君命も受けざる所あり

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
3.70
  • (2)
  • (10)
  • (8)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 61
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532166434

作品紹介・あらすじ

反軍少年、共産党員、政治記者、社内抗争。そして部数1千万部の読売新聞トップへ。新聞文化賞受賞の著者が半生を書き尽くす。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2021/07/24

  •  プロ野球の開始時期問題の時に、たまたま図書館で目について借りました。自伝なので、自分のことを悪く書く人はいない、と思いますが、その点割り引いて読んでも、言ってることは、また普通でした。テレビで言われるほど悪役には、思えませんでした。
     読売新聞の歩みが、ごく簡単に理解できました。

  • 読売新聞会長・主筆の渡邉恒雄氏の自伝。日経新聞の名物コーナー「私の履歴書」の連載記事に加筆したもの。連載当時、日経は随分、大胆な企画を立てるなぁと思ったものです。日経は経済専門とはいえ、読売と同じ全国紙。わざわざライバル紙のトップの自伝を載せ、自社で本にしてしまうわけですから。

    題名は孫子の言葉で、戦陣の指揮者は君命であっても、それに歯向かうこともある、敵情によって、臨機応変の処置が必要だという意味です。

    硬い内容かと言えば、そうではない。政界での生々しい裏話に留まらず、若き日の恋物語も書かれています。

    例えば、東大時代の話。好きな人の日記に恋の熱情が書き連ねられているのを盗み読んで、狂わんばかりに嫉妬する。その挙げ句、「山中湖に身投げする」と大学の先生に速達を送る。しかし、さらには読み進めると、その相手が自分と知り…。

    ご本人も書いていますが、面白おかしく書いてしまうのは、新聞記者の宿命なのだろうと思います。

    昭和30年代、政治部記者時代の話は今では考えられないものばかり。当時の総裁選は公然と実弾(現金)が飛び交い、密約が結ばれ、それが破れたり。政治家から金を渡されそうになったこともあるとか。氏は断ったそうですが、「そんなやつは初めてだ」と、一目置かれるようになったと書きます。また、政府声明の原稿を頼まれて、書いたこともある、とか。

    渡邉氏は時折、失言、放言で、やり玉に上がるわけですが、それもサービス精神と正直さが端緒となっているのでしょうか。一読の価値あり。

  • ナベツネが2006年12月に日経の「私の履歴書」に寄せた連載をまとめたもの。

    ナベツネというと、おれらの世代には巨人軍のワンマンオーナーというイメージがあってアレルギーになりやすいかもしれない。1人称で語られているぶん多少偏りがあるかもしれないので、そういうきな臭い部分についてはコメントしないでおきます。

    ただ、読売の政治部記者として傍らで見てきた自民党の派閥力学は著者にしか書けないものだと思うし、間違いなく一読に値する。また、記者だけあって文章も澱みなく読みやすい印象。晩年についての記述がもう少し充実すれば嬉しかったかな。

  • 日経新聞に連載していたので断片的には読んでいたが、通して再読してもやはりよい。特に大野伴睦氏との述懐は、権力とメディアとの関係を知る上でも、(疑似)父子的な心の交流を知る上でも、とても興味深く読める。また、母や妻への愛、行く先々での男の嫉妬に満ちた派閥闘争など、哲学青年から最強のヒールまでの歩みがドラマティックに描かれている。とにかくナベツネが大嫌い!という人には特におすすめ。

  • レポート書くために読んだ本。
    日経新聞連載時に読んで、非常におもしろかった。
    書籍化されてよかった。
    賛否両論あるとおもうが、個人的には「ナベツネ」から「渡邊恒雄」まで書いてあるところが良かったと思う。

全7件中 1 - 7件を表示

渡邊恒雄の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×