民主党の組織と政策

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492211953

作品紹介・あらすじ

民主党とは、いかなる政党なのか?党の発足から政権交代に至るまでの過程を、中央と地方の党組織、有権者、政策などのさまざまな側面から学術的に検討。その本質に迫る。

感想・レビュー・書評

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  •  本書は、2009年に政権交代を果たすも、わずか3年で下野してしまった民主党に焦点をあて、民主党政権がなぜ上手くいかなかったのか、民主党の組織自体にその要因を見出そうとしている。民主党は、1993年の政権交代及び以降の政治改革を先導した中小政党を取り込んで、国会内での勢力を拡大した。2003年の民由合併によって、ほぼすべての90年代の新党を取り込み、着実に第2党としての地位を固め、自民党と並んで二大政党制化が叫ばれた。そして2009年、念願の政権交代を果たした。

     民主党は、その形成過程から示されるように、様々なイデオロギーや政策選好を持った議員の寄せ集めであった。個々の議員をまとめる共通概念が「政権交代」だったのである。その政権交代が果たされたあと、民主党内のまとまりの無さが露呈する。本書では、形成過程・党内組織・支持基盤・政策争点を通して、民主党政権が失敗に終わった原因を探る。民主党政権を顧みる事で、日本政治において、政権の座につく政党に求められていることは何かを知ることができるのである。
    (ラーニング・アドバイザー/国際(政策) SASAKI)

    ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1775749

  • 第1章 民主党の形成過程、組織と政策
    第2章 民主党における役職配分の制度化
    第3章 選挙制度改革と民主党代表選出過程における紛争管理—新党が直面する構造問題
    第4章 民主党地方組織の形成過程
    第5章 民主党地方組織と労働組合
    第6章 民主党支持率の成長と安定
    第7章 争点と政権交代
    第8章 民主党の政策—持続性と変化

    Pp.137(第5章)
    ・ 「民主党の意志決定が労働組合に依存しているとした「労組決定論」を展開することが本章の目的ではない」
    ➢ 一方で支持労組の要求と党の方針とが異なり、議員行動に混乱がみられるケースも散見される。(政党は労組の要求と異なる政策を打ち出すが、党員は労組の要求に応諾したような行動をする)
    例;2007年11月21日、揮発油税の暫定税率廃止と道路特定財源の一般財源化を訴えていたが、所轄大臣である直島正行は自動車総連主催の大会に参加。(PP.137)
    ・ 第5章の分析枠組み、ネストゲームを用いる。
    ➢ 与野党間アリーナ/政党内アリーナ/労組アリーナ
    ➢ 「ネストゲームとは複数のアリーナで行われるゲームが相互に干渉しあった結果、干渉しない場合とは異なった帰結が導き出されるというものである。合理的選択的新制度論が外的要因に制度を取り込み、その制約の中でアクターが合理的に行動した結果を明らかにするが、さらにネストゲームでは同時に進行しているほかのアリーナのゲーム結果までをメイン・アリーナにおけるゲームの外的変数、アクターの行動を拘束する要因として取り込む試みである。(PP.141)
    ・ 結論→労組議員と非労組議員の力関係(労組アリーナ)という点でみれば、労働組合優位が強まったといえる。(PP.155)

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