- Amazon.co.jp ・本 (625ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492313978
作品紹介・あらすじ
独創的なアイデアと斬新な方法論で時代を画する研究をし、政治経済に関する評論で一般読者の間でも高い人気を誇る、ノーベル賞を受賞した経済学者による、世の中が見える入門書。読みやすさを極めた「アカデミックエンターテインメント」。
感想・レビュー・書評
-
ノーベル経済学賞受賞のクルーグマン氏のマクロ経済学の教科書です。ミクロのほうも読みましたが、非常にわかりやすくて読了まであっという間だった。経済学初学者のために言っておくと、マクロ経済学とはいわゆる典型的な「経済」を勉強する学問だ。GDPの各国比較や経済成長の部門間分析や労働市場の効率性や短期と長期の需要と供給の変化や物価の変動や貿易と為替の関係などなど。経済という言葉を聞き、おそらくこれらを連想されるだろうし新聞を開けばいずれかのニュースを見ない日はない。その明日の経済を占う学問こそがマクロ経済学だ。現代日本経済、世界経済を見通す上で自身の基盤を作りたいと思う方はぜひ読んで損はないです。ちなみにクルーグマンのミクロ経済学のほうを読んだ人は一部重複している箇所もあるので必要に応じて読み飛ばしてください。
ミクロ経済学と同じく、クルーグマンの巧みの文章力と熱意によって複雑な経済と難しい経済学がかくもわかりやすくなるものだろうか。モデルの記述に拘泥せずかといってケーススタディばかりを取り扱わず、その各々を可能な限り詳細に記述したから故にだと思います。多くの教科書なら需要&供給曲線が外生的要因でシフトしたときは一例しか提示しませんが、すべての起こりうる要因を読み手に解説するのは素直に嬉しいでしょう。独学がしにくい分野であるからいっそうその気持は強いです。ただミクロと比べた場合、乗数効果やAS-ADモデルなど複雑な数式が必要なところではどうしても概念的な説明にとどまってしまって、ここのところを勉強したい人は他の図書もあたることをお勧めします。経済学とは退屈な学問です。フィッシャー効果、フィリップス曲線、メニューコストなどその定理や理論の意味だけでなく、それが示唆することまで書いてあるので表面的な理解にはとどまらないでしょう。おそらくどの教科書も購買力平価の説明は一物一価という乱暴な注釈で済ませてありますが、ビッグマック指数の解説とともにコラムでそれのメリットとデメリットも添えてあるのはクルーグマンのこの教科書ぐらいではないでしょうか?
総括するとマクロ経済学の基本的考えを漏れなく勉強するにはいいテキストですが、上級者やそれ以上を望む人にとっては今ひとつパンチが足りないかもしれません。学問的に厳密に勉強したい人はバローのテキスト、経済政策について勉強したい人は財政学や公共経済についてのテキストをあたりましょう詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
基礎からマクロ学ぶ時に使いやすい。良書。
-
C3033
蔵書 -
アベノミクスの理論的支柱にして、先般梯子を外したポール・クルーグマン氏の書いた、マクロ経済学の教科書的な概論。長らく本棚の肥やしになっていたところ、あまりにも素養のない分野なので重い腰をあげよう(=重い本を開こう)とした次第である(要点だけの飛ばし読みだけど)。
コラムや実例も豊富で工夫されており、独習用にはわかりやすかったが、GDPの計算あたりから雲行きが怪しく。いざ日本経済の状況にあてはめようとすると途端にわからなくなるのは、自分の理解力の問題か、はたまた日本経済が置かれた状況の特異性ゆえか。おそらく後者の要素もあるんだろうな。貨幣供給量を増やしたらインフレになるはずなのに。教科書的にいうと。まぁそんな単純じゃないよね。 -
マクロ経済勉強用に、めくってみて見やすく丁寧そうだったので
-
友達にあげたので再読予定なし。
-
ノーベル経済学賞受賞者による教科書。PCP選考のテキスト。
-
1~5章と18章は「ミクロ経済学」の内容と重複しているので飛ばし、残りの部分を4ヶ月かけて読了。
ミクロはもうほとんど完成された分野で、書きっぷりもすっきりしていてわかりやすかったけれど、マクロは未だ発展途上の分野なので、多方面に渡り構築中の理論が並べられている感触で、多少わかり辛いし、おそらく自分達の日常生活の役には、ミクロと違ってたたない。
ただそれは分野の問題であって、この本の構成自体はミクロ同様良く出来ていて飽きないものでした。
個人的にはミクロ推しだけれども、それでもこれを読めば新聞が3倍くらい楽しくなる事請け合い。。 -
経済学部のハリソン内科学みたいな本。
でもハリソン内科学より断然わかりやすい。 -
一から学べる名書