- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492371237
感想・レビュー・書評
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少し期待外れだったかな。。
それぞれすごい人にインタビューしてるんだけど、残念ながら紙面が限られるため、浅い内容になっている。勿体ない感じがした。
各学者さんの本をそれぞれ読んでみようと思い、まずはハイエクの「隷属への道」をポチッとしてみました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世界最高峰の知性が、未来をどう語るのかが、興味があり読んでみた。資本主義、AI、仮想通貨、民主主義、自由、そして人間の倫理と哲学が絡み合う。
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○基本情報
読了期間︰2019年10月
著者など︰NHK
ジャンル︰リベラルアーツ系
ページ数、時間︰薄めの文庫本。
○感想
目的:リベラルアーツ、がっつり系
複数のインタビュー形式をとっている都合か、内容が薄く短い。特にハラリ氏の主張については同士の著作で展開されている内容のごく表面的な内容しか語られてない。
最後の著者の主張が散漫としていて軸が見てとれない、割にダラダラと長い。被インタビュー者の著作の導入にぎりぎりなりうるかといったレベル。
○まとめと引用
○1章
GAFAは分割されるべき。納税の点でも雇用創出の点でも悪影響
例えば同じ利益水準を支えるのに、広告業界は十倍ぐらいの人を抱えている
解決策は競争だ。競争により、眠っている技術の発展や、ユーザー保護のサービスが提供される
フェアなルールと規制のもとに、中産階級の発展に資する政策を取るべきだ
○2章
仮想通貨と資産のトークン化。政府に妨害されない自由機会の提供
ツアーガイドはオプションだが、GAFAのインフラはほぼ唯一の選択肢になっている点が問題
ブロックチェーンの技術は単なる決済のみならず、スマートコントラクトとして様々な仲介分野に活用できうる
○3章 ティロール
将来の資本主義統治の形としては、市場経済を国家が積極的に修正するような形になると考える。
市場経済には多くのシッパイもあった。一部の団体による支配力の膨張や情報の非対称性などは理由の一つだ
「無知のヴェール」による思考実験は、社会が目指すべき方向を定義するのを手助けしてくれる
賢明な規制を実行するためには、為政者は謙虚になる必要もある。例えば炭素税について、誰を罰せればよいのかということに関して十分な情報をゆうしていないために、市場に委ねることは合理的だ
GAFAのインフラの規制の難しさは、独占がグローバルレベルであることであり、国を超えた組織の統制について人類は経験がない。
市場競争を促すことでユーザーの不利益を阻止するのが一つの方法だが、M&Aや独禁法適応の難しさなどもある
法定通貨の存在が仮に仮想通貨に置き換わるとすると、シニョレッジが公共セクターに発生しない、為政者が金融政策をコントロールできない、などの問題がある。
法定通貨には資産的裏付けがないものの、例えば国庫への納税に使用できるという点で、信用の裏付けがある
○四章 ハラリ
20世紀のおいては、権限を分配させる資本主義が最も生産活動を効率化させ、勝ち組となった。
資本主義は自然の摂理などでは全くなく、社会の物語である。中世ヨーロッパにおける宗教と同じ立ち位置だ。
現代では、国々がいろんなイデオロギーを掲げるが、経済成長こそが最優先であるという考えは各国共通だ。
テクノロジーが政治体制や覇権の物語に対して選択肢を与える。21世紀においては、データ処理能力の飛躍が、集権統治にとって優位に働くかもしれない。データはユーザーからのニーズに応じて自己増幅する
「仕事がなくなること自体は何ら問題なく、人々の生活を以下に守るかという方法に議論を割くべき。一方で人生の意義をいかに与えるか・個人が見出すかということも合わせて考える必要がある」
〇五章
哲学の観点から、自然科学と経済至上主義の時代に対抗できることはあるのか?
⇒定量化できない幸福、偶然から生じる感覚など、人文科学から論じられるような価値観への気付きを人々に改めて思い起こさせる -
1,2に比べ各論感が強くなり、読みごたえは可也ライトになった。
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欲望の資本主義の第三巻目である。欲望は資本主義を発展させるとともに、それが行き過ぎれば停滞も崩壊も齎らすのだ。そのメカニズムとその未来を世界の識者に聞いたのが本書である。インタネットの普及が正にその功罪の原因となり、未来のことは識者の中でも意見は分かれる。ビットコインについても、その推進者は、国の規制が外れることによって、より自由な経済活動が可能になるとし、一方哲学者は、いずれ失敗するだろうとの見解だ。哲学者によれば、インタネットの普及によりフェイクニュースや詐欺などの欺瞞が横行し、為政者の虚偽や隠蔽工作が加速すると予測している。実はその現象は、すでに現実となって表面化しているのだ。アメリカのトランプ、イギリスのボリス・ジョンソン、フランスでの極右政党の台頭、そして我が国の現状である。哲学者の言うように、民主主義の危機が迫っているのだろうか?