リンゴが教えてくれたこと

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  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532196899

作品紹介・あらすじ

もし、自分がリンゴだったら、イネだったらと考えてみました-。「絶対不可能」と言われたリンゴの無農薬・無肥料栽培を成功させ、一躍時の人になった農業家が、波乱の人生と独自の自然観を語り、農薬と肥料に依存する農のあり方に警鐘を鳴らす。文庫化に際し「農業ルネサンスが始まった」を加筆。

感想・レビュー・書評

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  • 自分も家も農家であったが、閉鎖された社会でこれだけのことをされてきたのは、大変な苦労があったと思う。自分が作るのではなく、手伝いさせてもらうだけ。素晴らしい本に出会えたと思う。

  • 「絶対不可能」と言われたリンゴの無農薬・無肥料栽培を成功させた木村さんの本。TVに出て、途中から宇宙人と会ったことがあるとか、なんだか違う方面に行ってしまった感があるのですが、安全安心なリンゴを作る情熱には心を動かされます。

  • 大事なことを沢山教えてくれる一冊だ。

    自分なりの正義を貫くこと、その情熱を生きること。物事をよく観察すること。観察したものを理論的に解し、試行錯誤すること。

    私は確かプロフェッショナルという番組で、著者である木村さんを知って、本著を是非読みたいと思った。番組は、情熱を貫いた部分が特に印象深かった記憶があるが、本著からはそれ以上に、理論的であることや専門知識の豊富さに気付かされる。農業のように、伝統や継承の延長線上に存在する営みの場合、理屈はさておき、何百年とこうしてきたからという人間の知恵があるのだろうが、そこに自らの哲学でメスを入れ、結果を出したのだ。

    その辺の自己啓発本より、よほど読む価値のある一冊だと思う。

  • 映画化された「奇跡のリンゴ」はライターさん著でしたが、これは主人公である木村さん自らの著作。「奇跡のリンゴ」とダブるエピソードはありますが、こちらの方がより、現状の木村さんの活動や、農業に対する意見・考えが前面に押し出されています。
    とにかく凝り性で、最初は深い考えもなくリンゴの自然栽培に突っ走り、極貧に苦しみ、試行錯誤の中から最適解を見つけていったと。簡単にまねできる話ではないですが、短絡的に正解(と言われていること)に飛びつかず、もがいてみるのも大切なことかもしれません。

  • 257

    マーマーマガジンの。
    根気と知識!
    自然はすごいな、とは思ったけれど、やはり農業とてつもなく大変そう。とにかくきちんとした知識がいる。

  • 農業がこんなに大変で奥深いものとは知らなかった。
    よく見て植物が喜ぶことをする。
    手間暇を惜しまない。

  • ○「奇跡のリンゴ」の著者でもある農家(自然栽培)の木村氏の著作。
    ○無農薬、無肥料を基本とする自然栽培にこだわり、苦節10年超を経て、完全無農薬・無肥料のリンゴ栽培に成功。その他、米、野菜といったリンゴ以外の作目についても、自然栽培を行っている。
    ○本書では、自然栽培リンゴの収穫までの苦労話に加え、他地域の農家への助言などにも触れ、自然栽培の重要性を訴える内容。
    ○木村氏の信念と努力、周囲の協力については、時代背景を踏まえても、とても大変なことだったろうと素直に思う。先が見えない状況で、日々の生活も満足に後れないなか、これほどまでのリスクを冒してでも実現したことの素晴らしさは、決して真似できるものではない。だからこそ、著者の言葉一つ一つに重みが感じられる。
    ○当然のことながら、「非科学的」である表現や内容はあるが、それも含めて「読んで良かった」と思えるもの。

  • リンゴ農家のおじさんが一体何をしたのだろう。
    リンゴ栽培についての本を何冊も出している著者に
    いつしか興味をいだき、
    「今月のおススメ書籍」となっていることもあって、
    ついに一冊を読んでみました。

    「農業を営むうえで農薬は無くてはならないものだ。」
    そんな常識を覆した、リンゴ農家の木村さん。
    リンゴの無農薬・無肥料栽培の成功の裏には
    10年にわたる苦難の道のりがありました。
    成功してから思うには、なんだそんなことか、ということも、
    当時としては、まったくの手探り状態で、
    無農薬の自然なままのリンゴには何がいいのか、
    思考錯誤の毎日だったのです。

    自然のままに、草を生やし、虫を生かし、
    人間が気持ちの良いことを好むように
    リンゴも気持ち良く生きられるのには、何が必要なのでしょう。

    著者のリンゴへの限りない愛情が感じられる一冊です。
    人間も自然のままがいいのかもしれませんね。
    ・・・青森のおいしいリンゴが食べたくなりました。

  • 木村さんの奇跡のリンゴの話を聞いたのは去年12月の青森旅行の時。林檎好きとして見逃せない話と思ったけど映画化されるほど話題になるとは。
    「人間の体にリンゴ1つ、お米1つ実らせることができますか。」
    私が日々たべてるリンゴがこんなにも育てるのが大変なものとは知らなかった。とにかく農業は観察に観察らしい。観察するためには根気。生半可な観察や根気ではないらしい。批判に耐えじっと観察と試行の10年弱…けれども段違いな手間をかけたリンゴは段違いに美味しいという成果も出るということで、よかった。
    リンゴ好きとしては、これからも堅実にステキなりんご農業を続けていってほしいです。

  • いま話題の方の本。

    自然栽培の手法の部分もさることながら,そこに至った木村氏の壮絶とも言える努力には,率直に感銘を受けた。石の上にも三年とはいうものの,氏がリンゴに賭けた期間はその比ではない。本質を見抜こうとする姿勢,謙虚にならなければならないということ,そして諦めない姿勢の大切さを,教えられる。

    自己啓発って言葉はあまり好きじゃないんですが,人生訓という意味でもひとまず読んで損は無い類の本でしょう。

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著者プロフィール

1949年青森県弘前市生まれ。
弘前実業高校卒業後、川崎市のメーカーに就職。そこを1年半で退職して71年に故郷に戻り、リンゴ栽培など農業一筋の生活を始める。
78年頃から無農薬・無肥料のリンゴ栽培に挑戦するが、失敗続きで苦難の日々を送る。
しかし遂にその完全無農薬・無肥料のリンゴ栽培に成功、2006年にNHKテレビ「プロフェッショナル仕事の流儀」に登場し、注目される。
現在はリンゴ栽培のかたわら、国内外において自然栽培法の指導や講演活動で多忙な日々を送っている。
2013年に、その挑戦と苦難の日々を描いた映画『奇跡のリンゴ』が公開され、大きな反響を呼んだ。

「2020年 『新装版 地球に生まれたあなたが今すぐしなくてはならないこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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