- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532112165
作品紹介・あらすじ
現代の金融市場に欠かせない仕組みとなった証券化について、専門用語を極力使わず、平易に解説。一般常識として証券化の知識を身につけたい人にも最適の書。証券化の仕組みが生み出す様々な利点をわかりやすく整理。保険やデリバティブとの関係など、金融商品の中での位置づけも明快に。サブプライム・ローン問題の温床になったCDOをはじめ、証券化の何が問題だったのかについても解説。
感想・レビュー・書評
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証券化の歴史、流れ、意義などにつき一通り理解できる内容に纏められている。
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証券化に関する入門書。ブックオフにて200円で購入。
取引スキームや商品別の解説、デリバティブとの違いなどが比較的平易な言葉でまとめられており、入門書としては良い。
ただし後半は同じようなことが何度も言及されるなど内容はやや薄く、実務家にとっては物足りないと思われる。
【メモ】
・証券化の機能は、「資金調達」と「リスク移転」
・証券化の際は、債権者の信用リスク(倒産リスク)を証券から分離するために特別目的事業体(SPV)を設立するのが一般的(倒産隔離:bankruptcy remote)
・モーゲージ証券=不動産担保証券
・証券には、ローンへの信用保証やプリペイドリスク向けの優先劣後構造など、オリジネーターが想定した金額を受け取れないリスクへの備えをつけるのが重要
・売り手メリット
・資金調達コストの削減
→優良資産の証券化は、会社全体の信用力で調達するより低コスト(アセットファイナンス)
・リスク移転
・オフバランス化
・手元資金の増加
・売却を容易にする(小口化、流動性付与、ストラクチャリング)
・買い手メリット
・投資機会拡大
・様々なリスク特性を選択できる
・デリバティブは「金融派生商品」であり、厳密に言えば市場で取引されている商品や証券の価格から派生して価値が定まるものを指す
・デリバティブは、情報の非対称性の解消のためにトリガーを客観的指標に置くが、やりすぎるほどヘッジ効率は落ちる。この差分をベーシスリスクという。
・CDOなどは複数の債券をプールすることで大数の法則を働かせることで安定したキャッシュフローを実現している。また、リスクを横で切って優先返済順にシニア、メザニン、エクイティと順序をつけてリスクの大きさ別の商品を作る。
リーマンの時は、メザニントランシェをさらにプールし、その中でシニアトランシェを作れば中格付け商品から高格付け商品を作ろうとしていたが、プールに対数の法則が働かなかったため高リスクになってしまった。 -
住宅ローンをはじめとした各種資産の流動化として"証券化"の基本知識を説明しています。
対象資産の選定、原保有者(オリジネーター)からの資産の分離、資本市場での投資家への売却とプロセスを3段階に分けた説明モデルが非常に分かりやすかったです。知識の整理にも役立ちます。
近時のサブプライム問題でとかく悪印象を与えがちなストラクチャード・ファイナンスですが、実は格付けの信憑性に関する問題が今回の事態を深刻化させた点とリスク・コントロールからの必要性を再考するのに是非とも一読をオススメします。
欲を言えば、最新の状況をフォローした改訂版を望みます。 -
証券化のイメージは分かりましたが、それ以上ではなかったので、評価2です。
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2010/07/14