プロフェッショナル・ネゴシエーターの頭の中

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  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492532997

感想・レビュー・書評

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  • 仕事の参考に上司より借りて読んでみた。
    抽象的な考え方ばかりでいまいちだった。

  • 交渉とは利害が異なる相手と何かを決めるためのコミュニケーション 
    →自分が考えていたのは自分の利益のみ最大化し、相手を納得させるもの、という考えと異なるものであった。

    温度差と選択肢の数と時間的余裕と正確な情報と演技力と客観的状況と人間力
    対等ではなくても尊重すること。 決裂しても双方の信頼感が醸成される。
    ハロー効果 接触回数を多く。
    複数同時平行で交渉し、最もよい付加価値をつける相手にうれば、資源の最適配分になり、経済全体にとってもよい。
    →恋愛の数打ちゃあたる、の理論ではないのか?違う?

    ほかにキーパーソンはいないか。  

    最終武器は最後まで見せない。
    →蔵馬?

    フィックストパイバイアス(ゼロサムゲーム)の感覚にとらわれることなくをクリエイティブな交渉を心がけること。クリエイティブとは、今までの論争の争点ではない点から解決策を考えること。
    つまり、ジョイントプロフィットマキシマイゼーション(双方の満足度のパイ自体を大きくする考え方)を心がけること。これを総合的交渉という。
    →雇用の未来では、AIの発展により仕事が奪われると指摘されているが、クリエイティブな仕事は残るという。統合的交渉とはつまり、顔と顔を付き合わせた営業とも言えると考えた。

    立場で変わるインセンティブ フォールコンセンサス効果

  • 交渉についての指針になる本。具体性は多少欠けるけが、基本的な考え方部分は学ぶところがある。でも結局そりゃそうだというか、まぁ普通やるよねみたいなことが多いので、「目から鱗」と言う程ではない。

  • ビジネス上の交渉本

    交渉のプロを目指す人、苦手意識を持っている人のための本


    交渉術の本(大きく4つに分類)

    ①ハーバード流をはじめとする外国人が著者
    ②弁護士が著者
    ③学者が著者
    ④心理学系


    第一章 交渉スキルを身に付ける意義、交渉とはなにか、「交渉力」の7つの源泉

    第二章 「よい交渉」とは何か、2つの要素。相手と信頼を築く交渉方法

    第三章 交渉者として最低限知っておくべき交渉テクニック、心構え

    第四章 心理交渉術、社会心理学チャルディーニの法則と行動経済学、交渉応用編


    交渉は、理論がある一方で、相手の感情を察し、自分の感情をコントロールするというように、人間の機微を理解したうえでの働きかけが必要


    著者「立場や利害が異なる相手と何かを取り決めるために行うコミュニケーション」と定義している

    3つの定義
    ①立場や利害が異なる相手と
    ②何かを取り決めるために行う
    ③コミュニケーション


    交渉力の7つの源泉(7要素が交渉力を決める)

    ①合意をしたいと思う温度差(惚れたほうが弱い)

    ②他の選択肢(結婚前はひとりに絞るな)

    ③時間(結婚を焦ってはダメ)

    ④情報(本当に彼女、彼氏のことを理解している?)

    ⑤演技力(ウソはダメだが、思わせぶりはOK)

    ⑥客観的状況(親や友人はなんて言っている?)

    ⑦人間力(最後は男、女の魅力)


    交渉力とは、強気で交渉できること、つまり、譲歩する必要がない状態(少なくとも、そのように交渉相手に思わせる)


    ①合意したいと思う温度差(惚れたほうが弱い)

