文系でもわかる ビジネス統計入門

制作 : 内田 学 
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492470824

作品紹介・あらすじ

中学数学だけで、統計思考を身につける!100人のデータから10万人の顧客特性を求める:点推定と区間推定。顧客満足度調査から今後の戦略を立てる:相関分析。売上目標を達成するための最適な広告費・販促費を決定する:重回帰分析。テレビCM、新聞広告の有無から商品認知率を予測する:数量化理論1類。アンケート調査で新商品のヒントを探る:コンジョイント分析、などが、Excelでカンタンにできる!早稲田大学オープンカレッジの大人気講座「文系でもわかる統計学入門」を完全書籍化。

感想・レビュー・書評

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  • 1,記述統計
    ■度数分布表・ヒストグラム
    ・度数分布表⇒集計表、ヒストグラム⇒グラフ
    ・度数分布表の作り方
    ⇒最大値と最小値を見つける。階級(区切り)を決める。階級に入るデータを数える(これを度数という)。この度数を%表示したものを相対度数という。階級値は階級の真ん中の値で、これ度数の回あるとみなす。

    ■平均・分散・標準偏差
    ・グラフにしなくても値から判断できる、便利!。平均では見れない、データの散らばりを見るのが分散・標準偏差。
    ・分散は(データの値ー平均)²の合計/データ数、標準偏差は分散の平方根。各データから平均を引いたものを偏差という。
    ⇒要は偏差の平均だが、偏差を合計すると0になるので、平均は算出不可能。+とーの影響を消すため、二乗する。
    ⇒分散では単位が二乗になってる(円²など)ので、平方根をとる。平均からのばらつきを表す。
    ・EXCELでは、挿入⇒関数⇒分散ではVARP、標準偏差ではSTDEVPA⇒データ範囲の指定
    ・その他として、中央値(真ん中の値、データ数が偶数の時は中央の2つの値の平均)、最頻値がある。
    ・平均や標準偏差が大きく異なるもの同士を比較する場合は、標準係数(標準偏差/平均)で比較する。

    ■正規分布
    ・正規分布曲線の特徴は、①平均を中心とした左右完全対称、②平均、中央値、最頻値はすべて一致する。ヒストグラムの一種。
    ・正規分布曲線においての平均と標準偏差の関係
    ⇒①平均を挟んで±2(1.96)×標準偏差の愛大に全データの95%が含まれる、
    ⇒②平均を挟んで±3(2.58)×標準偏差の間に、全データの99%が含まれる
    ・標準正規分布は、単位は持たず、平均が0、標準偏差が1の正規分布曲線。特定の値の範囲、以上または以下に何%のデータが含まれるかわかっている。
    ・標準正規分布表を使うために標準化を行なう。標準化=各データの値-平均/標準偏差

    2,推測統計
    ■標本調査
    ・全数調査の代わりに、標本調査を行なう。
    ・母集団の値の分布を母集団分布、①平均を母平均、②分散を母分散、③母標準偏差、①~③を母数という。
    ・母数の一部を抜き出したものを標本といい、①平均を標本平均、②分散を標本分散、③標準偏差を標本標準偏差、①~③を標本統計量という。
    ・標本調査は母数を推測するために行なう。無作為抽出と統計的推測からなる。
    ⇒無作為抽出はexcelで、データ⇒データ分析⇒サンプリング⇒データ範囲と標本数を決定する。

    ■母平均の点推定
    ・標本分布
    ⇒すべての考えられる標本平均の分布
    ・標本分布の平均
    ⇒標本平均の平均。母平均と等しくなる
    ⇒母平均の推定に標本平均を使うのがいいのは、①標本分布の平均=母平均、②分散が最も小さいから。
    ・標本分布の分散
    ⇒すべての標本平均の分散。①(各標本平均-標本平均の平均)²の合計/標本平均の数、②母分散/標本数

    ■区間推定
    ・excelではデータ⇒データ分析⇒基本統計量⇒データ範囲、信頼区間設定。
    ⇒標本平均±結果数値が母平均の信頼区間になる。
    ・標本分布の性質
    ⇒①母集団分布が正規分布なら、標本分布は正規分布、②標本数が大きければ、母集団分布に関わらず、標本分布は正規分布に近似。
    ・標本平均の標準偏差
    ⇒標本誤差とよぶ。標本平均の分散の例から、√母分散/√標本数=母標準偏差/√標本数
    ・母集団分布と標本分布
    ⇒正規分布の時、母集団のメンバーは母平均±1.96×母標準偏差の間に95%が含まれる。
    ⇒標本平均は、標本平均の平均±1.96×標本平均の標準偏差、★①母平均±1.96×母標準偏差/√標本数に95%が含まれる。

