佐藤可士和の打ち合わせ

著者 :
  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532199647

作品紹介・あらすじ

○2014年にダイヤモンド社から刊行された同名書を文庫化。

○本書は「超整理術」「クリエイティブシンキング」に続く佐藤可士和の仕事術第3弾。どんな仕事も一番最初に行うのが打ち合わせ。実りのある打ち合わせが出来れば、その後のプロジェクトもうまくいくことが多い。打ち合わせは「クリエイティブの現場そのもの」で、そのクオリティを高めるには「ルール」が必要と説く。

・一度打合せをすれば相手のレベルが分かる。
・発言しない人は無意味どころか、黙ることは負のオーラを発して悪影響。
・仕事ができる人ほど先に来ている
・プロジェクトは構造計算から始める。ビルの小部屋からいきなりつくらない
・スマホを鳴らすのは論外。マナー音でも注意力を散漫にする。
・くどい話し方は駄目。
・事前準備をしすぎないこと。
・アイデアの一歩手前の「イメージ」をぶつけ合う。
・このプロジェクトは日本を変えるくらいの大義をぶちまけよう
・ブレスト1回目ではいきなり本質に近づかない。
・ブレストは「くだらない」ことを言い合う場。
・あえて極論を行ってみる。

○文庫化に当たっては文庫まえがきを追加する。

感想・レビュー・書評

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  • 無駄なこと、重複していること、事前共有で済むことがないかなど、今一度精査してみると、短縮、改善できることは少なくないのではないでしょうか。

    ・打合せの質を高めれば高めるほど、アウトプットの質も上がっていき、結果的に仕事の質は高まります

    ・会議とは、各部署の状況報告を受けて社内で共有したり、経営トップやマネジメントが何らかの案件を承認したりする場。
    ・事実が報告されたり、最終判断としての意志決定をしていくような集まりのことです。
    ・打合せは、それこそ会議に上げられる前の段階で、いろいろなことを自由に考え、議論していく場です。
    ・完全に意思決定される前のプロセスは、全てが打ち合わせ。

    ・一度打ち合わせをすれば、相手の仕事のレベルはすぐに分かってしまう。
    ・しゃべらない人は、打ち合わせの意味を理解していない人と見なされます
    ・本音でやりとりしなければ、意味がない
    ・社内の垣根を取り払い、建前を捨て去り、本音で語る。
    ・否定をするのであれば、どんな立場であれ、代案を
    ・面白いものは面白い。つまらないものはつまらない
    ・これがどうしてつまらないのか、どうしてこっちが面白いのか、と聞かれたときに、その理由を言わなければいけない状況にいつも身を置いていたからです

    ・目的がはっきりしている打ち合わせは、明らかに言い打ち合わせにる、きめることが明快だからです
    ・一方、目的のない打ち合わせは、ゴールのないマラソンのようなもの、走り始めても、どこにいっていいかわかりません。
    ・注意しているのは、真っ先にわかりやすいゴールを設定することです。要するにいつまでに、どんない結果を出すのか、ということです。

    ・僕がよくたとえるのが、建物の構造計算です。建物を造るとき、いきなり中の部屋からつくることはできません。
    ・まずは、建物全体から考えないといけない。その上で、これは、何をやる部屋、これは何をやる部屋、と中身を造っている。

    ・できるだけ少ない回数を心がける

    ・プロジェクトごとに、体制図を作る。誰にどんな役割があり、どんな責任があるかがはっきりするので、みんなが安心するのです。

    ・打合せにおいてもっとも大切な能力は何か、と問われたら、僕はイメージ力と答えます。どんな打ち合わせになるか、イメージしておく力です。
    ・ところが、何を考えないで、いきなり打ち合わせに来ている人は実は多いものです。

    ・すべての仕事が予習なし、というわけではありませんが、そうした最初の感動を大切にする、ようにしています。
    ・そもそも自分は何のために仕事をしているのか
    ・打合せで飛び交っていたような専門用語を知っているユーザーは、そもそも広告など見て買わないのではないと思ったのです。
    ・僕たちに仕事が頼まれているのは、メーカー発の視点とは違うものが求められていたからではないか、ということでした。

