪感はものを手放すことを促す。
・「欲しい(欲求)」と「好き(嗜好)」は脳の別の回路によるものである
 (「好きではないのに欲しい」という衝動も生じうる)。
・情動は伝染する。幸せな人に囲まれていると幸せになれる。
・社会的な成功を収めている人は、他人の感情を理解したり、
 自分の情動をコントロールできるなど情動的知能が高い。
・自分の情動プロファイルを知れば、感情を手なずけていつでも役立たせられる
……


「情動状態のダイナミクスを意識することは、人生の成功に欠かせない要素の一つである。
やる気を出したり、衝動を抑えて気分を整えたり、他人に適切に対応したり上で役に立つのだ」
(「第2章 情動の目的」より)

感想・レビュー・書評

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  • 情動的知能という不思議な機能について解説している本。科学的根拠とストーリーを織り交ぜて書かれていて、科学的読み物として面白く読めた。

    【面白かった内容】
    ・心と体のつながり
    身体状態や環境が、感情や思考・意思決定に無意識に影響している。よりよい決断をするためには環境も大事。
    ・欲求と嗜好の関係
    欲求と嗜好は脳内では別のシステム。欲しいからといって好きなわけではない。

  • 感情は原始的なネガティヴなものではなく、生存に必要なよいことである(それが社会においてネガティヴとなる場合はあるが)

  • 感情テスト

  • 【書誌情報】
    原題:Emotional: How Feelings Shape Our Thinking
    著者:Leonard Mlodinow(1954-)  物理学。科学系啓蒙書の執筆など。
    訳者:水谷 淳(1970-)  英日翻訳。
    発売日:2023年6月14日
    ジャンル:仕事術・思考法
    定価 1,980円(税込)
    ISBN:9784492047330
    サイズ:四六/並/304

     今、「感情神経科学」は大革命のさなかにある。そして、かつては「的確な判断の邪魔をするもの」とされてきた感情や情動は、進化がもたらした生存のための最強の能力であることが明らかとなっているのだ。自分の情動状態を知り、感情を手なずけ、活用するための、最先端科学の知見が満載の書。
    https://str.toyokeizai.net/books/9784492047330/


    【目次】
    はじめに

    第1部 情動とは何か
     第1章 思考と感情――情動とは何か、感情の理論はどのように発展してきたか
     第2章 情動の目的――情動の進化上の目的と、昆虫から人間まで動物における情動の違い
     第3章 心と体のつながり――身体状態は思考や感情にどのような影響を及ぼすのか

    第2部 情動の驚くべき力
     第4章 情動が思考を導く――情動が情報処理に及ぼす影響
     第5章 感情はどこからやって来るのか――脳はどのように情動を形作るのか
     第6章 動機――欲求と嗜好の関係――欲望の起源と脳内の快楽、および両者と動機の関係
     第7章 情動と決意――情動は鉄の意志をもたらす

    第3部 情動の傾向と情動を抑える術
     第8章 あなたの情動プロファイル――自分がどのような情動を持ちがちで、状況にどのように反応しがちなのかを知る
     第9章 情動を操る――情動をどのようにコントロールするか

     エピローグ――別れ

    謝辞
    原注
    索引

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著者プロフィール

レナード・ムロディナウ
カリフォルニア大学バークレー校で理論物理学の博士号を取得し、マックス・プランク研究所でアレクサンダー・フォン・フンボルト・フェローを経て、カリフォルニア工科大学で教壇に立った。著書に『ファインマンさん 最後の授業』(安平文子訳、メディアファクトリー、2003年、現在ちくま学芸文庫)、『たまたま:日常に潜む「偶然」を科学する』(田中三彦訳、ダイヤモンド社、2009年)、『しらずしらず:あなたの9割を支配する「無意識」を科学する』(水谷淳訳、ダイヤモンド社、2013年)、『この世界を知るための 人類と科学の400万年史』(水谷淳訳、河出書房新社、2016年、現在河出文庫)、『柔軟的思考:困難を乗り越える独創的な脳』(水谷淳訳、河出書房新社、2019年)などがあり、スティーヴン・ホーキングとの共著に『ホーキング、宇宙のすべてを語る』(佐藤勝彦訳、ランダムハウス講談社、2005年)、『ホーキング、宇宙と人間を語る』(佐藤勝彦訳、エクスナレッジ、2011年)がある。

「2023年 『「感情」は最強の武器である』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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