    ・母平均の区間推定
    ⇒母平均を推定したいが、通常は母平均と母標準偏差は不明
    ⇒★①を入れ替え、★②標本平均-1.96×母標準偏差/√標本数≦母平均≦標本平均-1.96×母標準偏差/√標本数
    ・母標準偏差は通常知ることができないので、近似の値である不偏分散の√を使う。
    ⇒不偏分散=(各データの値-平均)²/標本数-1、不偏分散の√=√(各データの値-平均)²/標本数-1。
    ⇒標本数-1を自由度と呼ぶ。標本分散の平均は母分散より小さくなり、不偏分散の平均は母分散と等しくなる。
    ⇒目安として標本数が50以上なら、★②を入れ替え、標本平均-1.96×√不偏分散/√標本数≦母平均≦標本平均-1.96×√不偏分散/√標本数
    ⇒母平均の推定は、①標本平均の信頼性を判断する、②標本数を決める
    ⇒②については★②を変えて1.96×母標準偏差/√標本数≦母平均-標本平均とし、右辺に抑えたい誤差の範囲を入力する。母分散、または母標準偏差がある程度つかめる場合。

    ■t統計
    ・標本数が少ない時の手段。
    ・標準化=データの値-平均/標本偏差、標本平均の平均=母平均、標本平均の標準偏差=√不偏分散/√標本数
    ⇒標準化された標本平均=標本平均-母平均/√不偏分散/√標本数
    ⇒母標準偏差と√不偏分散は近似するが同じではなく、標準化された標本平均は標準正規分布に従わなくなる。よって、1.96は使えない。
    ・母標準偏差の代わりに、√不偏分散を使うと、標準化された標本平均はt分布に従う。t分布は自由度(標本数-1)により分布が異なる。自由度が多いほど、標準正規分布に近づく。
    ・多くのソフトウェアでは標本数に関わらず、t分布を用いる。

    ■統計的検定
    ・仮説(対立仮説)を証明するために行なう検定。
    ・想定していない仮説(帰無仮説)を正しいとしてみて、否定する。帰無仮説を棄却する上限である有意水準を定める(1%または5%)
    ・母平均ー自由度×√不偏分散/√標本数≦標本平均≦母平均-t統計×√不偏分散/√標本数で帰無仮説の母平均を入力し、計算された標本平均の範囲に、調査で出た標本平均が入っていない(=棄却域に落ちた)ならば想定している仮説は支持されたとする。
    ・想定していない仮説が正しいという仮定のもと、標本調査から得た標本平均がどの程度えられやすいのか。確立が高ければ想定していない仮説が、低ければ想定している仮説が妥当である可能性が高い。
    ・実際の母平均の推定はt統計量を使用することが多い。t=標本平均-想定していない仮説の値/√不偏分散/√標本数(上記の式の展開)。t統計量がt分布の区間以外であれば、想定していない仮説は棄却される。

    3,多量解析
    ■相関係数
    ・関連性は散布図から判断する。excelでは挿入⇒散布図。
    ・右上がりは正の相関、右下がりは負の相関
    ・グラフを数値化したのが相関係数。excelではデータ⇒データ分析。
    ⇒0~0.2は関連なし、0.2~0.4はやや関連あり、0.4~0.7はかなり関連あり、0.7~は強い関連あり。
    ・相関係数は各偏差を算出し、それをかけ合わせ、合計を算出する。その際は単位の問題があるので、それを排除するために標準化する。標準化したものの合計を標本数で割ったのが相関係数。
    ・満足度調査での使い方
    ⇒総合満足度と各項目の評価の相関関係を出し、相関関係と各項目の平均点を出し、平均点の下か上かで判断する。
    ・原因と結果の関係はわからない。