    ・イメージや仮説は、とにかくたくさん持っていく。
    ・いきなり、正解は求められないのです。
    ・固めすぎずに、たくさんイメージをもっていく。そうすることで、その場で新たな発想もでき、フレキシブルな対応ができます。みんなで作る打ち合わせができるのです。
    ・質問することは、正解に近づいていく重要なヒントをもたらしてくれるのです
    ・自分の仕事をよりよくしていく、という問題意識で問いかけを考えてみる。そうすれば、質問力は磨かれていくのです。
    ・出席者全員一律に話しかけるのではなく、キーパーソンは向かって話しかける。そうすることで、あっ、自分にいっているんだな、とキーポーソンは感じることができる

    ・メモを書いたりすると、どうしても集中力が落ちてしまうということ、そっちに気が行ってしまう。それでは、いいイメージにはつながっていきません。
    ・自分大事なことは、何かをつかもうとすることです

    ・仕事ができる人、忙しい人ほど、早く打ち合わせの場に来ている
    ・時間の価値をしっかり認識していると同時に、打ち合わせに遅刻するということが、どういうことなのか、しっかり理解しているのです。
    ・打合せは本当に必要なものだけにする。少なければ少ないほうがいい。
    ・早く目的に達した場合でも、今日は決められないとおもった場合でも、予定の半分で終えてしまうこともありますし、10分程度で終えてしまうこともあります。
    ・タイム・イズ・マネー 無駄な時間は、無駄なコストを生むだけ
    ・その時間に打ち合わせた内容を、出席者全員でしっかり理解し、まとめて終える。

    ・具体的なことは言わなくてもわかるだろう、という楽観的な考えは危険です。
    ・上司やリーダは、バンバン具体的な指示を出す
    ・この先、やるべき作業はみえていますか?と僕はかならず尋ねる。
    ・優秀な人であれば、あるほど、わからないときには、ちゃんとわからないと言ってもらえるものです

    ・次の打ち合わせまで自分やるべきことを把握しておく。自分のアジェンダを整理しておく。
    ・大事な情報をメールに打ち込んで、自分にリマインドメールを送るのです
    ・たくさんの文章を書き込む必要はまったくありません。スマホの一画面に収まるくらいの量で、ポイントだけしっかり列挙してあればいい

    ・自分リマインドに加えて、自分議事録をつくることもあります。
    ・打合せ直後が勝負の分かれ目です。
    ・打合せが終わった瞬間に、ほんの5分でいいので、その打ち合わせにつて振り返って、考えてみましょう。
    ・まだ打ち合わせの高揚感が残っているうちは、打ち合わせについて大事なポイントを整理してみる。
    ・そうすることで、しっかり打ち合わせの大事なポイントを頭に焼き付けておくことができます
    ・打合せを進行する上での最後の5分間と、打ち合わせが終わってからの5分間を、僕は、黄金の時間、と読んでいます。

    ・感じ、や、方向、で終わらせないためにも、これでいいですか、これでいいですね、と確認する
    ・具体的に、きちんと結論を口に出し、打ち合わせの場で全員のズレがないか、確認をする
    ・表面的な言葉ではなく、本音の言葉でお互いの理解を整えておく。
    ・そうすることで、認識を掃落ちさせることでできるのです。
    ・自分の思い込みだけでなく、相手にきちんと確認しながら、進めていく必要があります。

    ・相手がどう思うか、を想像できるかどうか。それなしに、いい仕事をするのは難しいのです。
    ・相手の立場に立てば、やってはいけないこと、やるべきではないこと、きっとこうしたほうがいいだろうな、ということは想像がつくはずなのです。
    ・気づかいができるだけの余裕をもとうとすることです。これが、打ち合わせでも間違いなく活きています。気づかいにこそ、仕事の本質は現れるからです。

    ・社会的なポジションが高い人ほど、心遣いのある見送りをされる印象があります。
    ・ほんの数メートル、数十メートルの違いかもしれませんが、そこにこそ、相手を尊重する気持ちや、仕事への向き合い方が現れてしますのです。

    ・打合せの、やってはいけない。
    ・携帯電話やスマホです。打ち合わせ中に携帯電話に出る、などというのは、問題外でNGですが、そもそも携帯電話がなってします、というのも大きな問題でしょう
    ・もとより会議中に電話がなった、というだけで、その人の印象は最悪になる、と考えてもいいと僕は思っています

