コア・コンピタンス経営: 未来への競争戦略
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2001年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532190316
感想・レビュー・書評
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もはや古典の域に差し掛かっているが、コア・コンピタンスという考え方自体は、時代にかかわらず、普遍的なものであるとわかる。
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今となっては古典に分類されるであろう1995年発刊の経営戦略本。今2017年に読んでみて、内容に陳腐さを感じるようなところがない。というか、40代以上だと過去のあるあるが一杯出てきて懐かしくも、その裏で行われていた企業間の競争を垣間見えて楽しく読めると思うし、それ以下の世代も企業間の競争の歴史を知る上で役に立つと思う。1995年当時と以前の米国および日本企業のケースを通じて、未来に勝つために何をしていくべきなのかについての解説が、戦略本によく有りがちなフレームワークの解説ではなく、ケース企業の来し方を見ていくスタイルで読みやすい。教えてくれるようなものではなく、道標が提示され、自分で考えたければ考えれば程度なので、気軽に読み流せる。
題名にあるコア・コンピタンスってなに?というと、「顧客に特定の利益をもたらす一連のスキルや技術」とのことで、非常に多くの企業名が出てくるが、一例としては、以下の様なものが提示される。
企業、顧客利益、コア・コンピタンス
ソニー、携帯性、小型化
フェデックス、提時配達、物流管理
EDS、シームレスな情報の流れ、システム統合
ホンダ、燃費・加速・低騒音・低振動、エンジン
IBM、顧客ニーズと同社技術の重要な仲介役、セールスマン
恐らく、この本で一番名前が出てくる企業はIBM。それまでのIT領域での強大な力が、新しい市場形成の波に乗り遅れ、マイクロソフトとインテルに敗れ低迷していくところのストーリは、この本の出版のあと復活したと称される企業が、またもやクラウドの波でアマゾンに一敗地にまみれているように見える現状と重なって見えて、この状況が何によるものなのかまで思考させてくれる点が面白かった。
著者は、ゲイリー・ハメル。経営思想家という肩書らしいが、ロンドン・ビジネススクール客員教授とか、国際コンサルティング会社ストラテゴスの創設者などの肩書を持ち、経営に関する書籍を他にも出している。
この本の想定読者は、実務を経験ずみの中堅社員以上といったところか。戦略のフレームワークを知りたい場合は、この本よりも、ポーター本等で5Forces分析やSWOT分析等について学ぶと良いかもしれない。 -
経営幹部は、2~5割の時間を、社内問題にとらわれず、未来を考えるために積極的に使わなければならない。5~10年後「将来、あなたの会社が対象とする顧客は誰だろうか?」「将来、あなたの会社の競争優位の源はなんだろうか?」「将来、あなたの会社の独自性はどのような能力からくるだろうか?」
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よい、良いけど長い。古い本なので例示などがわかるようなわからないようななので、少し端折った短いものがあるとなおよいかな。
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コアコンピタンスが提唱された時期の本、いまでも参考になります。
市場調査が役立つのは、特定のタイプの顧客に合わせて一般的な商品のコンセプトを微調整する場合だけである。 -
■コア・コンピタンス
A.企業は環境の変化に直面すると、業務プロセスの見直しなどの様々な変革を行う。だが、未来に向けて出発するには、まず会社の基本思想を再検討しなければならない。
B.未来のための競争は、まず、未来の市場機会がどの程度の規模になるのか、どんな構造になるのかをイメージすることから始まる。それはすなわち、未来をイメージする競争である。
C.未来をイメージするには、「未来から過去を振り返る」「製品やサービスの機能に焦点を当てる」ことが必要である。
D.コア・コンピタンスは競争優位の源泉である。しかし、あらゆる競争優位がコア・コンピタンスというわけではない。こ
の区別を明確にしないと、競争優位に安住して独自の企業力を築くための投資を怠る、という過ちを犯す恐れがある。 -
企業が未来へ向かうために、コア・コンピタンスの重要性を説いた本。
訳書であるが、読みやすく、大変分かりやすく書かれている。
しかし、総花的な話になっている上、話があちこちに飛ぶ感じがり、
更にボリュームが多いため、より理解するには複数回読むことが必要。
個人的には企業をブランドの積み上げでなく、
経営資源の積み上げで見ていくという話は面白かった。
この視点で見ると、自社が何故苦戦しているのか?
他社がなぜそこを攻めてきているのかがよく分かる。
また、資源という面から見たアライアンスの必要性も理解しやすい。