リクルートのすごい構“創”力: アイデアを事業に仕上げる9メソッド

著者 :
  • 日経BP日本経済新聞出版本部
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532199869

作品紹介・あらすじ

「リボンモデル」「不の発見」「価値マネ」「ぐるぐる図」「価値KPI」「型化」……
次々と新しい事業を生み出す「リクルート式」を、トップコンサルタントが徹底分析!

「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 読者が選ぶブックランキング2017 第7位」に選出。
累計4万部のヒット作を文庫化!

数々の新規事業を生み出してきたリクルート。
「結局リクルートだからできるのであって、我が社には役立たない」と
思い込んでいる人たちは少なくない。

しかし、それは大きな誤りだと著者は言う。
リクルートには、個人のアイデアを拾い上げてブラッシュアップし、
驚異的なスピードと爆発力で展開するしくみを組織全体で共有しているのだ。

昨今話題の「リーン・スタートアップ」「アジャイル」と似た手法を、
シリコンバレーに先駆けて実践していたのがリクルートである。

本書は、第一線の戦略コンサルタントが、その手法を分析し、
一般の企業に応用する方法を3ステージ・9つのメソッドに分解して解説する。

感想・レビュー・書評

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  • 「起業の天才!: 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男」の副読本として、
    今のリクルートを知るために読んでみました。

    ※起業の天才!: 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4492062165#comment

    著者はBCGの日本代表なだけあって、
    コンパクトにまとまっているコンサルっぽい本。

    リボンモデルとかニューリングとか言葉は聞いたことがあったので、
    ざっと自分で理解しておきつつ、、
    興味深かったのは江副時代のリクルートはトップダウンで、
    新しいビジネスの種を江副さんが示していた(ように感じた)のに対して(小さな派生的な新規事業はボトムアップもあったでしょうが)、
    今のリクルートはボトムラインから新しい種が出る仕組みをしっかりと作っていること。
    江副さん時代のリクルートのDNAをうまく継承しながら、
    新しいDNAを作り上げているところが興味深かったです。

    KPIの設定のやり方や、既存事業を破壊するような死神事業を買収するやり方も
    考えとしてとても参考になりました。
    (KPIなんてクソや…と思っていましたが、それはKPIの設定の仕方が悪かったのね。。反省…。)

    この本を読みながら感じたのは、何やかんやでリクルートが強いのって、
    「リボンモデルを使ったプラットフォームビジネスしかやらない、と決めているところじゃないか??」と
    個人的には感じましたが、実際のところはどうなんだろうか。。

  • リクルートのBizDevノウハウについて、なかなか言語化しづらいであろうエッセンスが実践論ベースでうまく表現されていて、非常に参考になる一冊。

    この本の記載事項は、日々の業務でも意識したい。
    【特に学びになった点】
    ・価値KPI(=結果に最も直結するKPI)・価値マネの考え方。KPIの設定に時間をかける場面は多くないイメージだったため。「このKPIを達成すれば事業は絶対うまくいく」というところまで落とし込むことで道標ができるし、何よりビジネス拡大のための"集中力"が生まれるのだと感じた。逆に言えばそれほどの集中度がないとビジネスの浸透は難しいのだと思う(そして多くの場合集中度は足りていない)。
    ・テストマーケティングの結果分析・軌道修正は、当事者だけでなく経営(タテ)や他部署(ヨコ)と共有してノウハウを結集して磨き込んでいくのが当たり前であること
    ※単なる報連相ではない!「現場の最新の情報、生の声と、経営陣に蓄積された経験や知恵をつないで回していく」!!
    ・マネタイズの本気度・解像度が高いこと。以下の点が抑えられていないとマネタイズとはいえない、というのは世の中のBizDevもどきの提案者(自分を含む)に聞かせたい
    ①そのサービスに対して誰がお金を払ってくれるか明確であること
    ②ペルソナがどのお財布から払ってくれるかが見えていること→特に楽観視しがちなところ
    ③利益を生むオペレーションモデルが有ること→コスト優位になれる?継続・拡大できる?
    ※ちなみにR25は驚異的な流通量を見せたが、勝ち筋を見いだなかった(=マネタイズできなかった)ことから撤退した
    ・「お前はどうしたい?」を問いまくることで圧倒的当事者意識が生まれていく
    ・「ナレッジを吐き出す人間は、周囲からかっこいいと称賛される風土があるので、PDSもスピーディ出し素早く型化されていく(これは今の出向先でも感じるし、出向元では感じない。。)
    ・結局、挑戦をたたえ、変革を尊ぶ人材がいない限り、新規事業は成功しない。「リクルートだからできるんじゃ?」って思っている時点で、自分の会社にそういう人材がいないことを表しているのと同義。

