- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532169985
作品紹介・あらすじ
2016年アメリカ大統領選挙 必読書
◎アメリカの民主党・共和党の違いはどこにあるのか。両党の対立軸はどう形成され、変化してきたか。トランプ候補、クリントン候補の戦いはどうなっていくか? 在米のアメリカウオッチャーの名著を全面改訂し再刊。
◎オバマ政権がレイムダックに陥るなかで、トランプ・サンダース旋風に象徴されるように、民主党と共和党の対立軸は大きくゆらいでいる。民主党の有力大統領候補ヒラリー・クリントンも、エリート政治批判、ポピュリズムの風に逆らえず、TPPに反対するなど、世論を意識した発言を余儀なくされている。
◎本書は米建国以来形づくられてきた政策やイデオロギーにはじまり、カルチャー、映画、スポーツ、対外戦争の賛否、移民政策、銃規制の是非や公的医療保険への取り組みなど、両党のさまざまな対立軸を分析したユニークなアメリカ論である。
◎第1章を「大きくゆらぐ対立軸」(約20頁)としてさしかえ、両党の大統領候補が決定する7月の党大会までの最新状況を反映させるとともに、二章以降も全面改訂する。
感想・レビュー・書評
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「米国リベラルは反日」という印象を多くの人が持っている。それは間違いではないが、「なぜか?」は分からない人が多いのではないか。本書を読めば、米国にはふたつのカルチャーがあり、その思想の源、歴史的経緯、地理的要因がどう結びついていったのか知ることができる。すなわち民主党カルチャーは「正義の希求」にあり、共和党のそれは「懐疑」である。まさしく日本の保革対立の図式にも似た構図がより根深い形で存在する。我々が米国リベラルに抱く印象、「米国式の押しつけ」「傲慢」「二言目には日本の批判」は、自らの正義への絶対的肯定から発しているのであって、彼ら自身は反日とは思っていない。それはしばしば有難迷惑だが、彼らは話せば分かると信じているので厄介なのだ。反捕鯨運動にも通じるものがある。その点、異文化は異文化として認めてくれる共和党カルチャーとは折り合いがつけやすい。「孤立主義者」志向の彼らは、他国の事情に首を突っ込もうとしないし、「正義」を絶対的には考えないからだ。
本書は映画、連ドラ、スポーツ、ビジネスに流れるふたつのカルチャーの存在を解説し、米国の特殊な事情を分かりやすく公平に読み解いていく。アメリカ自身も苦しい曲がり角に差し掛かっていることも分かる。これからアメリカ人と、特に民主党カルチャーとどうつき合えばいいのかを知るうえで有用な知識を提供してくれる好著であるといえる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
次期大統領選前に読了
民主党と共和党の対立軸、歴史、文化、支持者に加え、ポピュリズムの影響など学ぶことが多々あった。
アメリカの民主主義に対する強烈な思い、財政を含めた地方分権、党議拘束(クロスボーディング)の違いに触れた今、アメリカのニュースが以前とは異なって見えます。