儲かる銀行をつくる―収益革命は必ず起こせる

著者 :
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492681206

作品紹介・あらすじ

本書では、一九九〇年代初頭からはじまった米銀改革の反省、邦銀改革の固有課題、現在起きつつある将来の予兆についてという実に広範な内容をカバーしている。

感想・レビュー・書評

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  • 2003年当時、日本の金融機関が一番苦しい時代に書かれたもの。
    外銀の施策を辿り、邦銀の改革の方向性を議論している。
    10年以上前に著者が提言している改革の方向性を、日本の銀行は認識し、咀嚼し、実行に移し、そして成果を上げているのか、と言われれば、NOではないか。支店運営も大きく変わっていない。同質競争に陥り、マイナス金利の中、ようやくお尻に火がついて、人員削減、店舗の在り方議論が盛り上がってきているお粗末な状況。

  • 2冊

  • 筆者は、

    1990年代前半:新経営モデル創造の時代
    1990年代半ば~2002年ぐらいまで:マネジメントとオペレーション改革の時代
    2002年以降:トップライングロース戦略(新たな収益源獲得)の時代

    と位置づける。

    そして、新たな収益源獲得には、マーケティングイノベーションが必要だという。


    ■マーケティングイノベーションで勝つための、7つの成功の鍵

    ◆カスタマー・イノベーション
    ①創造的セグメンテーション
    :今までにないセグメンテーション
    -職種・業種軸でわけてみる(弁護士、医師、軍人など)
    -行動形態でわけてみる(価格を気にする人・しない人、詳しい人・素人)

    ◆プロダクト・イノベーション
    ②革新的パッケージング
    :顧客も気付いていない潜在的ニーズに応え、感動を届ける
    -フレクシブルビジネスローン(ホンコン・シャンハイ銀行)
    ・金利、利払い、元本払いのパターンを選択肢から選べる
    ・とっさの資金繰り難が生じたとき、返済を2ヶ月猶予)

    ③ニッチ
    :小さなセグメントでスキマ需要に応える
    -教会融資チーム(バンク・オブ・ザ・ウェスト)

    ④I&D(Innovation&Development)
    :商品開発。新商品を投入し続け、消費者の潜在ニーズを刺激

    ◆チャネル・イノベーション
    ⑤POS
    :ポイント・オブ・セールス(銀行で顧客を待つのではなく、顧客が金融ニーズを感じる場所に入っていき、そのニーズに応える)
    -ネット上であらゆるサービスを提供→店舗不要(HVBグループのイモシーク)

    ⑥フランチャイズ
    :現場への大幅な権限委譲。エリアの顧客に合わせたサービス。
    -スタッフ採用、マーケティング、キャンペーン、営業時間、店舗配置が自由
    -コーヒー飲める、新聞読める、オムツ換えスペースを用意、等

    ⑦ヒューマンタッチ
    :ネット、ATMにチャネルが移る時代だからこそ、逆に人間が営業
    -中低所得者層への、小口個人ローンの直接販売


    (感想)
    銀行の新たな収益源について、いろんなヒントをもらえた。

    「銀行が新たな収益源を確保するためには海外進出しかない」と思っていたが、ここで紹介されているような手法を通じて、内需を掘り起こすことも可能だとわかった。

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著者プロフィール

1958年、東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。シカゴ大学経営大学院にて修士号(MBA with honors、全米成績優秀者協会会員)取得。
1990年、ボストン・コンサルティング・グループ東京事務所入所。A.T.カーニー東京事務所マネージング・ディレクター・極東アジア共同代表、
ベイン・アンド・カンパニー東京事務所代表パートナーなどを歴任。現在、山本真司事務所代表取締役、立命館大学経営大学院客員教授(戦略コンサルティング論)、
静岡県サッカー協会評議員、慶應義塾大学大学院非常勤講師。
著書に、『40歳からの仕事術』(新潮社)、『30歳からの成長戦略』(PHP研究所)、『20代 仕事筋の鍛え方』(ダイヤモンド社)、『会社を変える戦略』(講談社)、
『35歳からの「脱・頑張り」の仕事術』などがある。

「2013年 『ビジネスで大事なことはマンチェスター・ユナイテッドが教えてくれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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