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- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784497210098
作品紹介・あらすじ
物語としての『三国志演義』は、いかに作られたのか。正史『三国志』に基づいた史実と、フィクションを交えた叙述のスタイルを分析する。さらに唐代以前から明清代にいたる『演義』の成立事情、謎につつまれた作者羅貫中の人物像、関羽・劉備・張飛ら登場人物のキャラクターの変遷など、奥深い作品世界を案内する。後半では、『演義』の研究にも大きな影響を与えた民間伝承『花関索伝』、明清代の書坊による出版戦争、『演義』に反映された正統論や五行思想など、物語の背後にある文化や世界観も描き出す。本「増補版」では、初版から十七年を経た研究の進展を随所に反映させるとともに、日本と韓国における『演義』受容の様相を第九章として新たに加えた。
感想・レビュー・書評
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三国志演義の成り立ちや受容について。一般向けだが内容はかなり専門的。
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演義が成り立つまでの経緯を追う。大まかに、前半は史実と演義の対比、後半は各時代における三国志の捉えられ方。三国志か好きな人は前半部が楽しめる。
元来正史で正統とされる魏がなぜ演義では敵役なのかは、征服王朝の時代抜きには語れないが、結果弱者の蜀を魅力的に描き、物語が面白くなった事は興味深い。
正史をオリジナルとし、膨大な時間、有名無名の人達が練り上げてきた三国志演義は、最も古いオープンソース型小説と言えるかもしれず、だとすればそれはまだ未完なのかも知れない。
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