サラリーマンは自宅を買うな ―ゼロ年世代の「自宅を買わない生き方
- 東洋経済新報社 (2010年10月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492732762
感想・レビュー・書評
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この1、2年の間に自宅購入を検討しているので本棚から引っ張り出して読んでみた。この本を買ったのは確か社会人2年目とかだったので当時は何を思って買ったんだろう。”買いたい”と一度思い始めると、どんどん気持ちがそちらに振れていって、バイアスがかかることで自分にとって都合の良い情報しか入らなくなる。そういった危険を回避するために、いわば考え方を中立にするためにわざと反対意見の本を読んだ。「古代ギリシャの奴隷」とはなかなか面白い表現だが、住宅ローンに縛られて未来の人生の可能性を潰してしまうことがあったとすると、あながち笑える話でもなくなってくる。本書で「共同鉄骨長屋」と称されるマンションだけは自分も絶対に買おうとは思わないが、戸建はこれからも悩むだろうし、どちらに決断してもいくらかの後悔はつきまとうと思う。サラリーマンの借りる力で自己所有のための家を買うのではなく、投資として不動産を買うというのはそういう発想があるのかと参考にはなった。
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自分の考えを後押ししてくれるような本だった。
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自分の住宅ローンへの考え方と同じであった。
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読了日:2015/03/10
自宅を買うことのリスクがわかりやすく挙げられている。これから購入しようとしている自分でも、納得できる内容だった。
しかし、自宅を買わずに不動産投資をしようという理屈には納得できなかった。
これまでの記述と矛盾することもあり、理解できなかった。 -
自宅を買うためにローンを組むよりも
不動産投資のためにローンを組むべきだ
家を買っても結局税金などの支出はある
それよりもレバレッジさせて安定な不動産投資をして収入を得た方が良い
家賃と同額だったらローンを組んで家を買った方が得だ、という考え方はある意味間違っている。投資的に得になる可能性は極めて低い。なぜなら、投資とは元値以上になることを期待してやるものだが、家は普通は元値以上に高くはならない。 -
単にローンを抱えるのがダメだというわけではなく、一般的な価値観に流されて何となく家を買うのはやめなさい、ということ。
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不動産投資で、サラリーマンでもローンが組める可能性があることは知りませんでした。投資用マンションを持っている人は別次元の人かと思っていたため、参考になりました。
しかし、この本の内容だと、分譲は損をするのに対し、賃貸物件は住む人も得だし、投資物件として購入し大家になった人も得・・という解釈になりそうです。借りる側も貸す側も得する?という話がちょっと出来すぎている気がします。あくまで家を買うことに反対する立場から書かれているため仕方ないのですが・・。 -
自宅を買うのは損だ。
ということを淡々と書かれた本。
【資産価値はない】
資産として自宅を持つとしたら、不動産投機用として、他人に賃貸したほうが、減価償却資産として計上できるので節税対策になり、投資対効果が大きい。
そして、サラリーマン如きの資産・知識で不動産投機で金が稼げるような、甘い世界では無い。
土地の地価上昇は、少子化が確定している日本に於いて期待できず、下落する一方であろう。
【維持コストがかかる】
家は資産と言うよりは、25年の寿命をもつ耐久消費財である。常にメンテナンスを行わなければすぐに壊れてしまう。コンクリートですらメンテなしでは50年が寿命とされている。
そして、築年数が経てば立つほど、メンテナンスコストは増大する。
愚かにもマンションを買ってしまった場合、保守管理費ははじめのうちは月1.5万ほどだったとしても、新築2年目には2万に上がり、20年目には月6万円ほどに上がる。30年目にいたってはいくらになるか。
これは、マンションを保守するには、入居者が負担する必要がある。しかし、入居者の死亡・入居者が差し押さえられた・夜逃げした等により時間の経過とともに入居率は下がる。そのため、管理費は必然的に上昇し続ける定めにある。これのどこが資産なのか。
【あなたの所有物ではない】
税金を滞納したらあなたの家は差し押さえられる。子供に相続する際に、相続税が払わなければ物質として家が差し押さえられる。ローンが返せなくても差し押さえられる。これのどこが「家を持つ」なのだろう。
【家族構成の変化に対応できない】
一度家を買ってしまうと、家族が増えた時、子供が巣立った時に、狭くなったり、逆に広すぎたりとする。この時に、柔軟な対応が持ち家ではできない。老後広すぎる部屋は、掃除とメンテナンスに多くの負担がかかってしまうのだ。
【仕事上のチャンスを失う】
家を持つことで、転勤や転職ができなくなる。非常に保守的になってしまう。転勤で通勤時間が膨大になり効率が悪くなる。
このことから、家を持つことで大きな収入の増加のチャンスを失う。または、収入が大きく落ちこんでも、会社から離れられずに心中をすることになる。結果的に大きなロスになる。
というような様子。特に、家を持つときに、管理費を無視して、ローンで月額支払う金額だけしか計算せずに意思決定をする者が非常に多いという。これは車を持つときも同様。軽自動車の中古なら月1万円で済むと力説するようなものだ。
中古のほとんど無料に近い車を買った際には、メンテナンス費として、タイヤを取り替えを始めとする費用が発生する。だからこそ捨て値に近い価格で中古の車が流れているわけであり、結局それらのコストは、中古車を利用した期間に分配して月あたりのコストを計算しなければならない。
別に、隠れたコストを無視して正当化して家や車を買う人間を止めるつもりは毛頭ない。不動産屋の煽り文句に踊らされてとても大きな消費を行うのだ。不動産屋にしてみれば至上。いいことだ。
将来を見通す際の不確定性をきちんと洗い出して評価できるような考えを持つほうが、より質の高い人生を歩めるだろう。 -
心のなかでは、35年のローンの恐ろしさをうすうす感じていたけれど、
やはり、まだまだ家は買うものというのが根付いている日本。
著者の本を読んで、賃貸でもいいかなとまた考えるように。
それに加えて、マイホームの頭金があるのなら、投資してみようかなとも思った。
なんだか、楽しくなってきた。 -
自宅を購入することに対するもやもやとした不安感が、この本ではっきりとしてきました。
よく考えます。