    自分と交渉相手、それぞれがどれほどこの交渉を合意させたいと考えているか。合意への思いが強うほうが交渉力が弱く、合意への思いが弱いほうが交渉力が強いことになる。


    交渉力を決める7つの要素

    要素1 お互いがどれだけ合意したいと思っているか

    合意への思うが強いほうが交渉力は弱くなる

    要素2 他の選択肢を持っているか

    他によい選択肢があればそれをほのめかし、よい条件を引き出せる

    要素3 時間に余裕があるか

    タイムリミットがある人、合意を焦っている人は交渉力が弱くなる

    要素4 相手に対する正確な情報を持っているか

    相手は、合意したがっているのか、他の選択肢を持っているか、時間的余裕はあるのか

    要素5 自分の交渉力を過大評価させられるか

    他に選択肢があるように見せたり、時間も余裕があるように見せられるか

    要素6 客観的状況が自分にとって有利か

    世論、専門家の意見、相場価格など、自分にとって有利な事実を利用する

    要素7 人間力が備わっているか

    相手から好かれているか、人間関係の機微を理解できるか、感情をコントロールできるか、など


    ③相手の立場を尊重・理解し、利益を得たらお返しする
    交渉時には、相手がなぜそういう主張をするのかまったく理解できないことがある。

    他人も自分と同じように考えるのが当たり前と考え、自分の主張は常識的で正しいが、自分と同じように考えない相手は理不尽で間違っていると覆うことがある。

    これをフォールス・コンセンサス効果 という。

    まずは自分と交渉相手とは、立場や利害が一致しないことを理解することが必要。相手には相手の見方があり、相手の主張の理由を聞いて、相手の立場になって考えれば実は結構納得できることが良くある。

    相手が妥協すれば、こちらも別の面では妥協するという態度が必要。
    常に相手に妥協を迫り、自分の利益しか考えない人は、まともな交渉相手とはみなされなくなる。


    ⑥権威と評判を活用する

    究極には信頼は個人に対してであって、人は完全に組織を信頼することはできない。


    交渉相手を間違えていないか?

    ある交渉相手とどのように交渉するかということよりも誰と交渉するかということのほうがよほど重要になる場合がある。

    誰と交渉するかに関して、もうひとつ重要なことは、可能な限り複数の相手と同時に交渉するということ。


    パッケージで交渉する

    「売買の五条件」(著者が商社時代に叩き込まれた)

    ①商品(品質)
    ②数量
    ③価格
    ④納期(引き渡し条件)
    ⑤支払条件


    相手と自分の優先順位を理解する

    それぞれが自ら重視している項目については強く主張して相手に妥協を迫り、自らが重視していない項目については反対に譲歩することによって、全体として合意に至りやすくなるため


    金銭以外のインセンティブも重要

    他人のなるあらゆる行為に際して自ら次のように問うてみる習慣を持て。「この人は何をこの行為の目的としているか」
    ローマ帝国の五賢帝の最後、マルクス・アウレーリウスが2世紀に書いた『自省録』(岩波文庫)に出てくる文章
    インセンティブを理解するうえで示唆に富む話が、
    マイケル・J・モーブッサン『まさか?-自信がある人ほど陥る意思決定8つの罠』(ダイヤモンド社)


    知りたいことは真正面から質問すべき

    人類学者のエドワード・T・ホールによると、日本はハイコンテクストの文化とされ、曖昧な言葉、非言語的なコミュニケーションが多用され、状況から真意を察することが求められる文化といわれている。

    自分が何を重視していないかは、正直に答えないほうがいい場合もある。


    外国人との交渉ではここを気を付けておけばよい

    交渉をゲームと割り切って考えている外国人は多いので、こちらの提案に対して、攻撃的になって怒ってみたり、信じられないといった態度をとることがある。

    これは、こちらの主張に納得できなければ当然不満を表明すべきということで(日本人から見れば)大げさに反応したり、演技している場合があるので、ある程度割り引いて考えたほうがいい。

    外国では何も意見を言わない人は何も意見を言わない人は何も考えていないと見なされ、知的レベルが低い人と思われてしまう。


    こういう人とは交渉するな!

    ・信頼関係を築く気がない人
    ・約束を守らない人
    ・自分の利益しか考えない人
    ・根幹の部分で考え方が合わない人
    ・都合が悪い時は連絡が取れなくなる人
    ・常識がない人


    YESと言わせる6つの武器、チャルディーニの法則とは?

    社会心理学者 ロバート・B・チャルディーニは『影響力の武器ーなぜ、人は動かさせるのか』(誠信書房)の中で、相手からイエスを引き出すために使われる戦術は6つの基本的なカテゴリーに分類できるとして、以下を挙げている

    ①返報性
    ②一貫性
    ③社会的照明
    ④好意
    ⑤権威
    ⑥希少性

    これら6つの影響力の武器は「チャルディーニの法則」と呼ばれ、広くマーケティングおよびセールスの世界で応用されている。交渉の場面においても大きな力を発揮する。

    返報性のポイントは、自分がひとつ譲歩すれば、相手からもひとつ譲歩を求めるということで、2回連続で自分側から譲歩してはいけません。

    一貫性
    これを逆手にとる方法としては、自分で決めたことのコミットメントが最も効果的になることから、相手に決断させて、宣言させて、それを守らせるようにする。

    交渉術でよくつかわれる

    「フット・イン・ザ・ドア」や

    「ローポール・テクニック」も、

    一貫性の法則の応用。

    フット・イン・ザ・ドアは、「段階的要請法」ともいわれ、最初に相手が応諾してくれそうな簡単なお願いをして、相手がそれを応諾すれば、次に本当に応諾してほしいお願いをするというもの。

