ガラパゴス・クール

著者 :
制作 : 船橋 洋一 
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492223765

作品紹介・あらすじ

日本が再び世界での存在感を取り戻しつつある。
 「失われた20年」の過程で出遅れたグローバル化とデジタル化がようやく経済と社会に浸透してきた。それに伴って、日本の価値がグローバルなニーズと評価基準によって見直され、日本の人材、モノ、プロセス、インフラ、取り組み、アイデアが輝きを増し、日本の文化がグローバル文化へと翻案(ほんあん)される時代が到来しつつある。
 本書では、日本がどのように世界に貢献しているのか、日本は何を世界に与えているのか、日本の何が世界に求められているのか、を考察する。そして、その潜在力が十分に顕在化されない場合、何がそれを実現の制約となっているのか、一体どうすればそれを実現できるのかを分析し、新たなチャレンジの取り組みを提示する。
 各界のフロントランナー11名が、それぞれの立場から、世界に誇るべき日本のソフトパワー、新たな役割と貢献の物語を伝える。

感想・レビュー・書評

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  • 編:船橋洋一
    著:日本再建イニシアチブ

    【書誌情報】
    ISBN:9784492223765
    サイズ:四六判 上製 404頁 C3036
    発行日:2017年02月24日
    定価3,024円(税込)
    日本の「宝の持ち腐れ」の部分に光を当て、それが日本ばかりか世界の21世紀型経済発展のフロンティアになることを示す。
    https://store.toyokeizai.net/books/9784492223765/


    【個人的メモ】
    ・理念の本。あと、目次から本文までカタカナ語の含有率が高い。

    ・帯の文句は次の通り。やはり、日本論か日本文化論として本書を売り出すらしい。
    “「クール・ジャパン論」を越えた21世紀の新ジャポニズム論ここに誕生!”

    ・ただし、船橋洋一による「まえがき」を読んでみると、版元と船橋氏との間に、「どんな本として売りだすか/どんな本にするか」という食い違いがあると気づく。少し抜き書きしてみる。

    “日本は世界から引き続き学び、かつ世界に与えるそれはどういうものだろうか。〔……〕そうした問題意識を持って私たち日本再建イニシアチブは2015年10月、「日本再発見」プロジェクトを立ち上げた” (iv頁)

    “報告書の執筆者による全体討議を行った。/私は、そこで執筆者の方々に三つのことをお願いした。/このプロジェクトではクール・ジャパンはやらない。〔……〕独立の立場から、また世界とともにもう一つの座標軸と評価軸を探求したい。/次に、日本人論はやらない。/日本の魅力を探求するとしても、それは日本の文化がユニークであり、日本は特殊であるが故に、日本が優れているとか、日本が魅力的であるという日本特殊論の立場は取らない。〔……〕日本特殊論にとどまっていては、世界と価値も価値観も共有できない。/最後に、日本の魅力を他国や他の民族と比較し、その良し悪しを語ることでそれを定義するのは慎む。” (v-vi頁)

    ・版元の視線の方が冷静ということになるのだろうか。たしかに私はこれまで、「既存の日本人論を超越しようしたが、やはり日本人論になる」という試行錯誤を何度か見たことがある。

    ・さて各章では珍しい個別のテーマを深掘りしており、それぞれ興味深い。なお、三浦氏による序論は抽象的というより曖昧で、その内容はあまりわからなかった(賢い人なら理解できるのだろう)。


    【簡易目次】
    まえがき――「失われた時代」からの跳躍(2017年1月20日 船橋洋一) [iii-viii]
    目次 [ix-xii]

    序論 日本が世界に提供できるものは何か[三浦瑠麗] 001

      第1部 インキュベーター
    第1章 インバウンド開国[加藤史子] 018
    第2章 読み解かれる日本[毛 丹青] 042
    第3章 アートと科学の結合が競争優位を生む[隅研吾、デイナ・バントロック] 062
    第4章 実験精神に富む「文化的温室」[マット・アルト] 090

      第2部 異端者と先駆者
    第5章 アウトサイダーが大企業を活性化させる[櫛田健児] 120
    第6章 平均寿命100歳時代[石川善樹] 165
    第7章 「課題解決先進国」への条件[小島隆史、石川善樹、阿部大輔] 190
    第8章 3・11からの教訓[ダニエル・アルドリッチ] 214

      第3部 世界のシビリアン・パワーとして
    第9章 架け橋[伊波浩美] 246
    第10章 グローバル・シビリアン・パワー2.0[細谷雄一] 271
    第11章 日米和解のナラティブとメッセージ[ジェニファー・リンド] 295

    総論 ガラパゴス・クール[船橋洋一] 324

    注記 [1-28]
    ヒアリング協力者一覧/執筆者紹介 

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著者プロフィール

一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長。1944年北京生まれ。法学博士。東京大学教養学部卒業後、朝日新聞社入社。同社北京特派員、ワシントン特派員、アメリカ総局長等を経て、2007年から2010年12月まで朝日新聞社主筆。2011年9月に独立系シンクタンク「日本再建イニシアティブ」(RJIF)設立。福島第一原発事故を独自に検証する「福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)」を設立。『カウントダウン・メルトダウン』(文藝春秋)では大宅壮一ノンフィクション賞受賞。

「2021年 『こども地政学 なぜ地政学が必要なのかがわかる本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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