なぜ会社は変われないのか: ビジネス戦略ストーリー 危機突破の企業風土改革
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (1998年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532146429
感想・レビュー・書評
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副題のとおり「企業風土変革」をテーマに、とある自動車部品会社を舞台として、企業改革の過程を物語として語る本書。8章から構成される物語には、章ごとに「風土改革ノート」と題したビジネス講義的な解説が付されています。
「企業風土」。
実際に企業の一員として日々過ごしている身からしても、なんともぼんやりとした形のないもの、それ故に改革・改善に向けた具体的対策・方策が立てづらいものと捉えがちです。
が、そのぼんやりとしたものの先には必ず何かがある。本書は、その「何か」を知る契機を与えてくれる一冊のように思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本の出版から20年も経過をしているけど、
まだまだこの本のストーリーと同じ様な状況もたくさんある。 -
自動車の下請け会社を舞台にした
ストーリー仕立ての会社風土改革のビジネス書。
15年前の本ながら、自動車会社ということもあり、共通点がかなりありました。
風土改革の為のコミュニケーション、真面目な雑談、責任の所在をはっきりさせるために衆知を集めて一人で決めること、部下に任せることのできる管理職…
かなり共感出来ました。
ただ実際にオフサイトミーティングなどやるとなるとかなり難しそう。
最近続きが出ているようで、
読んで見たいです。 -
会社の課題図書。結構おもしろかった。
会社帰り電車の窓から見える窓明かりの数だけ努力とか涙とか喧嘩とかのドラマとかがあるのかなぁとしみじみ。
社会人になったからって表面的な人間関係に満足してていいのかしら…という気にもなったけど、思い返せば学生時代から本気で意見や気持ちをぶつけたことなんてなかったや -
このストーリーのようにうまくいくわけないと思ってしまうが、その考え方・意見自体がダメなのだろう。
誰かが変えてくれるのを待つのではなく、自分が主体的に変えていこうとしなければならないのだろうが、結局「自分だけががんばってもムダ」「言いだしっぺが損をする」というところに舞い戻ってしまう。 -
■書名
書名:なぜ会社は変われないのか―危機突破の企業風土改革 (ビジネス戦略ストーリー)
著者:柴田 昌治
■概要
日本企業の病はここにある!リストラで人も給料も減らされたのに、
上からは改革の掛け声ばかり。残業を重ねて社員は必死に働くのに、
会社は赤字。社内には不信感が渦巻き、口ばかりの評論家が氾濫。
こんな日本では普通の会社を本当に蘇らせた「風土・体質革新手法」
をドラマで説き明かす「今最も欲しかった経営書」。
■感想
自分で考えれば、ここに書いていることの半分ぐらいはほとんどの
人が自分で気づけることが書いてあります。
(大企業の部長クラス以上では、ほとんど無理でしょうが。)
読んでいて非常に、共感できる本でした。
物語形式になっているので、当然、ご都合主義の話になっている箇所も
ありますが、書いてある根本的な事は、非常に有意義な内容のオンパレ
ードです。
この本を読んで、理解、実行できる経営者、役員、部長がいる会社は、
救いがありますが、もしいないようであれば、本書の中でも言っていま
すが、その会社はもう救いようは無いですね。
私が現在働いている企業も、基本的には役所なので全く救いようがない
です。(まあ、そこの正社員でないので、ここについて何もする気はあ
りませんが・・・)
勿論、実際には、「何とかしなければいけない」と思っている人もいるで
しょうが、まあ、行動が伴っていいないアホばかりです。
年齢が上がって、年功序列で役職がついて、勘違いしているバカばっかり
です。(責任者が責任取らず、トカゲのしっぽ切りをして、身内に甘
いというどうしようもない体たらくですから。)
私は、昇格や肩書にそこまで興味が無いので、結構色々と言ってしまう方
ですので、本書の中で言えば、2割の人間の部類に入る気がしますが、
下の人間から見た時には、そうは映っていないのだと思います。
この点は、本当に反省すべき点だな~と思いました。
恐らく、下の人間から見た場合、評論家になっている部分、言っている事
とやっている事が違う部分もあるはずなので。
この本に書いてあるように、会社を出たら偉くもなんともない、会
社に守られているだけなのに勘違いしている年上の人間が多いから、
私は、基本的に年上は尊敬しないのです。
なんか感想がとっちらかりましたが、非常に面白い、有意義な本です。
■気になった点
・形式ばった会議ではなく、「真面目な雑談」の場を多数設けることで、
お互いの意見交換が出来、信頼関係を結ぶ事が出来るようになっていく。
・自分の事を棚に上げ、「社員を変えなきゃ」という発想は、滑稽だよね。
・一方的にやらせる活動は、絶対に自発的にやろうとはならない。
・まず、大切なのは「信頼関係が出来るような条件」を整える事です。
・上から降りてくる内容は情報がゼロである。なぜなら、それらの情報は
すでに決まったことであり、背景が何もわからないからである。
・変革は、自分の中に「想い」が無いと始まらない。
・一緒な思いの人がいると知る事、一緒になって考えてくれる人がいる
ということは、安心感、信頼感を与える。
・場というのは設定の仕方一つで表情を変えるものです。
「人の話を聞く」というオフサイトミーティングの場は、それぞれに
安心感を与えることができます。
・責任の所在を明確にしないと、あいまいなままですべてが終わるし、
決定まで多大な無駄な時間がかかる
・失敗をすることが問題なのではなく、問題点は素早く見つけて、それ
を改善できない事が問題である。改善できないから、大きな失敗を
することになる。
・スピードにリスクはつきものだ。しかし、リスクを上回るスピードが
あれば、リスクを恐れる必要はない。
・個人の判断基準ではなく、統一の判断基準(優先順位)が必要である。 -
ビジネス書もストーリー仕立てだと読みやすい
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会社の風土を変える事はとても難しい。
本書に書かれている「まじめな雑談」を通して
地道に風土改革をしていければ、と思った。 -
会社の意識改革をストーリー仕立てで書いた本。
「まじめな雑談」が効力を発揮する。「まじめな雑談」とは、形式張らず、肩書き、所属にとらわれずにざっくばらんに建設的な話をしていくものであり、最終的には、色々な人の話を聞いた上で、最もふさわしい決定権者が決定するというもの。これまでの合議制度における、責任所在の不明確、時間がかかる等の問題をクリアできるという。
なかなか会社を改革しようとしても、周囲が理解してくれない等の悩みはある。改革意識をどう、周囲に理解させ、巻き込み、会社全体の流れにしていくのか、非常に分かりやすい。役所改革にも参考にできそうな内容だ。
本質は、職員個々が、「仕事をやらされている」から「仕事を進んでやる。楽しむ。自らが役割を踏まえ、判断していく」ことに代わることだと思う。上層部の決定権ではなく、小さな部門毎に決定権者が自主最良で適切に事態に対処していくことが、これからの時代にふさわしい組織形態であると考える。