    ローポール・テクニックとは
    有利な条件を提示し、決定がなされてから、有利な条件(の一部)を取り除いたり、あるいは、何か新たな条件を付けくわえたりするという少しずるいやり方。


    どうして人は意志決定を間違えるのか、
    一番重要なのは、自信過剰を取り除くことだ

    「(客観的な)予測をきっちり把握する」ことが必要

    ※ヒューリスティックとは行動経済学の重要な概念のひとつで日本語では「簡便法」とか「経験則による解決」と呼ばれる。

    とりうる選択肢の中でどれを選べば最も得かを判断するには時間や費用がかかる場合に、これまでの経験則に照らして直感も使いながら最もよいと思える選択肢を選ぶこと。


    一般的に価格設定の方法としては、多い順に

    ①コストに一定の利益を載せる方法
    ②競合している商品・サービスの価格を参考にする方法
    ③買い手(顧客)が得られる利得・買い手が支払ってもよいと思う金額から値づけする方法

    買い手としては、あとで価格交渉するぐらいなら最初に低い価格を提示して、その根拠を説明し、その後の検討、調査で新たにネガティブな事実が発見されない限り価格交渉はしなことを宣言するのが、賢明な交渉と言える。


    値下げ交渉をされた場合はどうする?

    売り手が値下げ交渉されないようにするためには、強力な他の選択肢があること。

    例えば、他にも有力な買い手がいることを示唆するのが良い。本当にほしければ、買い手は値下げ交渉してこなくなる。

    また、いったんダメ元でいいので交渉過程で値上げ交渉をしておくというのもひとつの手。
    そうすれば価格に強いこだわりを持っているというシグナルになるので、その後相手方から値下げ交渉されにくくなる。

    値下げ交渉に応じざを得ないときは、最初にあまり大きく譲歩してはいけない。

    ほんの少しだけ譲歩することで、譲歩の予知がほとんどないという印象を与えるべき。

    再度の譲歩を迫られた場合も、最初に譲歩した金額より少ない金額の譲歩をして、これ以上の譲歩ができないというシグナルを送る。

    最後通牒を突き付けられときに、どうしても合意したければ、最後に大きく妥協することはできる。

    最後に大きく譲歩する際は、その価格で必ず合意ができるかを確認しておくべき。

    さもないとさらに交渉できる相手に思われてしまうかもしれない。

    さらなる値下げ交渉を防ぐためには、すぐには合意せずに、一定の時間を置いて、内部であれこれ議論した結果、なんとか受け入れることができたということにしたり、あえて受け入れられなくてもよい別の条件を新たに持ち出して(譲歩する際は、相手の譲歩も同時に引き出す)、これ以上の妥協の余地が一切ないことを印象づけて交渉をまとめるようにする。

    買い手からの値下げ交渉に対して反論するには、相手方に価格の根拠を聞いて、そこから増額要因が探れないかを考える。


    情報の利用可能性について

    周りから聞こえいてきた話、深く印象に残っている話、最近聞いた話などから物事を判断しがちだが、それが本当に正しい情報か、バイアスのかかった情報でないかを常に検証する必要がある。


    選好の逆転

    安定的なビジネスとしてはストック型ビジネスが典型

    ストック型ビジネスとは、

    例えば不動産管理業のように管理物件数に応じて毎月一定のフィーがはいってきて、物件数が増えればそれだけ売上が積みあがっていくようなビジネス

    フロー型ビジネスとは、

    継続的な固定収入はなく、不動産仲介のように、売買仲介したときにワンタイムフィーとして売り上げが経つビジネス

    ストック型ビジネスは農耕型ビジネス
    フロー型ビジネスは狩猟型ビジネス

    一般的に、ストック型ビジネスは競争が激しく、利益率が低い場合が多く、一方、フロー型ビジネスは、参入者が少なく、利益率が高い場合が多いので、本来はどちらのほうが投資効率がよいとは一概にはいえない。

    ただ、一般的に投資家からはストック型の安定したビジネスが好まれるのは事実


    購入や投資の検討に費やした時間はサンクコストといわれる、別名 埋没コスト

    すでに支出されたコストで、ここで購入や投資の検討をやめたとしても戻ってこない費用。

    ・コストを回収したいと思い、また損失が固定するのを嫌う。後悔回避のために、損失が確定しないよう努力する
    ・人は確率が低い利得に関してはリスク追及的になる。つまり、わずかな望みに希望を託してしまう。

    ・自己正当化により、過去の意思決定の誤りを認めたくない。

    何かの商品・サービスの購入を検討しているとき、買い手側としては、もし想定していたメリットが見込めないとわかったときや商品・サービスに重大な欠点が発見されたときは、過去に費やしたコストは意識的に忘れて、いまからのコストとリターンのみ考えて、いつでもやめる勇気を持つことが重要。

    サンクコストとは逆に、見逃されやすいのが機械費用(オポチュニティーコスト).

