ホントは教えたくない資産運用のカラクリ (3) 「錬金術入門」篇

著者 :
  • 東洋経済新報社
3.64
  • (12)
  • (13)
  • (25)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 134
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492732007

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • これは良書です。
    本のタイトルからして錬金術入門と書かれ
    文面も個性的で一見、胡散臭そうですが読みやすく内容は素晴らしい1冊です。

    錬金術≒資産運用≒裁定取引

    はじめは???と思うような人も読み終える頃には理解できるでしょう。
    まさかこのような本からポーターの「競争の戦略」をおさらい出来るとは思いもしませんでしたし
    大雑把な表現で説明されているけれどファイブフォース分析まで学べます。
    自分は投資中級者以上かな?と自負する人にはオススメの1冊です。
    世界の市場が連動(同じ方向に連鎖する)するアービトラージのメカニズムもこれを読むことでしっかりと理解できるでしょう。

  • 超現実主義で冷徹な,しかし下品でない明晰な知性の持ち主による投資のレッスン.これを読んだからといって突然儲けることはできないけれど,本質的な考え方をこれでもかとてんこもり.「裁定」を通して世の中をみてごらん.もう普通の人生とはおさらば.元には戻ってこれないよ...このシリーズは大好きだ.というわけで私はアマゾンの中古を購入しました.すいません送料合わせても,安かったので...

  • すべては広義の意味でいう『裁定取引』

  • 裁定取引という考え方や信用創造について教えてくれる本。
    自分自身がプロでないのではっきりはわからないが、脱初心者を目指すあたりの人にはよいかもしれない。
    また、全体的に分かりやすい内容だし、文体もくだけた感じで、ある意味とっつきやすい。

    裁定取引一例メモ:
     原油価格が高騰した場合、他の低価格な代替エネルギーの需要が高まり代替エネルギーも高騰する。裁定取引により、原油売り・代替エネルギー買い の売買が発生する。価格がつられて上昇するのはこういう理由。

    信用創造メモ:
     銀行に1万円預ける。
     銀行は引き出されることを想定して、日銀に確保する義務(法定準備預金)がある。法定準備率が10%の場合、銀行は9000円貸し出せる。貸した額分だけまわりまわって結果、9000円が銀行に預けられる。
     そうすると同様に、その9000円に対して8100円貸し出せる。
     これを繰り返すと、法定準備率が10%の場合、10000/0.1→100000の循環(貸出)を生み出すことになる。これが信用創造。
     これの逆に、貸し出し先が一つ(1兆円)貸し倒れした場合、銀行は損失を被る。貸し出しによる利益の範囲内であればよいが、資産減少となる場合は、BIS(国際決済銀行)や金融庁のルールが存在するために問題となる。
     例えば、以下のメガバンクがあるとする。
      総資産50兆、自己資本4兆円(=自己資本比率8%)
     BISのルールにより自己資本比率8%を割れると海外展開できない。
     海外業務を続けるためには、下記が必要。
      ①株などの発行で資本を充填するか
      ②すでに貸している所から資金を回収
     貸し倒れするような状況では民間も資金が不足しているので①は難しい。②を選択することになるが、3兆円の自己資本で8%の自己資本比率を達成しようとした場合、総資産を37.5兆円にまで圧縮する必要がある。つまり50兆-37.5兆→12.5兆の回収圧力がかかる。1兆の自己資本減で12.5兆の信用が消滅することになる。
    これは、信用創造が逆回転を始め、「信用収縮」が進む現象。このような状態をクレジットクランチ(信用危機)と呼ぶ。

  • シリーズ3冊目。

  • 未読

  • 付加価値の源泉を「錬金術」という表現を使っている、とても怪しい本です。しかし内容は一流、しかもオモシロイ、一読の価値ありです。株式投資のビジネス分析に必要な知識ですね!

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

安間 伸(アンマ シン)
ワイルドインベスターズ代表取締役
一橋大学法学部を卒業後、三菱信託銀行にて債券デリバティブ・トレーダー、その子会社の投資顧問会社でファンドマネージャーとして資産運用の道へ進む。その後シティトラスト信託銀行に移籍し、個人富裕層向けグローバルバランス商品の運用を担当。特にグローバル投資、裁定取引、投資モデル開発、投資税制などに精通する。いつも投資収益を最大化することばかり考えている筋金入りのコントラリアン(逆張り投資家)である。学生時からの麻雀の勝ち金をタネ銭として、主に外国株への投資で個人資産を増やす。毎年の投資収益が給料を上回り続けた時期もあったが、何度か試練を経たのち現在の投資手法を確立した。2006年6月ワイルドインベスターズ株式会社を設立。投資助言を本業としながら「日本を投資大国にする!」ための情報提供を続けている。一橋大学大学院国際企業戦略研究科(ICS)金融コース卒業。 CFA(AIMR認定証券アナリスト)。著書に『ホントは教えたくない資産運用のカラクリ』シリーズ(東洋経済新報社刊)などがある。


「2015年 『ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇 2016』 で使われていた紹介文から引用しています。」

安間伸の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×