    ・誰かその場を仕切る人がいなければ、絶対にうまくいきません。これこそが、ファシリテーターの存在意義です。
    ・仕切り役のいない打ち合わせは、まさに最悪の打ち合わせといえます。
    ・ファシリテーターには、かならず確認しておかなければいけないことがあります。
    ・プロジェクト全体が見えていること、そして、その中で、この打ち合わせがどういう意味を持つのかを理解できている、ということです。
    ・ファシリテーターは打ち合わせに参加する出席者について、理解できていなければなりません。
    ・議事録をだれが取るのか、役割分担をはっきりと指示しておくのも、ファシリテーターの役割です
    ・タイムコントロール、早く終わるほうがいい、うまくいかなければ思い切って打ち切るといった、基本認識もしっかりもっておく
    ・15分なり、10分なり、もう終わりが近づいているということを全員に伝えて時間に限りがあることを理解することもひとつの方法です
    ・ファシリテーターがいない打ち合わせは最悪だと書きましたが、ファシリテーターが出てこないプロジェクトはもっと心配です。

    ・ブレストでは、参加する人数は多すぎてはいけません。
    ・発言しない人間、発言できない人間は、ブレストに参加すべきではないし、参加する資格がない
    ・極論と、断片をうまく活用です。

    ・結論するのはプロジェクトリーダが判断する
    ・実際には、正確はわからないのです。だから、とりあず、これでやってみよう、言えるかどうかが、実はリーダーには問われます
    ・うまくいかなかった、ぱっとこっちに戻ろう、思い切って変えることだってありうると、いろんな未来の行動を示唆することも、重要なことだと思います

    ・1週間でも1カ月でも、部下に仕事を委ねた後、何も進捗の確認をしないのは、極めて危険です。
    ・常時コミュニケーションができる環境を作れば、仕事の効率は一気に高まると考えたのです

    ・クライアントとの打ち合わせは、ある程度のフォーマルさが必要です。しかし、社内は基本的に身内、もっともっとカジュアルでいいのです。
    ・経営者として危惧したのは、わざわざ会議室を取って社内打ち合わせをしているようでは、仕事スピードが出ない、ということです。スピード経営が求められる時代に明らかに遅いのです。

    ・今のほとんどのプロジェックトの考え方は、長期でじっくりと仕事を積み上げていく、というこのときに学んだスタイルです
    ・そしてこのスタイルを可能にしているのが、質の高い打ち合わせなのです。定期的に効率よく打ち合わせをして、確実に仕事を前に推し進めていく
    ・仕事のほとんどが打ち合わせだということは、仕事のクオリティは打ち合わせのクオリティできまる、ということ。
    ・打ち合わせのクオリティを変えれば、仕事は大きく変わるのです。効率がよくなり、生産性が上がり、無駄がなくなるということです。

    目次
    文庫化にあたって まえがき
    はじめに なぜ、僕は「打ち合わせ」の本を書いたのか?
    RULE1 打ち合わせの心構え――打ち合わせは「本音の真剣勝負」で臨め
    RULE2 打ち合わせの設計――プロジェクトの「構造計算」をして必要な打ち合わせを洗い出せ
    RULE3 イメージの重要性――「イメージの徹底」が打ち合わせの準備である
    RULE4 打ち合わせの時間管理――「ラスト5分」と「終了後5分」が打ち合わせの黄金の時間
    RULE5 打ち合わせにおける気遣い――出すお茶にまでこだわれば、仕事はきっとうまくいく
    RULE6 ファシリテーター――打ち合わせは「ファシリテーターの腕」で決まる
    RULE7 ブレインストーミング――すべての打ち合わせを「ブレインストーミング」にせよ
    RULE8 会食とランチミーティング――会食は「未来を語らう場」として活用せよ
    RULE9 社内コミュニケーション――社内の打ち合わせはなるべくやらない
    おわりに  打ち合わせを変えれば、仕事が変わり、会社が変わり、人生が変わる
    文庫化にあたって あとがき

    ISBN:9784532199647
    出版社:日本経済新聞出版社
    判型:文庫
    ページ数:256ページ
    定価:800円(本体)
    発行年月日:2019年11月
    発売日:2019年11月01日第1刷発行

  • かなり面白く、学びが多かった。また読みやすい。
    ユニクロ・日本財団などのロゴデザインを手がけたことなどで有名な、アートディレクター(?)の佐藤可士和さんによる、コロナ前の打ち合わせの作法をまとめたハウツー本。目的達成のために、プロジェクト全体と打ち合わせの構成を事前に考え、打ち合わせが人が集まるコストの高い時間だからこそ最も違和感なく進められるよう気遣いを忘れず、その場では常にブレインストーミングができるように場の空気の盛り上げ〜まとめ〜具体的実践への落とし込みまでコントロールする、といった、目的達成のための打ち合わせのあるべき姿とその手法を解説している。佐藤さんの仕事への姿勢を垣間見られそれ自体が勉強になるほか、明日からどうやって打ち合わせの準備をするかのポイントが掴めてくる(打ち合わせの進め方ではなく、打ち合わせの事前準備、に力点があるところに注意してほしい)。

