入門『地頭力を鍛える』 32のキーワードで学ぶ思考法

著者 :
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492557884

作品紹介・あらすじ

シリーズ累計25万部のロングセラー『地頭力を鍛える』著者が説く

戦略的思考、ロジカルシンキング、地頭力、無知の知、メタ認知・・・・・・

32のキーワードの基本と使い方、
【WHAT:何?】【WHY:なぜ?】【HOW:どう使う?】
がすっきりわかる。

【主要目次】
Chapter1 基本の思考法を押さえる
戦略的思考:いかに並ばずに人気のラーメンを食べるか?
ロジカルシンキング:誰が見ても話がつながっているか?
仮説思考:プロジェクトは「最終報告」から考える
フレームワーク:良くも悪くも「型にはめる」
具体と抽象:思考とは「具体→抽象→具体」の往復運動
「なぜ?」:なぜ「Why?」だけが特別なのか?
アナロジー思考:アイデアは遠くから借りてくる

Chapter2 二項対立で考える
二項対立:二者択一はデジタル的、二項対立はアナログ的
因果と相関:雨が降れば傘が売れるが、傘が売れても雨が降るわけではない
演繹と帰納:「そう決まっているから?」「多くがそうだから?」
発散と収束:「落としどころありき」の思考停止はいけない
論理と直観:「論理」で守り、「直観」で攻める
論理と感情:できるビジネスパーソンは「使い分け」がうまい
川上と川下:「自ら考える力」は使いどころを見極める

Chapter3 コンサルタントのツール箱
ファクトベース:「みんな言ってる」って、誰がいつ言ったのか?
MECE:マッキンゼー流の十八番
ロジックツリー:「形から入る」ことで論理が身に付く
2×2マトリックス:コンサルタントが好きな4象限マッピング
フェルミ推定:なぜコンサル、外資系金融の面接試験の定番なのか?

Chapter4 AI(人工知能)vs.地頭力
地頭力:結論から、全体から、単純に考える
問題発見と問題解決:なぜ優等生は問題発見ができないのか?
AI(人工知能):何ができて、何ができないのか?
ビジネスモデル:「何を売っているか」ではなく「収益の上げ方」のパターン
多様性:思考回路の転換と「ニワトリと卵」の関係
未来予測:アマゾンは書店の代替ではない、と気づいたか?

Chapter5 「無知の知」からすべては始まる
無知の知:自分を賢いと思ったらゲームオーバー
知的好奇心:地頭力のベース、考えることの原動力となる
能動性:「育てる」ではなく「育つ」
常識の打破:「常識に従う」ことで思考停止に陥ってはいけない
「疑う」こと:「信じてはいけない」(この本に書いてあることも)
認知バイアス:人間の目は曇っている
メタ認知:気づくためには上から自分を見る

感想・レビュー・書評

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  • ・戦略的思考で、「行列のできるラーメン屋のラーメンをどうしても食べたいとしたら、どうする?」
     ー愚直に並ぶが、スマホゲームしたり音楽を聞く
      → 最も戦略的志向から遠い。
     ー早朝を狙う、人が並ばないタイミングを狙う、他の過疎地域の支店に並ぶ
      → 比較的まっとうだが、「いかに並ばないか」を考えるべき
     ー店の関係者と個人的な知り合いになって、休憩時間のまかない飯としてもらう
     ー取材という形で特別枠に入れてもらう
      → このあたり。
     ー店ごと買収する。料理人を引き抜く。
      → かなり戦略的で経営者視点。

    ・仮説思考力とは、「結論から考える」こと。
    ・あるプロジェクトのリーダーに指名されて考えるべきは、明日からのアクションではなく、「最終報告」を考える。「最終的に誰にどんなメッセージが伝わればよいか」
    ・20点型の仮説思考をする。
     【20点型】
      ・まずラフに全体像を
      ・何度も直して良い
      ・資料はラフに
      ・「問い」のための答え
      ・「何がわからないのか?」
     【80点型】
      ・一つずつ着実に進む
      ・「ファイナルアンサー」
      ・資料はきれいに
      ・「答え」のための答え
      ・「何がわかっているのか?」

    ・人が頭を使って考えるという行為は、ほとんど何らかの形で「具体化と抽象化」の往復をしていること。

    ・それは何故か、を突き詰める。(Why型思考)4Wは点だが、Whyだけが線。
    ・例えば、「日本人は時間を守ることへの意識が高いと言われていますが、それはなぜかを考えてみましょう」を、Whyを用いて深堀りする。どこまで掘れるか。

    ・「川上の直感、川下の論理」企画/検討段階では直感を信じるべき、構築等の下流工程では論理建てて実施すべき。

    ・論理と感情。必ずしも論理が良いとは言えない。感情の世界はビジネスでは扱いにくそうに感じるかもしれないが、行動は想像以上に感情に支配されている。「あの人の言うことならやってやるか」というのは仕事をすすめる上で強烈なモチベーションになるのは誰でも多かれ少なかれ経験があるだろう。