    機会費用とは、たとえば、社会人になってから、MBA留学をする場合、その留学期間中に本来働いていれば得られた報酬のよう逸失利益のこと。

    機会費用は実際にお金を支払うわけではないので軽視されたり、認識されなかったりすることが多いが、損失と同じものとして考えるべき。

    したがって、不必要にだらだら時間をかけて交渉したり、意思決定に時間がかかることは、もっと早く決定していたなら得られたはずの利益を逸しているので、機会費用=損失とうことがいえる。


    一般的な交渉術の本では、相手方が持っている他の選択肢を見極め、相手が持っている次善策よりも少しだけ良い条件でオファーすべきとアドバイスしている。

    しかし、実際の交渉相手は感情で動いている部分が大きいので、単純に少しよい条件を提示すれば合意してもらえるというものではない。

    面談の初頭効果

    価格交渉におけるアンカリング効果のように、最初に与えられる情報に強く影響されることを初頭効果という。

    初頭効果は提示される条件のみ効果を発揮するのではない。人に対する印象についてもおおきな影響力を持つ。

    本当に自分が正しくて相手が間違っているのか?

    交渉は論理だけで決まるものではなく、最後はお互いが感情的に納得できるかどうかで決まる。

    相手のいうことが素直に受け入れられないバイアス3つ

    ■フォールス・コンセンサス効果

    自分の考え方は正しく常識的で、相手も自分と同じように考えるべきで、そのように考えない相手はおかしいと思うこと。

    ■反射的低評価

    立場を異にする人の意見や提案だからとういう理由だけで反対したくなる心理のこと

    ■帰属のエラー

    自分や他人の行動を判断するとき、他人に対しては人柄や性格をもとにして判断し、自分に対しては置かれた状況や外的環境で判断しがちであることをいう。
    周りの人がそのように行動するのは、その人の性格に従っているのだと考えるにもかかわらず、自分のことになると、自分の性格や意識は棚上げし、行動の原因を外部環境に求めてしまう。

    論理では人は計り知れないと諦めることも時には必要


    相手に批判されたときの考え方

    交渉中に相手から攻撃されたときは、相手に話をさせ、相手の話に耳を傾けるのが得策であるとして、『「交渉」からビジネスは始まる』ダイヤモンド社
    では、次の3つの理由を上げている。

    ①新しい情報を得ることにより、活動の機会と切り札の数が増やせる
    ②防御せずに相手の言い分に耳を傾けることで怒りが静まる。
    ③聞いているだけなら譲歩したことにはならない。

    これらは交渉中に批判やクレームを受けたケースにも当てはまる。


    批判されたときに自分の感情を抑えるために、

    ・自分とは違う見解を教えてくれたこと、新しいタイプの人間と知り会えたことに感謝し、コミュニケーションの修行の場と捉える
    ・相手は私ではなくて、自分自身(相手自身)に対してじつは批判しているのだと考える。批判している内容は、じつは自身がよくしてしまうミスであることが多い。
    ・相手が根っからの悪人であればどうしようもない、今後は関係をもたないようにしよう。相手を取り巻く環境がそうさせているのであれば、自分も同じ境遇ならそうなったかもしれないので、同情すべき。いずれにしても、怒っても仕方がない。

    ・批判されたとしても、それは批判した人の個人的な意見にすぎない。他の人はどう思うかわからない。批判されたことを受け入れるかどうかは自分で判断すべき

    悲しい気分の時は損をする?

    悲しい時は相手の要求をのみがちになるのに対して、怒っているときは相手の要求を拒否しがちになる

    人は強いストレスがかかっているときは、短期的な利得に目が向いてしまい、長期的な利益を考えられなくなるといわれている。

    将棋の羽生氏著書『結果を出し続けるために』


    性悪説か性善説か?