    箇条書きで学んだ点をメモする。
    ・まず打ち合わせ相手への気遣いという点、当たり前だがどこまでやるか、というところはなかなか軽視しがちであったが、気遣いによってもっと効率よく打ち合わせできるようになる、と重要性を少し理解できた。
    ・役割分担をはっきりさせるというところも重要性を把握できていなかったが、それが決まらないと当事者意識がはっきりしなかったりコミュニケーションを誰にとればいいのかわからなくなるから必要だと理解できた。
    ・打ち合わせの中でいつ盛り上げるかも考えられていなかったが、時間が足りなくなる前に、ここら辺で盛り上げてここら辺でまとめるにはどうすべきかというイメージまで事前に考えることが必要とわかった。
    ・「そんな感じで」と曖昧な合意になってしまうことへの対処法として、その場で決める覚悟を持って「これでいいですね」と決めていくことが重要とは勉強になる。
    ・情報共有の際も、「何が1番重要な情報か」という観点で議論すればブレストにできることが勉強になった。
    ・打ち合わせ相手のモチベーションを上げる大義を作ることも確かに忘れがちだが重要だと思った。自分のお客さんに対してどうやって向き合おうか、考え直させられた。

  • もっと凄いことが書いてあると期待していた。
    残念ながら全然面白くなかった。

  • 今まで打ち合わせってできれば参加したくないしファシリするのに気が重くなってたけど、打ち合わせや会議って面白いかも。って思える本でした。

    定期的に読み返したい

  • 打合せを真剣勝負に。その部分はすごく伝わった。意味のない情報共有も多い。
    でも、そもそもそんな情報共有しないと理解できない会社もあって、人達もいて、その辺はチームビルドからなんだろうな。。
    コロナ前という事もあるし、本質は分かるが時代錯誤で老害意見も目立ち(手土産とか、座席とか)、一部で白けてしまう内容も

  • 2022.8.22読了。

  • 仕事を多くの人との連携によって進んでいきます。その連携の際に必ず行われるのが、打ち合わせ
    打ち合わせはコミュニケーション能力を磨く場
    本当の目的はそれぞれの持ち場の役割を果たすことではなく、プロジェクトのゴールを完遂すること
    イメージを持ち寄って掛け合わせすることで初めてアイディアは生まれる
    打ち合わせが本当に必要なものだけにする。少なければ少ない方が良い
    帰りの移動中などにリマインドを自分にメールする
    これでいいですか、これでいいですねを繰り返す
    相手をきちんと気遣えるかどうか。そういうところにこそ、仕事ができるかどうかの本質は現れる
    人間は、見ているものや聞こえてくるものに影響されている
    リーダーに大切なのはオープンマインドとタイミング
    佐藤可士和の超整理術

  • 「会議」ではなく「打ち合わせ」。その「打ち合わせ」術。なんでもかんでも「佐藤可士和」という冠言葉を付ければいいというものでもない。超一流ビジネスマンの思考や所作を学ぶ意味では面白いが、あとがきにあるように独立後のKDDIとの仕事からプロマネの手法に感銘を受けていまの打ち合わせ手法をブラッシュアップさせたとあるが、そうした刺激から構成を組み立てたほうが佐藤可士和氏らしさの着眼点や発想法を感じ取れた気がする。

  • 分かりやすかった。やはり一流と言われる人はこだわり強い。

  • 打ち合わせに対するマインドが変わります。

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著者プロフィール

■佐藤 可士和(サトウ カシワ)
クリエイティブディレクター。博報堂を経て「SAMURAI」設立。
主な仕事に国立新美術館のシンボルマークデザイン、ユニクロ、楽天グループのブランドクリエイティブディレクション、「カップヌードルミュージアム」「ふじようちえん」のトータルプロデュースなど。
近年は武田グローバル本社、日清食品関西新工場など大規模な空間デザインプロジェクトにも多く従事。
文化庁文化交流使(2016年度)、慶應義塾大学特別招聘教授(2012-2020年)毎日デザイン賞ほか多数受賞。
2021 年春に国立新美術館で「佐藤可士和展」を開催予定。

「2021年 『佐藤可士和の対話ノート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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