- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532166519
感想・レビュー・書評
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これはレビューするのが難しい。。ある人にとっては、???な本かもしれない。なぜなら、現在の科学では説明できない(と思われる)ことについて書かれているから。それでも、今の人類の知識レベルで一生懸命に未知なる分野を表現しようと試みた作者は尊敬に値すると思う。(彼女の考えが正しいか正しくないかは別にして…。)
それでも、僕がこの本のレビューを書いたのは、自分自身、筆者の言う「ゾーン」を経験したことがある(と思われる)から。ちなみに「ゾーン」とは、集中力が極限を高められた時、周囲の景色や音が意識から消える状態のことです。
本文の記述を一部、抜粋。
勝利や記録や周囲の状況などを意識しすぎると、ベストパフォーマンスは生まれません。何かを「意識している」という段階は、理論や技術や結果にこだわっている段階であり、「ゾーン」に入ることはできないのです。―(中略)―「ゾーン」とは、心身の鍛練の積み重ね、並外れた競技への情熱と集中力、素直さと純粋性を維持し、意識できる範囲を広げていくことで、入ることを許される領域だと思うのです。
そんな「ゾーン」な経験をスポーツ選手が体験するにはどうすればよいのかについてアスリートとのインタビューや岡田監督との対談を通じて、筆者は考察しており、「感性」が大切なのではないかという仮説を立てています。
そして、「感性の力」を引き出すためには、
・“遊び心”を持ち、常識にとらわれない
・先入観と固定観念を捨てる
・好奇心と意欲を持つ
・いろいろな“本物”“生もの” に触れる
・自然にこだわって感覚を研ぎ澄ませる
・いろいろなスポーツや習い事をする
・好きな音楽を聴く
・ひらめきや直感を大事にする
・よいイメージをリアルに強い気持ちで描く
・最後は技術や知識を捨てきる
・形式や数字に固執しない
・過去や未来にとらわれない
・見えない存在や力に畏敬の念を払う
が必要であると筆者は主張します。
一部、論文調な部分もあるので、決して読みやすいわけではありませんが、スポーツに関わる人は読んでみてはいかがでしょうか。インタビューや対談のところは読みやすいですよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スポーツ選手の感性の発揮の事例やメカニズムについて書いてあったが、仕事にも通ずるものがあった。
なんにせよ、ゾーンやフローに入るためには
「入ろうとしてはダメ」ということが1番の気づき。
考えきったら、あとはもう頑張らない方がいい!
そしてやはり目の前の「こと」に意識を集中させることで
余計なことを考えないようにするのが大事だと思った。
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本書籍では、いわゆる第6感的なものを称して「感性」と言っています。スポーツには解明されてないことが多々あるし、個人的にも絶対にそういうものがあると信じているので、各アスリートの感性に関するコメントをまとめつつ、岡田監督と著者の感性に関する対談はとても興味深くみることができました。
本書の中で確信めいたのは、五感を統合する力がいわゆる第6感であり、感性であり、苫米地流に言えば情報場であり、人間の奥深さの面白いところなんだかなと。このあたりのことを突き詰めていくと、どうしても仏教に近づいてしまうのも面白いところでした…。まだまだこの分野、調べていきたい(2015/09/15ごろ読了) -
スポーツにおける感性とは何か?というなかなかお目にかかれないテーマ。
三つのパートで構成されている。
ゾーンや意識、無意識の話など、なかなか科学では解明できない事を割と科学的に検証する部分。
著者と岡田監督の対談。
イチローをはじめとする有名アスリートや監督達がかたる感性についてのパート。
内容が内容だけに理論的な部分はうまく理解できなかったが、岡田監督の発言はとても面白い。岡田監督も科学の限界を感じているらしい。
言葉でうまく語れない感性、一見怪しい感じがしてしまうからか、あまり話題にならないけど、とても面白いテーマでした。