これから世界で起こること

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  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492395714

感想・レビュー・書評

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  • ・バタフライ効果
    どこかで蝶がはばたくと、どこかの国のぞうが倒れる。みたいな話。

    ウオールストリート経済とメインストリート経済。経済の中核を担っているのは、中小企業。なぜなら、中小企業が雇用の大半を担っているから。経済の実情をみるには、中小企業を見なければならない。
    シェールガス。今後のアメリカは石油社会からガス社会へシフトする?
    EU本来の目的はWW2以降の平和維持。欧州の歴史は争いの歴史。その長く深い歴史は、EUを継続に導く?ドイツが牽引しているが、そのドイツがWW2の敗戦国でありところに、歴史の奥深さと、単純に面白さを感じた。
    資本主義の本質。
    日本人の「足るを知る」という美徳は欧米にはない。金融資本主義はまさにその対局にある。江戸時代の「宵越しの銭は持たねえ」という考え方。
    なぜ、経済成長が必要なの?
    「国や企業が銀行から借り入れた借金の利子を返済しなければならないから。」
    成長をしない限りは、原資を取り崩して利払いに充てなくてはならなくなるため、絶えず成長が求められてしまう。
    アメリカが実態経済から1995年ごろに金融経済にシフトしたその理由。それは、メードインUSAの国際競争力が、低下したため、労働の耐火として報酬を得る、実態経済だけでは国が豊かになれない現実があったから。実体経済により個人資産を積み上げた日本は、リーマンショック後も個人資産があまりへらなかったのはそのため。
    資本主義の限界。
    新興国の賃金上昇→より低賃金の国へ→もう多くない進出先。
    日本企業も、韓国→中国→東南アジアと、シフトする。これは、古代ローマの奴隷制度の限界と似ている。
    資本主義の限界があるところには、デフレあり。低賃金による生産が難しくなれば、薄利多売になることが自然の流れ。

    正しく時代を読むためのヒント、という副題は正解。
    資本主義社会とはなんぞや、を読むための良本。

  • 不況が長引くという予測、その根拠はとても説得力があった。足ることを知り、同時に自分を高めることの重要性を再認識。ただ、ネットを情報源とすることを批判し、新聞の薦め、アナログ人間が強いと論じる部分は認識が数年遅れていると自分には思えた。

  • 参考になる見識というか至極真っ当な見解とも受け取れる.若いうちは,貯蓄ではなくお金を使って失敗する必要もあると.

  • うーん。タイトル通り今後どうなるので今後どうしよう、という内容かもしれないが、こんな本を読む人に対して、経済の現状説明と今後よくならないからもっと若い人は自己投資して真面目に仕事をしなさい、と説くのは、正直期待外れ。書いてあることも前作とほとんど同じ。応援したいトヨタも同じ。1.5★

  • 今後こうなる、という筆者の切り口を期待していたが、現状紹介だった。
    うーん、、それはどこでも言われているしなぁ、と言った感じ。

  • 『これから世界で起こること』中原 圭介 さらっとした印象。各論に関して動向というよりも、全体的に世界はこんな感じです、というようになんとか新書よりも軽い感じで書かれている。だからといって、全く経済動向を知らない人向けに書かれている、というほど親切(例えを用いたりなど)でもなく、誰向けに書いているのか、それともあまり意識していないのか、目的がよくわからない。



    とはいえ、基本的な金融市場、実体経済の動きをざっと整理することはできた。 米国の金融緩和→米国民が持つ株の資産価値上昇→お金持ちになって消費拡大 ただし、その反面、商品市場にもマネーが流れ込み、原油等の価格高騰→一部の(株などを持たない)米国民の消費減退になるリスクもある、とのこと。 また、世界的には、同じく商品価格が上昇することで、新興国でのインフレ圧力が高まり、経済情勢が悪くなる、とのこと。 初めて聞いた言葉としては、シェールガス革命の恩恵を受けるアメリカがガス社会を作り出し、ガス自動車を開発するのではないか、という話。 とにもかくにも、すべて論理だけはあっても、データ等による裏付けは非常に少なく、残念な印象を受ける。

    少ない中でもメモしたいと思った数字達
    「中国の消費者物価指数は、米国がQE2を実施する前月の10年10月には前年同月比でプラス4.4%だったのに対し、QE2が終了した11年6月には6.4%まで上昇していた」 (引用)

    「中国では雇用のおよそ8割を担う中小企業と、中略、GDPの6割を占める中小企業、、、」
    「政府規制の及ばない非合法な高利貸しが増加計画にあります。(中略)国有企業の余剰資金や役人の賄賂を溜め込んだお金までもが、その運用先として非合法な高利貸しに投じられている」

  • これから世界で起こることというよりは、今世界で起こっていることの解説といった感じ。

  • 金融のコンサルタントの著者が、現在の世界経済問題を平易な言葉で解説してくれている。マネーが過剰となり、実体経済ではなく、金融経済が幅をきかせていることや、経済学や資本主義の限界があることなど。そして、まともな経済感覚を身につけることを勧めている。仕事に専念し、自己投資を怠らず、求められる人間たれ、という主張は常識的な内容だと思う。

  • アメリカとヨーロッパの今後の景気動向がよくわかった。量的緩和のリスクも。麻薬のようになってしまっているのか。。
    明るい見通しが少ないだけに、このような将来予測をしっかり持った上で、これからの自分の価値、やりたいことを常に意識して、これからの人生を主体的に選択していくことが重要と感じさせられた。

  • 経済本というか自己啓発書というか・・・
    これからの経済動向が悪すぎて書くことがないということなのでしょう。

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著者プロフィール

1970年生まれ。慶應義塾大学卒業後、金融機関や官公庁を経て、現在は経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。大手企業・金融機関、地方公共団体等への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に務めている。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。実質賃金、実質成長率など、名目数値よりも実体経済に近い数値推移で市場を把握する。著書に『AI×人口減少』(東洋経済新報社)、『日本の国難』(講談社現代新書)など。

「2021年 『マンガでわかる その後の日本の国難 稼ぐ力の高め方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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