- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532134242
作品紹介・あらすじ
雇用システム、人事管理、就業形態、労使関係-。日本企業の人材活用の現状と課題を第一人者が総合的に分析。選択と適応の時代を総括。
感想・レビュー・書評
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企業の昨今の人事管理の変遷をどちらかというと労働政策的な視点でまとめた本。あくまで個人的な印象だが、労働人口の減少を補完する形で多様化してきた就業形態及び労働者の意識のほうに力点が書かれており、派遣社員や加盟店店長など、これまでノンコア人材と考えられてきた人材をどう活用していくのか、彼らのキャリアをどう考えるのかといった話題に多くの紙面が割かれている印象。
確かに長期的にはかつてのノンコア人材の一部を基幹人材候補として考える時代が来るかもしれないが、タレントマネジメントの文脈からは当面一旦除外してもよいのではと思う。
それでも人事管理がより煩雑化・複雑化していくことは不可避で、このあたりをどう効率的・効果的にマネジメントしていくかは当面の人事課題としては大きいような気はする。
そういう意味ではトータルの人事管理と候補者も含めたタレントマネジメントについては分けて考えざるを得ないのでは?と感じる。
最後に冒頭序論の2ページ目に載っていた2つの人事管理論、ベストプラクティス・アプローチとベストフィット・アプローチ(もしくはコンティンジェンシー・アプローチ)に載っていたキーワードが何かに役に立ちそうだったのでメモしておく。
「ベストプラクティス・アプローチに関する研究(Pfeffer(1998))によると、好業績を上げている企業の人事戦略や人事管理制度にみられる共通の特徴は、①高い雇用保障、②慎重な選抜に基づく採用、③組織設計における自律的管理チームと権限の委譲、④組織のパフォーマンスに連動した報酬制度、⑤幅広い教育訓練、⑥組織内のさまざまな処遇格差の縮小、⑦企業内における情報共有の7つに整理される」(和田)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人事管理や人事管理研究の課題について解説。