主要メッセージは以下の通りであり、非常に丁寧な論旨展開がなされているが、
それが故に「まどろっこしい印象」(学術論文チックな印象)を受けてしまうのが残念。
ただ、「感覚的に」共有されている内容を、いかに数値化し、論理として
共有を図るかといった部分では、非常に参考になる部分もある。
■業界需要期:成長期×自社:トップシェア
・製品・技術開発力+ロジスティクスが必要十分条件
・どちらかを満たさないのであれば、強い営業力が求められる
=この場合に必要な営業力は「大量集中型」
(但し、こうした「恵まれた」環境は、日本では失われつつある)
■業界需要期:成熟期×自社:トップシェアではない
・製品やサービスに体現された潜在的顧客価値の市場実現
=これらを顧客に伝えられる高い営業力が必要
=多様化・流動化する市場機会に合わせられる「起動営業力」
■起動営業力の実現
・研究開発、製造、物流、顧客サービスなど、全社機能を活用し、
顧客への価値提供を行う「マーケティング・パック」の実現が必要
・現実には、この「マーケティング・パック」の提供実現に要する、
社内調整をいかに低減できるかが肝。
・そのためには、営業部門をリーダーとし、それをバックアップする
製品・技術開発やロジスティクス、顧客サービスという組織態勢に
転換しなければならない。
・これは「営業至上主義」を求めるものではなく、「市場の声」という
調整プロセスの中に、「製品・技術開発やロジスティクス、顧客サービス」を
組み込み、鍛え上げることで、競争力を高めるというものである