- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532199944
感想・レビュー・書評
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絵で書いてイメージを固める
文字情報より視覚情報のほうが複合的にとらえられる
プロトタイプをまず作り議論する
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「21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由」の増補改訂版。基本的な内容は同じですが、現在の課題感や状況に合わせた事例が追加されています。事例や解説がわかりやすいので、復習にどうぞ!
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デザイン思考で課題を解決するための、かなり細かいノウハウが書かれている本!
読むとデザインスクールに通いたくなる一冊 -
あとがきをよんでようやく以前読了済みであった「21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由」の文庫版であると気づいたがときすでに遅し。。。二度目の読書となった今回もやはりデザイン思考は難易度高い、の想いをますます強くしました。
で、今回なんですが、本文よりも水色ページのコラム部分の内容のほうが強く印象に残る結果に。とくに川喜田二郎氏の日本人の思考特性とデザイン思考における利点・欠点ついて(原文ではKJ法について語っておられたが著者が語句を入れ替えデザイン思考についてのコラムに一変させた内容)書かれていた部分が印象的でした。土壇場では自分の過去の体験に根差した実感を根拠に行動してしまうというクセみたいなものがある、という部分、非常に思い当たるといいますか、理論や科学的エビデンスによらない判断や行動という面では昨今の政府のコロナ対応がまさに”それ”ですね。
あとは終盤で著者が語っておられた自分が好きで「これをやり遂げたい」という想いにあふれたテーマを取り扱わないと仕事として楽しくない、というような内容があり、これも非常に納得。そうしないと新しくなにかを生み出すこともできないし、そうした行為自体が楽しくない、前向きに取り組むことができないということで、いわゆる内発的動機づけに乏しい、と。デザイン思考どうこうは抜きにして日頃の仕事への関わり方という点で、ほかの本でも似たようなことが書かれていたのを思い出し、いろいろと考えさせられる内容でした。 -
2021.08.29 復習と深掘りになった。後半の経営とデザイン思考の関係はとても同感できる。よく理解できた。
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デザイン思考をビジネスに活かすという視点で書かれた本。著者はデザイン思考が流行るか流行らないかの当たりから、ビジネスを経験した上でデザインスクールに通っていたそう。現在は戦略デザインファームを設立している。
MBAでの学びの価値が薄れているように感じるけど、デザインはまだまだ伸びしろがある、というか重要だと認知されながらも経営に落とし込めてない印象がある。デザイン思考の書籍の先駆けとなった「デザイン思考が世界を変える」と比べると、かなり読みやすく体系的に理解しやすい。ロジカルシンキングで論理的な課題解決手法をある程度体得してからこういった思考法を身に着けると、柔軟な課題設定・解決ができるようになると思う。クリエイティブな思考法を身につけるため、あるいは他者のクリエイティブなアイディアを活かす(潰さない)ため、ぜひ読みたい1冊。
以下、備忘録。
■概要
・デザイン思考の5つのステップ: ①共感→②課題設定→③アイデア発想→④プロトタイピング→⑤検証
・イノベーションを担う3つの輪
①構想(デザイン): 人間にとって望ましい姿を構想する
②実現(エンジニアリング): 再現性をもって実現することを可能にする
③商売(ビジネス): 社会にとって影響力を広げていく商売の仕組みをつくる
→3つの輪の協働でイノベーションが起きる
・デザイン思考が役立つのはゼロイチ
■思考法
・インプット: テキスト情報より情報量の多いビジュアル情報(画像、動画、現場)をインプットする
・ジャンプ: 発想を飛躍させる(新結合、アナロジー思考、前提を壊す思考)
・アウトプット: シンプルに感情に訴える(凝縮フォーマット(1枚で書く)、メタファー(比喩)、ストーリーテリング、体験デザイン)
・思考の前提: 情報の厳密性、網羅性、論理的つながりを重視しない
■マインドセット
・作ったもの(プロトタイプ)をもとに議論する。不完全でも早く作る
・安く・早く実現するため、実現性(機能や価値が表現されているか)と解像度(外見のデザインが最終形に近いか)の視点で要求する完成度を下げる
■プロセス
・デザイン思考での企画:
- 無意識に感じる課題(ニーズ)や、やりたいけれどできないこと(ウォンツ)からスタート
- 生活者目線で課題を探索
- アジャイル型で得たヒラメキを形に落とす
※試行錯誤しながらユーザー視点で課題を徐々に進化させる
・典型的な企画:
- 周りにあるシーズ・ニーズを元にしたテーマからスタート
- ターゲットユーザーへのリサーチを元にテーマを微修正
- 具体的スペックなどをウォーターフォール型で詰める
・リサーチ(旅人)→分析(ジャーナリスト)→統合(編集者)→プロトタイピング(クラフトマン)の4つのモードを切り替えながら思考する
①リサーチ(具体×知る):
- 知的好奇心に素直に、目耳鼻口で現場の雰囲気を感じる。メモや写真に残す
- ユーザーの生活文脈を感じ、気持ちに共感する
- 厳密さにはこだわらず、直感も取り入れる(ヒントを見つけるのが目的)
- 企画: インタビュー対象者は、属性ではなく具体的な人から選ぶ(極端な対象者など)
- 実践: デプスインタビューやエスノグラフィーを用いる。メモや動画のタイムラインへのコメントなどデータ化する。インタビュー手法を駆使して、相手の生の感情を引き出す
②分析(抽象×知る):
- 左脳を使い、得られた情報に自分なりの解釈を加えて整理する
- 共感マップを用いる(Say/Do、See、Think/Feel、Hear、Gain、Pain)
- 事実と解釈を混ぜないように注意する
③統合(抽象×作る):
- 右脳を使い、集めたインサイトを繋ぎ合わせ、1枚絵やキャッチコピーに凝縮する
- KJ法、ペルソナ、カスタマージャーニーマップ(ユーザーの行動に沿った感情の起伏、サービスとのタッチポイントをまとめる)を用いる
- 焦点を絞り、不要な情報を捨てる
- 何が本当の課題か、本質的な解決策は何か、を多くの情報からいろいろな切り口で見直す
- ステレオタイプ化された日常をユニークな視点で切り取って編集する
- バイアス(無意識に置いている前提条件)を壊す
④プロトタイピング(具体×作る):
- スケッチブックや工作機械で具体的なかたちにする
- リサーチ対象者がハッピーになるシーンをイメージしながらスケッチに落とす
- ユーザーの行動シナリオに紐付け、サービス体験としてストーリー化する
- 手を動かしながら考えて、検証・改善を加える
・課題を自分ごと化して捉え、解決に向けて待ち受ける様々な課題に打ち勝つ。チームに落とし込むため、「How might we ...」から始まるスローガンで課題に魂を込める
■ツールと環境
・ポストイット、スケッチブック、ホワイトボード、プロジェクトルームを活用する
・思いついたことをすぐにアウトプットする、日常的にアイディアに触れる、チームメンバーでクイックに議論する
■キャリア
・構想(デザイン)、商売(ビジネス)、設計(エンジニアリング)の領域の交点に新たな職業・キャリアが生まれる
■経営
・デザイナーを社内外の組織の壁を越える共創ファシリテーターとして活用する
■幸福
・人中心に考えることで日常の考え方も変わる。日々の生活の中で自分が触れる情報が創造の種になる -
自分の肌には合わないなと感じる内容が多い。本の良い/悪いに関係していることではないけど。