    【メモ】
    ・リクルートの凄さは0→1だけでなく1→10までもやり抜く風土やノウハウが確立していることにある
    ・新規事業で陥りがちな罠
    ①PDSのPに時間をかけすぎ
    ②テストマーケをしても計画を変えられない
    ③計画の詰めが甘い(仮説が楽観的すぎる)
    ④経営も当事者も本気度が低い(少しでもうまくいかないときに物言いがついたり、決済が下りない)
    ⑤うまくいかないときに撤退できない
    ・0→1ノウハウ
    不の発見、テストマーケ、New RING
    ・1→10前半ノウハウ
    マネタイズ、価値KPI、ぐるぐる図
    ・1→10後半ノウハウ
    価値マネ、型化とナレッジ共有、小さなS字を積み重ねる
    ・不の見極め方
    ①見過ごしがちだが誰も目をつけなかった不であること
    ②その不は本当に世の中が解決を求めていること。既存の産業構造を変えるほどの可能性があること
    ③不の解消が収益につながること
    ・集めたアイディアを磨き、育てるインキュベーションの仕組みがないと、ビジコンやって終わりになってしまう
    ・KPIは目先の収益のためではなく、そのビジネス全体の勝ち筋に結びつけて設定すべき(例えばHPBのサロンボードは、広告売上からボード活用サロン数&予約数にKPIを変更した。)
    ・価値KPIが見つけられない限り、フィジビリは終われない(というかフィジビリできたかどうかの判断がつかない)
    ※ちなみに、価値KPIは往々にして短絡的に「最後のステップの指標」にしてしまいがちなので注意
    ・「価値KPI見つけてそれに集中する(価値マネ)」以外に1→10の方法はない
    ・KPIが念仏になるくらい「型化」すると、やりきるための集中力が生まれる
    ・「価値マネやり抜くフェーズ」では毎日・毎週レベルで数字をチェックして「なぜ伸びたのか/伸びなかったのか」のなぜなぜをひたすらすべし

  • 確かに書いてあることを実践すればリクルートじゃなくても出来るんでしょうね。けど、なんかその気になれない本。

  • 再現性のある仕組みを上手く捉えて、言語化・構造化できていて、素晴らしいと思った。とくに KPI 設定の部分は腑に落ちる感じがあった。

  • 抽象化までやった上でノウハウ共有する仕組みは見習いたい。

  • リクルートの新規事業の仕組みに関する本。

  • リクルートはの転職を考えており、事業理解のため購入。
    理解が深まっただけではなく、今後働き続ける中でも非常に背中を押されるような内容であった。
    どこの会社に行ったとしても、リクルートのノウハウやマインドを心に留めて働きたいと感じた。


  • やらないことを決める!!


    この本で一番大事なのは「不の発見」ではないか。
    事業開発の基本だが日々の現場では、往々にして忘れられてしまうものでもある。

    社会における「不便」「不満」「不安」の解消が、自社が考えるあるべき社会の姿を実現するための手段となる事業を見つける。

    「市場規模」100億以上、「ユニークかどうか」国内初、世界で初、「志」真に解釈すべき「不」存在しているか

    R25は捌け率が90%を超えていたが、物流、維持コストなどのオペレーション費用を回収できず、マネタイズするまでには至らなかった。

    KPIに必要な3条件
    ①整合性=最終的な目標に向かって、ロジックが通っているとこ

    ②安定性=KPI指標が安定的、継続的にとれること。

    ③単純性=指標が少なくおぼえやすいかどうか

  • リクルートを成長させ続けているのは1→10フェーズの爆発的な拡大再生産。事業をスケールに導く「価値KPI」に辿り着くために高速の検証サイクルを回し、S字成長を繰り返している。

  • 定期的に読んで基本的な型を完璧に身につけたい

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著者プロフィール

早稲田大学ビジネススクール教授。東京工業大学工学部卒。慶應義塾大学経営学修士(MBA)。株式会社日本交通公社(JTB)を経て1994年ボストン コンサルティング グループ(BCG)入社。2006~2013年BCG日本オフィス責任者、2016年~2020年同日本代表、2023年より同シニアアドバイザー。2020年より早稲田大学ビジネススクール教授。コンシューマー系ビジネス、消費財・流通、メディア・通信、産業財等の業界を中心に、企業変革、デジタルトランスフォーメーション、グローバリゼーション、新規事業開発、組織・ガバナンス改革、マーケティング・営業戦略等のコンサルティングを数多く手掛けた。主な著書に『リクルートのすごい構"創"力』『プロフェッショナル経営参謀』『BCG流戦略営業』(いずれも日本経済新聞出版)など。

「2023年 『10年変革シナリオ 時間軸のトランスフォーメーション戦略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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