辛さの文化甘さの文化

著者 :
  • 同文舘出版
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本棚登録 : 7
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784495851910

作品紹介・あらすじ

時間、お茶、コメ、情報をテーマに、新しい比較生活社会史を開拓。

感想・レビュー・書評

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  • 路地裏の大英帝国の著者だったのね。20世紀の感じが強力にする。

  •  歴史を身近にある物から紐解くと分かりやすい。今回の本は、時間、お茶、コメといった日常生活に浸透している事柄を取り上げている。

     著者も述べているように大航海時代を境にして砂糖が徐々に浸透していきヨーロッパが「甘さの文化」に変わっていく。「発見」された側の人々にとっては苦難の厳しい「辛い歴史」の始まりでもあった。

     砂糖がなければ、マカロンやザッハトルテのようなスイーツが手ごろな値段で食べられなかったと想像すると、甘い物好きの甘ちゃんには耐えられないことだ。

     鎖国をしていた江戸時代の日本は、サトウを高い値段で買ってそうだ。その理由は国際経済の事情に疎かったからとある。そのことについてあのモンテスキューが「法の精神」(1747年)で、日本が砂糖を法外な高値で買っているのかを述べていたと著者が引用している。国際経済音痴とはねえ。バブル時代にも別の高い買い物をして損をした会社があったなあ。

     著者はあのシンデレラの話に出てくる時計が気になって調べたそうだ。11時45分の時を告げる時計はどんなものかというと、ドイツの古時計のカタログを見ると1時間ごと及び15分ごとになる仕掛けがある。ちなみにこの研究に関して、TBSテレビで放送されている人気番組、大橋巨泉の「クイズ・ダービー」の問題作成者が著者に連絡を取って、「時計の社会史」というタイトルの本を出すと教えた。その後、実際に出題されたとある。

     この時、著者の名字を「カドヤマ」と何度も読み違えていたそうで、著者は、あきれていたそうだ。正しい読み方は「ツノヤマ」だ。

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