かじかびょうぶ (川崎大治民話絵本)

著者 :
  • 童心社
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感想 : 8
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  • / ISBN・EAN: 9784494002603

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  • 伊豆に伝わる民話を川崎大治さんが書き、太田大八さんが絵を描いた作品。
    このふたりのお名前を聞いただけで、名作の予感が漂う。

    「カジカ屏風」と表記すると分かりやすいかな。
    表紙を見せながらタイトルを読み上げると、低学年の子たちは??という表情になる。
    「かじかって何?」と聞くので「カエルのことだよ」と言うが、次は「びょうぶって何?」と、必ずなる。「部屋の仕切りに使う道具で、木の枠でふすまのようなものが貼ってあるの」・・・シーン・・・ややあって、「ふすまって何?」と聞かれる。
    珍しいことでも何でもない。今どきの住まいには襖も屏風も必要ないのだから。

    というわけで、これは高学年向けの一冊。約11分。
    昔語りの口調ですすむ味わい深い民話で、見せどころ聞かせどころがいくつもある。
    縦書きの右開き(右綴じ)なので右が利き腕の方は左手で持つことになり、少々きついかも。

    怠け者の主人公・菊三郎は先祖代々の身代を食いつぶし、とうとう「かじかざわ」のある奥山まで売る羽目になる。ところが優しい心は持っていたので、棲み処を売らないでくれと頼みに来たかじかを哀れに思い、何とか売らずに済ませた。
    しかし、菊三郎の元に残った物は、絵も何もない枕屏風一枚だけとなった。。。

    かえるたちが菊三郎に恩返しをするというだけで終わらないのが、このお話の面白いところ。
    人が変わったようになった菊三郎は、何と齢八十まで生きることになる。
    その臨終の時に起こったことが、このお話のクライマックス。
    最期のセリフが聞かせどころなので、どうかここまで左腕で頑張ってみて。
    心底納得のいく良いお話で、絵も遠目が利き、話の運びも無駄がなくて巧い。
    このところ外国のお話が多かったので、久々に日本の民話の美しさを堪能した。
    これはおすすめ。読み聞かせだけでなく、おうちでもぜひ。

  • なんとも言えない、古き良さがある。

  • かじか、カエルのことなんだ、動物は愛情を持つと
    必ず恩返しするよね、かわいい(^。^)

  • 2年3組 2012/7/3

  • 読んでおきたい民話。

  • 一文なしになった男が川で見つけた屏風絵
    なんとそこからカエルがでてきて…

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著者プロフィール

川崎大治:1902年北海道生まれ。戦前はプロレタリア児童文学の作家として活躍。戦後は日本児童文学者協会の創立に参加し、数多くの童話、民話、紙芝居の作品を発表した。絵本に『かじかびょうぶ』(童心社)、紙芝居に『池にうかんだびわ』[第一回高橋五山賞]『なんにもせんにん』『いもころがし』『いなむらの火』(以上童心社)などがある。1980年没。

「2021年 『紙芝居 ぶんぶくちゃがま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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