- Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532261191
感想・レビュー・書評
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鬱とかで仕事はおろか日常生活すらぼろぼろに崩れてしまう姿は何度か見てますが、そのたびに心が痛みます。
会社も産業医も十分な対策が打てない実状を見ているので、勉強してものにしたい願望がとてもあります。
この本では新型うつについてかかれてます。2、3冊こういった本を読みましたが、一番分かりやすくかつ深く掘り下げてるように感じました。
新型うつは従来の鬱と、適応障害と、パーソナリティー障害が重なりあったもの。となれば治療の手助けになりうるのは
①専門家でかつ相手の立場、考えを理解しようとする姿勢を持った人
②気心の知れた友人で、病気に対する知識を勉強してる人
のどちらか。
①はむりでも②にならなれるし、こちらの方が普段から近くにいるので、未然に防ぐことができるかもしれない。だから、こういった本は是非とも会社員の人に読んでほしいと個人的には思っています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
内容的には目新しいことは無いのだろうが、具体的な事例が豊富でなるほど感が上がる。うつ状態に陥りうる立場としても、陥った人を見守る立場としてもとても参考になる本だと思う。
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新型うつは若い人に多いと思っていたが、年齢が上の人にも発生し得るということらしい。パーソナリティの問題は僕も知識として知っていたが、うつとの関連が問題を解く鍵になっていたとは知らなかった。
読んで良かった。 -
最近軽い鬱かなと思い手にとってみました。非常に読みやすいので「新型うつ」を学術的に研究する本ではありませんが(みればわかりますが)コンパクトにまとまっている入門書です。不況→職場でいきばを失う→どうすればいいかわからない→「新型うつ」ですか。
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従来型うつと比べて分かりにくく単に怠けているだけのようにもみえる新型うつについて、産業医の立場から書かれた良書。
何が違うのか、どう対処すれば良いのか、などがコンパクトに見取り図として提示されていて、これぞ新書というまとまりの良さ。
患者本人にも周囲の人にも医師あるいはカウンセラーにも、誰にもおもねることなく、治療に必要な分析と処方(カウンセリング)を提供し、それでいて暖かみと真剣味があり、類型や典型ではなくて個人に届くことばを持っている。 -
著者の講演を聞く機会があり、その際に貰ったので読んでみた。いわゆる「新型うつ」を従来の鬱病と適応障害(または適応の問題)、パーソナリティ障害(または性格の問題)の混合であると分析し、鬱症状に対しては投薬と休養を、適応障害に対しては異動やキャリア・チェンジなどの環境調整を、性格の問題に対してはカウンセリング、認知療法、ソーシャル・スキル・トレーニングなどを実施すべきであると説く。
「新型うつ」は、叱責や挫折、困難へのチャレンジなどの経験が少ないまま社会人になってしまった子供が、新しい環境への不適応と未成熟なパーソナリティに起因して鬱症状を呈するものと分析する。しかし、現在、企業や医師の「新型うつ」対策は「鬱症状対策」の領域に留まっており、投薬と休養による治療はまったく効果を上げていない(どころか、自愛的なパーソナリティ障害を増長させて逆効果になっている)。「新型うつ」に対しては、上記のような多面的なアプローチが必要で、特にパーソナリティ障害にアプローチして、患者本人を人格的に成長させなければ、根本的な問題は解決しないと説く。
さらに著者は、従来型鬱についても、職場復帰に失敗したり、再発を繰り返すケースには、この多面的アプローチが有効であると主張する。また、新型うつになりやすい未成熟な大人は今後も増加の一途を辿ると考えられるため、多面的アプローチができる知識と経験を有した産業医(または担当社員)を育成することが急務であると提言している。