ダメな商店街を活性化する8つのポイント

著者 :
  • 同友館
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784496046858

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  • つい2週間前に近くの商店街でずっと頑張っていた「魚屋さん」が廃業しました、私がこのニュータウンに住み始めてから11年が経過しますが、以前は土用の丑の日ともなれば、店の前で「蒲焼き」を実演販売していたり元気の良いお店でした。

    この数ヶ月、お店に並べている品数が少なくなっていたのが気になっていましたが、とうとうその時を迎えてしまいました。私の妻はこの町で育ったのですが、子供の時からお世話になっていたそうです。

    商店街が寂れつつあるのは、私の町に限ったことではなく全国的な問題だと、以前に中小企業診断士という資格の勉強をしたときに知りましたが、なんとか商店街が活性化しないものかと心配しているこの頃です。

    この本は、商店街を回って活性化を実現させている鈴木氏が、その体験をベースに書いた本です。量販店が恐竜だとしたら、商店街にある個店は哺乳類のようなものです、哺乳類が生き延びた知恵(変化にすばやく対応する)を活かして、元気に生きている商店街の実例が書かれていて、私の住んでいる商店街でも活かすことができたらと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・新たな提案や治療法を実行するためには、「やる」ことを前提として、「どうしたらできるか」を考え、行動に移す必要がある(p8)

    ・衰退した商店街は、活性化の3つの条件のいずれかが欠けてしまったから、それは、1)やる気がある、2)消費者がいる、顧客をつかんでいる、3)一致団結できる、である(p22)

    ・商店街の組合は、農協などと異なって「作業の共有・利益の配分」が基本になく、「消費者の共有」しかないので、総論には賛成できても、各論になると「自分の利益」を計算してしまう(p33)

    ・再構築した商店街には各地の商工団体が訪れるが、彼らが一番知りたがるのは、「どうやって反対する経営者を説得したか」であり、「どうやって消費者の意向を取り入れたか」ではない(p36)

    ・事業の経営に必要な勇気とは、1)現実を見る勇気、2)後方に下がる勇気、3)前に進む勇気、である(p46)

    ・元気の良い商店街の40%以上が、ハンドメイドの商品(オンリーワン)を販売しているのに対して、元気のない商店街は、70%以上がメーカー製造の製品を仕入れて販売している(p81)

    ・商店街は日常の生活を維持するための不足品を購入するところで、「節約の領域」となる、デパートの領域の「我慢の領域」の真似をしてもダメ(p95)

    ・年配者が楽しめる街づくりを心がければ、それも活性化の一つになる、具体例として、「木陰のベンチ」「トイレ」「足に負担をかけない歩道」である(p103、192)

    ・儲けよりも来客を先に考える、原価を切って売りだしても店全体では儲けが出る、特売を買った客は必ず他の商品も買うから(p107)

    ・商店街を構成する要素は、立地として、1)消費者を誘導する施設に隣接、2)認知されている、3)導線構築、4)交通の便が完備、商圏として、5)マーケット規模、6)消費力と質、7)ポイント規模(車や人の通行量)、があり、その上に「時流」「やる気」が必要(p118)

    ・駅前商店街が廃れていく原因として、1)商圏が成り立っていない、2)時流の変化を受け入れる柔軟さがない、3)考える訓練をしていない、である(p120)

    ・商売をブランド化させるのには、1)他店では真似のできない、独自の味や形、2)前例のない商品、3)前例のない売り方、である(p145)

    ・雨の日は多くの消費者が量販店に出向く、その理由は、時間つぶしのスペースがあるから(p175)

    ・差別化する方法として、1)商品が他店で扱われていない、2)価格が負けない、3)売り方が他店と異なる、である(p204)

    ・売れないのに、なぜ客は商品の種類が多いほうを好むのか、これは、買うものが決まっていても「比べたい」と思う心理と、目を楽しませてくれること、「もしかしたら」期待に応えるものが見つかるのではという楽しみから(p231)

    ・経営者の営業センスは、売れ行きの悪い商品を使って、売れている商品を引き立たせる売り方にある(p231)

    2010/11/23作成

  • 図書館で借りた。

    商店街にお客が来なくなったのは、大型量販店がそばにできたから、若い人が来なくなったから、のような考え方では商店街が活性化しない。活性化させるためには消費者の求めていることに寄り添って、自分たちを変えていく必要がある、というようなことを8つのポイントまとめて説明している。

    量販店と同じものを売るならば価格では勝負にならないから、自分にしかできないことを売りにする、という感じの割と当たり前のことが書いてあった。
    当たり前のことに気づかなくなることがダメになる一番の原因のように思う。
    本としてはひたすら8つのポイントを繰り返している印象を受けた。

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