    性悪説の人というのは、過去に人に裏切られて性悪説になった人が多いようだ。人に裏切られるということは、その人にも非があったかもしれないのに、自分は正しく、相手が一方的に悪いと考えている場合が多いので、独善的な人と見られがちになる。

    フォールス・コンセンサス効果のように、人は自分と相手は同じように考えるはずと思っているので、人を信用できないということは、自分も人を裏切る可能性があるといっていることと同じになる。

  • 交渉に関する有効、有益なことが書いてあり、何度も繰り返し読んで修得したいと思う内容であった。
    大切なのは、自他共栄の交渉であり、自分と相手にメリットがあり、さらに社会の発展に寄与し、社会に対して価値をもたらす交渉。

  • 交渉の極意は理解できたが、実践するのは難しい。

  • M&Aを手がける会社の社長による交渉スキルに関する本。

    実際に交渉の現場にいる方には参考になるかも知れません。

    基本的な考え方は、チャルディーニ『影響力の武器 - なぜ、人は動かされるのか』等をベースとされているので、実践よりも基本を理解されたい方は、こちらを読むほうがよいかも知れません。

    交渉力の7つの源泉として、括弧内は恋愛中の男女に例えた例が分かりやすく面白かった。

    ①合意をしたいと思う温度差(惚れたほうが弱い)
    ②他の選択肢(結婚前はひとりに絞るな)
    ③時間(結婚を焦ってはダメ)
    ④情報(本当に彼女(彼氏)のことを理解している?)
    ⑤演技力(ウソはダメだが、思わせぶりはOK)
    ⑥客観的状況(親や友達は何と言っている?)
    ⑦人間力(最後は男(女)の魅力)

  • 仕事をする上で交渉は避けては通れない。
    交渉と言っても簡単な打ち合わせを含め大小様々あるが、交渉は対人である以上マニュアルも正解もない高度なスキルが求められる。
    本書はそのスキルを分かりやすく説明しているが、基本的に真新しい事はなく想像すれば容易に理解できるテクニックだと思う。
    ただ交渉の駆け引きをする上で本書のテクニックは頭にはあるが、実戦となるとかなり難しい。
    成長する上で交渉スキルは必須なので再読して実践に繋げていけるようにしたい。

  • <メモ>
    ・合意への思いが強いほど、交渉力が弱く、思いが弱いほど交渉力は強くなる。
    ・代替案があれば交渉力が強くなる
    ・時間的な余裕があると強くなる
    ・人間力。この人と仕事をしたいと思わせること
    ・信頼が醸成できる交渉はよい交渉
    ・交渉内容が間違いなく履行されることも重要
    ・相手の環境を理解すること。
    ・共通の利害を確認すること
    ・外見がよいとハロー効果により信頼性があがる。接触回数を増やす。好意を示す
    ・重要な利害関係を忘れていないか。
    ・ゼロサムではなく、合意により双方に優位になる落とし所を探る。
    ・自分が重視していることは伝えて問題ない。
     ただし、重視していないことは伝えない方がより。
    ・選択肢としてとっておくこと。
    ・詳細条件は書面やメール。相手の表情をみたいとき、大事な合意は対面か電話
    ・避けるべき交渉相手、信頼に足らない人。合意するつもりがない。都合が悪くなるといなくなる。自分の利益しか考えない。
    ・チャルディーニの法則①返報性 親切にされたら返さなければと思う事。自分にとっては小さく相手にとって大きいことを選ぶ。遠方に行くこと。ドアインザフェイス。②一貫性 選択肢を提示し、選んでもらいコミットメントさせる。
    ③社会的証明 一流企業実績など。 ④好意 類似点を共有することからはじめるなど。 バッドコップグッドコップ
    ⑤権威 ⑥希少性 

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著者プロフィール

藤井 一郎(フジイ イチロウ)
インテグループ株式会社 代表取締役社長
インテグループ株式会社 代表取締役社長。1974年生まれ。97年に早稲田大学政治経済学部を卒業(小野梓記念賞を受賞)後、三菱商事株式会社に入社。台湾・中国市場の自動車関連プロジェクトに従事。その後、米国サンダーバード国際経営大学院にてMBAを取得。 米国シリコンバレーのコンサルティング会社Business Cafe, Inc.にて現地ソフトウェア企業の日本進出をハンズオンで支援。帰国後、フリービット株式会社での海外事業開拓マネージャーを経て、株式会社サンベルトパートナーズの取締役に就任。 2007年にM&A仲介・アドバイザリーのインテグループ株式会社を設立し、代表取締役社長(現任)に就任。中堅中小オーナー企業、上場企業、バイアウトファンドなどを顧客にこれまで100件以上のM&A成約に関与。2016年を最後に自ら案件を担当することをやめ、その後は、M&Aコンサルタントの採用・育成、コンサルタントに対する助言および経営業務に専念している。

「2021年 『M&A仲介会社の社長が明かす 中小企業M&Aの真実 決定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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