障害を問い直す

  • 東洋経済新報社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492314128

感想・レビュー・書評

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  • 目 次

    はしがき

    序 章 社会の中の障害者
        ―― なぜ、「障害」を問い直さなければならないのか? 松井彰彦
    第1章 顔の異形(いけい)は「障害」である
        ―― 障害差別禁止法の制定に向けて 西倉実季
    第2章 障害女性の貧困から見えるもの 臼井久実子・瀬山紀子

    第3章 きょうだい
    ―― 文化と障害 河村真千子
    第4章 障害者制度改革の取組み
        ―― 日本の障害者制度の課題 長瀬修
    第5章 「ふつう」の人の国の障害者就労 松井彰彦

    第6章 知的障害の歴史
    ―― イギリスと日本の事例 大谷誠・山下麻衣
    第7章 障害者は「完全な市民」になりえるか? 星加良司

    第8章 ディスアビリティ経験と公/私の区分 飯野由里子

    第9章 差別禁止法における障害の定義
        ―― なぜ社会モデルに基づくべきか 川島聡
    第10章 障害等級を定めることの困難性 関口洋平

    第11章 「障害を定義する」ということ 坂原樹麗・佐藤崇

    終 章 盲ろう者と障害学 福島智

    http://store.toyokeizai.net/books/9784492314128/

    https://ameblo.jp/yasuryokei/entry-12847289244.html

  • 障害を経済学的視点から考察する。
    私にとっては ディスアビリティ、インペアメント、障害という言葉が表す意味の違いを知るという事から始まった。
    自分が今まで漠然と考えていた障害について、あまりにも知らない、気付いていないという事を考えさせられる。

  •  様々な実験や、新たな認識の構築を行いながら、問題提起している途上にある状況なんだろうなと感じさせられる。見た目の違いも障害という枠組みで捉えるべきではないかという問いかけも興味深い一方で、差別の解消を行おうとする試みを包括的にやる方がいいのではないかとも思わせられる。
     生活保護や障害年金をとりまく分析も、やはり生活保護に働くインセンティブをもうけた方が良いといった他の知見を超えるものはないようにも思える。
     もっと強力に経済学的なモデル化の描写も読みたい人にとってはどこかもの足りなさもありそうに思える。

     しかし、不満は残るものの、小さいながらも就労に関して取り組みも行うであったり、問題点の整理は考える上の一助になるところは、障害をとりまく環境(僕の障害の語法が曖昧ではあるが。)を考える上では必要な視点の提供になるだろう。

  • 感想を短くまとめると、こう。

    「障害者ではなく、関心も大してない人」をもっと巻き込んでいく必要がある。本書内でも何度か触れられているが、まだ弱い。そのような人にとっては、最悪不快になるような内容も、含まれてしまっている。
    おもねる必要がある、とは言わない。でも共感してもらう必要はある。そこをもっとブラッシュアップしていく為に、本書は「障害者ではなく、関心も大してない人」にこそ読まれるべきだと、そう思った。

    以下、簡単な内容紹介とくっそ長い感想はブログにて公開しています。
    http://tk2to.blogspot.com/2011/08/blog-post_04.html

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著者プロフィール

1962年生まれ。日本経済学会会長、東京大学経済学研究科副研究科長在任中に心サルコイドーシスにより入院、障害者手帳を取得。エコノメトリック・ソサエティ・フェロー(終身特別会員)。著書に『市場(スーク)の中の女の子』(2004年、PHP)、『高校生からのゲーム理論』(2010年、ちくまプリマー新書)など。

「2022年 『マイノリティだと思っていたらマジョリティだった件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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