システム・シンキング入門

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532110413

作品紹介・あらすじ

システム・シンキングとは、論理的な思考に加え、「モノゴトの全体構造」や「要素同士の因果関係」に注目する思考法です。1 要素の連鎖と全体構造への影響;2 時間経過による状況の変化;3 意思決定の中長期的なインパクト-を考えることで、陥りがちな悪循環を避け、好循環を生み出す正しい意思決定ができるようになります。さまざまな事例を紹介しながら、その発想からビジネスの意思決定での活用法、構造的な問題を解決するための対処法まで、丁寧に解説します。

感想・レビュー・書評

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  • 結果の近くで原因を探さない、原因と結果は時間的・空間的に離れている

    問題の範囲はどこからどこまでなのか

    出来事←時間の変化による個々の変化←パターン抽出←パターン間の因果関係

  • システム・シンキングの基本な説明とループ図,システム原型についてコンパクトにまとめられている.

  • ちょっと、難しかったかな。。


    ○システムシンキングのはじまり

    1973年有識者の集まりであるローマクラブがMITに委託して『成長の限界』というレポートを作成した。

    ローマクラブが呈した「今のまま世界人口が拡大を続けたらどうなるか」という問いかけを受けた研究者の答えは、
    「今後100年のうちに地球の成長は限界に達する」という衝撃的な内容であった。

    このときに作成した「ワールド3」というコンピュータモデルの原型が「システムシンキング」である。

    同じ時期に電車で同じ本を読んでいた人がいてびっくり^^

  • ・ 時間的順序が正しくないと相関関係はない
    ・ フィードバックは結果を経て原因に影響を与える(低価格化→マーケットシェアの増加→低価格化→ブランドイメージの低下→マーケットシェアの低下)
    ・ ここの要素が互いに依存していて、かつ、全体としてひとつの機能をするものをシステムと呼びます
    ・ 出来事>パターン>構造の三層構造
    ・ メンタルモデルは意識されることがないが故に、支配的な考え方となって根を下ろしはっきりと意識され手がつけられない限り、変わることはありません。
    ・ ミシュランガイドも、もともとはフランスの地方のレストランを紹介することによって、ドライブする距離を伸ばす、つまりタイヤの使用量を増やすために考えだされたものです。
    ・ メンタルモデルを意識するには
    ① 自分や自分の組織の短期的な目標や目的は何かを考えてみることです。
    ② 自分たちの「常識」はなにかを考えてみることです。
    ③ 問題の範囲はどこからどこまでなのか」を常に問いかける姿勢
    ・ ハードウェアとソフトウェアという補完し合うような商品をうまく組み合わせて、それぞれの製品使用の拡大が互いに好循環になるように構成されていることです。
    ・ システムの現状に対して平衡レベルや目標が比較され、ギャップが存在する場合には、ギャップを縮めるための動きが起こります。
    ・ 意思決定内容が外部環境から影響を受ける
    ・ 「成功が成功を生む」という「かたち」は「問題の先送り」という問題への対処方法の失敗とは違い、本来は達成したい成功を自ら先送りするような状況を示す。(一見成功に見えるものは、魅力的に見えるため、リソース配分でチャレンジングなTOBEより目先の成長を目指す判断になりやすい)
    ・ 人間は認識できないと行動できない→微妙なことを言語化することで認知が可能になる
    ・ システムへの対処法
    ① 結果の近くで原因を探すな — 源流で手を打て
    ② 行動や意思決定の中期的インパクトを考えよ — いったん悪化させることも必要
    ③ ボトルネックを探せ — ボトルネックの使い方を間違っていないか
    ④ 意思決定を切り離せ — 2つのループを交差させるな
    ・ 「成功の限界」では、制約自体がシステムの向かう目標となっているので、その制約の内容を買えることで目標を変え、システムを動かすことができます
    ・ 「補完する」「介入する」策をうまく活用し、好循環を拡大したり、悪循環を断ち切ったりする
    ・ 補完材とは、あるものを使うときに必ず必要となる別のものです。たとえば、従来のカメラに撮っての補完材はフィルムであり、フィルムにとっての補完材はカメラです。そういう意味では補完材をほかのものに置き換えることもシステムの循環を促すひとつ
    ・ PDFは「書く」より「読む」ことの方が圧倒的に多い。補完関係にあり、多数が携わる「読む」を無償化し、「書く」には課金をすることでビジネスを拡大する。
    ・ 要素が相互に強化し合う「強みの連鎖」
    ・ 「反直感的」な動きを見つけたら、私たちのものの見方や意思決定自体が謝っていないかを疑ってみることです。フィード「バック」ではなく、フィード「フォワード」ができるようになるということです。

  • ロジカルシンキングに加え物事の全体把握や要素の因果関係に注目した思考法のシステムシンキング法の入門書。具体的な例も多く分かりやすい。

  • 「システム思考 複雑な問題の解決技法」に最初に挑んだのは無謀だった。この本の分かりやすかった。だけど、最初に難しい本を読んだので、システム・シンキング(思考)、System Dynamicsの奥深さをより強く感じました。

    「システム・シンキングには絶対の正解はありません。自分なりに考えてみること、「世の中」の事象をより良く理解しようとすること、これがシステム・シンカーへの第一歩なのです。」
    著者のこの言葉が心に響きました。

    System Dynamics Loop Generatorを買っちゃおうかな...

  • ロジカル・シンキングによる問題解決は時間軸の推移を理論化できないスタティックなアプローチであるが故に限界がある-そこから時間軸の推移を組み込んだダイナミックなモデルとしてのシステム・シンキングの全体像について述べられた解説書。

    「相互に作用しあう要素の集合であり、集合体として全体の機能を持つ」というシステムの機能に着目し、あらゆる事象を、
    ・作用関係により、影響力を打ち消し合い均衡に向かうバランス・フィードバック・ループ
    ・同じ影響の動きを強める拡張フィードバック・ループ
    の2つの組み合わせから解明し、適切な問題解決はどのようにすれば可能か、また未来の成功に向けた戦略とはどのようなものかを明らかにする。

    科学における複雑系思想を問題解決に適用するとこうなる、という観点から興味深いし、事象間の作用関係並びに時間軸のズレを重視するという点において、問題解決の1つのアプローチとして理解しておく必要性は十分にあると思われる。

  • 図が多く、それに関しては何とも言えなかった。
    ただ、要素還元的にMECEで分解してもすべては語れないという点に明確に言及していた点には、物凄く納得感があった。

  • システムを構成する要素間に、複雑な因果関係が存在した場合、その構造をロジックツリーであらわすことができません。

    そんなときに、因果ループ図(Causal Loop Diagrams)というものを使って表現するのですが、世界の成り立ちをモデリングして、現状を変えるためのヒントを得るために使います。

    本書は、因果ループ図を中心にシステム・シンキングについて解説しています。

    自分が複雑な問題を解くときに使うというよりは、他人に説明する図として使うと便利なのかなと思いました。

  • 定量分析の本(「定量分析実践講座―ケースで学ぶ意思決定の手法」)で紹介されていたので、気になったので読んでみた。システム・シンキングの考え方、因果ループ図の描き方が分かる本。基本的な5つの型については、演習問題形式となっており理解を助けている。ただ、ところどころ「それホントかな?」という因果ループ図の記述があったりして、納得感は少し低め。詳しく理解するためには、本書に挙げられている参考書籍等を読む必要がありそうだ。

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