    ・20世紀後半は「日本の繁栄の時代」だった。成長の背景には日本人の得意分野が見事に川下側にハマっていた。「ある程度、原型が出来上がっているものの品質や完成度を上げて大量生産する」という日本が得意としていたビジネスモデルと時代が合致していた。
    ・21世紀になり、構図がものの見事に崩れ、時代のニーズは「川上側」にシフトした結果、強みであったものが弱みとなった。「ルールを遵守し、他人に同調して一斉に同じことをする」という特性。
    ・川上側で「自ら考える」人は少数派で、周りから理解されにくい。
    ・ほぼ例外なく変革やイノベーションが課題となっている日本企業は、こうした少数派を疎外せず、「尖った個人の発想」を活かす環境を作る必要がある。

    ・ロジカルシンキングの話になると必ず出てくる「MECE」(漏れなく、ダブりなく)を意識する。

    ・地頭力の中心は「結論から」「全体から」「単純に」考える3つの思考力。
    「結論から」考えるのが仮説思考力
    「全体から」考えるのがフレームワーク思考力
    「単純に」考えるのが抽象化思考力

    ・思考回路を起動するのに必須な基本的姿勢は「いかに自分が知らないか」を自覚すること。「無知の知」があるからこそ何事も鵜呑みにせずに疑ってかかり、常識にとらわれない発想をする。
    ・常識や既成概念にとらわれている人の最大の課題は「とらわれている自覚がない」こと。何かの違和感を覚えたときに自分の気づいていない何かがあるのではないか、と「疑う」ことによって思考回路が起動する。

    ・「自分の頭で考える」とは、「すぐには信じない」という姿勢を貫くこと。例えば権威ある専門家の言うことや先輩/上司の言うことを信じない。自分の意見を持つためには、何かの主張に加えてその根拠が必要になる。根拠こそ自分で考える必要がある。○○さんが言っていたから、や、業界の常識だから、は根拠にはならない。
    考えるとは、何かの結論や主張に「自分なりの見解」を付け加えること。

    ・顧客の要望を疑ってかかる。T型フォードを普及させて自動車産業の礎を築いたヘンリー・フォードの名言「もし顧客に何がほしいのかを尋ねたら、『もっと速い馬がほしい』と答えただろう」

  • 序盤は「この程度の情報しか載っていないのか……?」とも思ったが、読み進める中で参考になることがいくつもあった。またこれまでよく分かっていなかった「MECE」の概念を理解できたことは大きい。
    こういったフレームワークは頭の悪い自分にとって、思考する土台となるので今後も積極的に学びたいと改めて思わせてくれた1冊。頭が良くないことも知識によって補えるという発見は、非常に嬉しいものだった。

  • 「考えるために必要な知識をつけるための本」とのこと。
    ビジネス上での思考法で「聞いたことはあるけど」「今さら聞けない」「知ってるつもり」な言葉についての説明がありがたい。ビジネスキャリアの浅いうちに読んでおきたかった。

  • 読む前は、この本を読むことで地頭が良くなるかもという気持ちで読んでいたが、読んだ後は、この本はベースでありここから自分で考える習慣をつけなければと、受動から能動へ意識が向くようになった。考えるとはどういうことかを言語化してわかりやすく解説してくれているので、理解し日常で実践できれば、かなり力がつく本だと感じた。

  • ロジカルシンキング基本フレームの学び直し○

  • 【電子ブックへのリンク先】
    https://kinoden.kinokuniya.co.jp/muroran-it/bookdetail/p/KP00024334/
    学外からのアクセス方法は
    https://www.lib.muroran-it.ac.jp/searches/searches_eb.html#kinoden
    を参照してください。

  • 地頭力の鍛え方をキーワード形式で書いてある本
    各キーワードに沿って、説明してるが全体像がわかりにくいので、原著を読んでから復習がてら読む使い方がよいと思った。

  • ロジカルシンキングとはなにかということが一冊で非常にわかりやすく整理されている。

    知識型教育から思考型教育へ

    Whyは特別である。
    事実の関係性があるので線で繋がれる
    聞かないと愚か、繰り返せる
    思考の疑問詞である。


    抽象的=アナロジー
    目に見えないものj、関係・構造レベルで考える

    二者択一ではなく、二項対立(アナログ的連続変化で線を引かない)で考える。

    川上→川下
    不確実性が減る(混沌から秩序へ)
    境界が明確になっていく(非分業から分業へ)
    蓄積していく
    質から量へ

    2x2マトリックスはアナログ型orデジタル型

  • あとで

  • 初心に帰ることの出来る内容だった。
    「論理的思考を身につけろ」とか「能動的に動け」とかよく言われるけれど喉元過ぎればなんとやらで割とすぐに忘れてしまうことが多い。
    そんなよく言われるが、実際何をすればいいんだ!と行き詰ってしまう人の助けになるのが本書で、今の社会で必要とされるベースの考え方がまとまっていたと思う。

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著者プロフィール

細谷功(ほそや・いさお):1964年生まれ。ビジネスコンサルタント、著述家。問題発見・解決や思考力に関する講演や研修を国内外で実施。『仕事に生かす地頭力』(ちくま文庫)、『地頭力を鍛える』『アナロジー思考』(共に東洋経済新報社)、『具体と抽象』(dZERO)、『思考力の地図』(KADOKAWA)等著書多数。

「2023年 『やわらかい頭の作り方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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