問題解決力がみるみる身につく実践なぜなぜ分析
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2013年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532196721
作品紹介・あらすじ
問題の本質は「なぜ?」を適切に繰り返すことで見えてきます。物事を論理的にとらえ、ミスやトラブルの原因を的確に追究したいビジネス人必読。「なぜ?」の問いに答えていくだけの、誰にでもできる究極の問題解決手法をわかりやすく解説します。
感想・レビュー・書評
-
面白い。あまり期待せずに手にした本だが良書だと思う。
著者は小倉仁志氏。なぜなぜ分析のプロらしい。
基本的な事例を使って、なぜなぜ分析の手法を紹介してくれている。「なぜを5回繰り返す」とか言われているけども、実際にやると、最後は「注意不足」、「頑張ってなんとかする」といった結論に辿り着いてしまい、自分は上手くなぜなぜ分析ができていなかったが、この本からいい処方箋を頂いた。
備忘録。
•最初に、「なぜ?」をぶつける対象を間違えないようにする。
•そのためには、まずは、分析対象を的確な文章に置き換える。
•文中の単語に着目して、「なぜ?」をぶつける。
•「なぜ?」に対する回答は、一つとする、逆さから読んで因果関係を確認する、主語を明確にする、あいまいな表現を避ける、「〜にもかかわらず、〜してしまった」で整理し言い訳を排除する。
•間違いの四段階。「情報」「受取」「判断」「行動」。
以上詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
勉強になった。なぜなぜ分析を業務で多用し同僚にも浸透させたい。そうすれば底上げができる。
-
なぜなぜ分析、やってみてもピンと来ないでいたが、本書を読んで理由が分かった。
前提として、ロジカルに物事を深堀り、細分化していくスキルがあり、深堀りを助けるためになぜなぜ分析がある。なぜなぜ分析だけで何かが変わるわけではない。
ツリーを作る時に、So-Why?をどれだけ繰り返せるか、と言う事なのだろう。 -
なぜなぜ分析の基礎的な考え方を教えてくれる本。
職場でのミス防止策にならないかと考えて読んだ。
一番なるほどと思ったのは、
・「出した「なぜ」があったから、上位の問題が生じた」と読めるかどうかでその「なぜ」が適切かどうかチェックする。
という部分。
・「焦っていた」などという個人的な話を持ち出すのは間違い。作業者がどんなに焦っていたとしても、極力間違いを起こさない仕組みにすることが本来の目的。
「誰でもはまりやすい罠にたまたまその人がはまってしまった」と捉え、全体の改善として行うべき。
ex. ×間違って入力した→焦っていた
○間違って入力した→番号を別のものと勘違いした→番号が酷似している
という記載は納得できるものの、それに気づけるか?という疑問の解決策として適切だと思った。
実際、ミスを起こした現場からの改善報告では、「うっかりしていた」→「注意喚起する、気をつける」というような残念な対策しか挙がってこない。
これは、この基礎的な考え方が身についていないから発生する誤りだと思う。
(もっとも、基礎的な考え方が身についていて対策を導き出せたとしても、金が無い、時間が無いという問題が引っかかってきてしまう気がするが…)
そのほか役に立った部分は以下。
・分析にあたっては、具体的な表現を用いること。
×「答えが記入されていなかった」
→×「鉛筆が無かった」
○「回答欄Cの答えが記入されていなかった」
ほかに、時系列の問題として、「時々発生する」のか「いつも発生する」なのかという点にも気をつけるべき。
・1つの「なぜ」に要因を2つ以上入れてはいけない。
「~だから、~になった」の文は分解すべき。
・問題発生から一つ一つ遡るように「なぜ」を出す。
・並列に上げた「なぜ」がすべて解消したら、直前の「なぜ」は解消されるかチェックする
・言い訳の先には対策は無い。「落ち度(問題点)」または「対策が求められることがら」を探るという観点で「なぜ」を導く。
「突発的な注文が入った」はどちらでもないので、原因ではないとして分析するべき。
・「再発防止策」の意味。
①発生しないように(しにくいように)してしまう
画面遷移できないようにする、見間違いやすい文字の使用を禁止する
②発生しても、被害が出ないか被害が小さくなるようにする
メアド入力は二回にする、発生後の処置の仕方を訓練する -
中身は問題解決とは何ぞやをより具体的なプロセスで示したもの。論理が破たんしているかそうでないかのチェックポイントも丁寧に説明されているので、良書かと。ただ、一見すると問題解決として理解されないかも・・・なので、手に取られにくいか・・・?
-
なぜなぜを繰り返す、
常に具体的に考える、
頭で考えるのではなく、メモに書き出す
とても大切なことですね。 -
【目的】 真に効果的で的確ななぜなぜ分析ができるようになるためのポイントをわかりやすく解説することで、問題解決力を身に付けさせる。
【収穫】 体裁を整えただけの分析と的確な分析の見分けがつくようになり、判断力が上がった。
【概要】 本書では、なぜなぜ分析を実践するときに陥りがちな間違いや落とし穴、分析する際のコツについて具体例を交えながら解説する。
◆なぜなぜ前の確認: 課題は絞り込んで、かつ具体的に表現する。ポイントは、事象をみたままに表現し、発生の頻度や傾向が分かる情報を入れる。対象とする事象に関しては、経緯、手順、構造などをちゃんと理解する。但し、事前に分析の観点や想定結果を決めつけない。
◆なぜなぜ抽出の注意: アバウトな表現にしない。主語を抜かない。解釈が分かれる言葉は変えるか具体化する。ミスしたことだけでなく、ミスに気付かなかったこともなぜを掘り下げる。言い訳、個人の内面(悩んでいた等)の問題は書かない。時間、地点、動作の順序の観点から並べ替えてなぜを出す。定量的・具体的な基準を設け、そこからどう違ったかを表現する。
◆なぜなぜの検証: 逆から読んでも論理が成り立つか。言い訳になっていないか。1つのなぜに2つ以上の要因が含まれていないか。再発防止策が導き出せているか(導けていれば「なぜ」の回数は気にしなくていい)。それは誰が行う防止策か。現場だけでなく管理者視点でも防止策があるか。現場・現物を用いて的確に検証できるか。
【感想】 単純になぜを繰り返すだけだと思っていた「なぜなぜ分析」だが、意外に奥が深い。会社でなぜなぜ分析を行っても今一つピンとこなかったことがあったが、本書を読んで、自分がやっていた分析にこれでもかと当てはまる部分があることに気づかされた。本書の内容からチェックリストを作ったので、今後の問題解決に生かしていきたい。 -
システム運用担当者は必読。新入社員にもおすすめ。実務に必要なレベルの論理的思考の基本が学べる。値段も安く、コンパクトで持ち運びしやすいのもいい。
-
組織の管理者層向けの感じがする。ちょっと現場向きかどうかは難しい。
-
ミスや事故が起きた場合、その原因を把握して再発防止策を打つが、原因を突き止めるということが難しく、真の原因にたどり着かず上辺の対策になることが珍しくない。そんな場合また同じようなミスや事故が発生してしまい、原因追求の作業自体無駄になってしまう。本に書かれている通り、アバウトな表現にならないように、原因に主語を入れることや、発生期間や時点、傾向を分析することなど、言われてみればアタリマエのことだがなかなかできていないところを指摘してくれており、次になぜなぜ分析をやることがあったら、手元において分析したい。