    9,回帰分析
    ・点と直線との差の二乗の合計が最小となる直線
    ・excelではデータ⇒データ分析⇒回帰分析。従属変数はY範囲、独立変数X範囲に入力。
    ・重要な店は係数(切片と変数)と重決定R2。重決定R2は予測式の信頼性を表し、実測値と予測値から相関係数を算出し二乗したもの。0.4以上あればよい。
    ・回帰分析は予測と目標達成のヒントを得ることが出来る。
    ・独立変数が1つの場合は単回帰分析、2つ以上の場合は重回帰分析。
    ・重回帰分析では計算上の補正をした、補正R2に注目。
    ・注意点
    ⇒①従属変数と独立変数に相関があること。p値(関連性がない確立)で確認。0.5以上なら変数に含めない
    ⇒②従属変数同士の相関が強すぎてはいけない。0.7以上ならマルチコ現象発生。

    10,数量化理論I類
    ・回帰分析は量的データしか扱えない。
    ・独立変数が質的データの時に使うのが数量化理論I類。
    ・回帰分析なのだが、質的データを1と0の量的データ(ダミー変数)に変換する。excelでは回帰分析を選択。
    ・余分な列を排除する。
    ・独立変数に量的データと質的データが混在しても、そのまま計算すれば良い。

    11,コジョイント分析
    ・購買者は機能1つ1つを評価しているわけではなく、複合的に評価している。それを判断するのがコジョイント分析。
    ・直交表を作成し、「各属性の水準がバランスよくあらわれ」「各属性の水準間に関連性が存在しない」ようにする。
    ・流れは属性と水準を決定⇒商品案を作成⇒アンケートの回答をデータ化⇒商品案を0と1のデータに変換⇒満足度を予測⇒係数から重要度を算出。
    ・質的データの分析には数量化理論II類、独立変数が量的データ、従属変数が質的データには判別分析。

  • 良書。わかりやすいので逆引き的に使用しても、多少は会社内で通用するかも。

  • 難しい数学も必要なく、わかりやすく説明されているので、統計学で出てくる標準偏差や分散、それらを応用した推定、検定のことがざっくり分かる。
    初学者の私でもわかった気になれる。

  • うたい文句どおり、中学数学だけで理解できる。

    通常のビジネスマンの仕事だとこの本の範囲でだいたいカバーできるかも(逆にあまり複雑なことを言っても周囲に理解してもらえない)。

    エクセルのデータ分析ツールを入れてなかったので、ちょっと手間取った。ビッジネス統計の入門書を手に取る人なんて、そんなレベルだろうから、最初にツールを入れる必要がある旨の記述があると良かったかも。

  • 医療統計の入門としてこの本を手に取りました。
    文系のわれわれが理解できるように、丁寧に文章化されています。
    見出しも参照しやすく、標準偏差の考え方を見直したいときなど見返しやすいです。
    事例も親しみやすい内容で理解しやすい一冊。

  • ▼福岡県立大学附属図書館の所蔵はこちらです
    https://library.fukuoka-pu.ac.jp/opac/volume/287973

  • 文系の人向けの統計学入門書。
    数式ほぼなしですごく分かりやすく、丁寧に書いてあって読みやすい。
    ところどころややこしくなってる感じはあるが、それでも分かりやすく伝えようという雰囲気が伝わって来てとても良かった。
    統計を使ってみよう!と思えるような本。

  • 《教員オススメ本》
    通常の配架場所: 教員おすすめ図書(1階)
    請求記号: 336.1//U14

    【選書理由・おすすめコメント】
    学生の皆さんの中には、統計学と聞いただけで避けてしまう人もいると思います。しかし、社会人になると、マーケティングやファイナンスなど様々な仕事で統計が活用されていています。分散・標準偏差、回帰分析、相関分析などを社会人になってから勉強し直す人も少なくありません。大学で統計に関する知識を深めておくことは決して無駄にはなりません。本書はアイスクリームと気温の関係、コンビニの売上げの変化、など身近で分かりやすい事例で統計の理解を深められる入門書です。
    (経済学部 玉城逸彦先生)

  • これはすごい。
    とってもわかりやすく実用的!

  • タイトル通り、統計学をできる限り専門用語や特殊な数式を使わず、中学生程度の知識でも分かるように解説してくれる。

    また難しそうなところや、前述の知識を使う場合は、多少しつこいと感じるぐらいに何度も解説しているので、いちいち戻らなくてもよく理解することができた。

    この本を読んでおけば、多少ハイレベルの統計の本も読めると思う。

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著者プロフィール

東京医療学院大学保健医療学部リハビリテーション学科理学療法学専攻 准教授

「2020年 『姿勢から介入する摂食嚥下 パーキンソン病患者に対するトータルアプローチ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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