ユーロ破綻そしてドイツだけが残った
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2012年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532261788
感想・レビュー・書評
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ユーロこのあとどうなんの?が知りたくて手に取った。
やはり近い日にちの物でないと、先は見えない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ユーロ危機が深まるに連れ、つねづね一番の課題はドイツが歴史上初めてヨーロッパ圏の筆頭国になったこと、にもかかわらずその覚悟に欠けると見受けられることだった。筆頭国になる(帝国システムの担い手になる)のはいろいろ物質的、精神的に大変なのに、周囲の二番手国民あたりはそんなことも知らずに、あれこれイチャモンをつけてしまうわけである。というわけでドイツには同情を禁じ得ないが、そもそも英仏の覇権に挑戦して、筆頭国になるために二度も世界大戦を起こしたのはドイツ自身なんだから、こんなことになる前にもうちょっと心の準備をしておけよ、と指摘したい。ちなみに本書の結論はドイツが最終的に芋を引いてユーロが崩壊する、であるが、私個人の予想はドイツはそこまで思い切ったことが出来ずますます危機が長引くとしたい。それをもってドイツやフランスの政治家が日本のそれよりマシなんて言う幻想がさっぱりと消えて、日本国民に自分たちの課題に集中する気構えが出来ればそれだけでユーロ危機の価値はあったといえよう。
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レバレッジの民間と政府の比率は相互補助的。
危機は2回ともアメリカからヨーロッパへ。
アメリカにおける借り手別(日金融企業、家計、金融機関)の負債の合計がGDPの250パーセントくらいになった時時、世界恐慌とリーマンショックは起きた。
経済が成熟してくると、社会の中で資金は余剰感が強まる。非金融業企業は内部留保を増やす。リスクプレミアムを取られたくないから。
そうなると社会全体として余ったお金は不足している国に向かう。
為替レートは安定すると国際投資が増加してしまう。
それがアンバランスの始まり。
南北格差(特に同国内)があり、労働組合などによって賃金格差がない場合、南での賃金上昇スピードが北よりも速くなり、南北でインフレ率に差が出てしまう。インフレ率に差があると、北で資金を借りて南で物をバイアンドホールドする裁定取引機会が発生してしまう。
これは南でのバブルを生む。
これがユーロ全体の単位で起きていた。
新聞などに載ってる細切れの情報が一つにまとまって、さらに考察が加えられている。
EUのアンバランスさが浮き彫りになる本。 -
第一章、第八章は説得力ある
ただ、問題の本質はどこにあるのか
それは、哲学の問題か? -
難しい。ただ、ユーロのメリットやデメリットはわかりやすく書かれている。円高になった理由がなんとなくわかった。
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1/20
よくわからんが、ユーロに未来はなさそうだ。 -
知らないことが多すぎた。
ドイツの経済力はユーロ圏では圧倒的
経済が成熟した社会では製造業は銀行から金を借りず
社債などによって調達する。
そのためドイツの銀行はリスクのある
他の国の製造業に貸さざるを得ない。
同じユーロ圏でもインフレ率に差があるため、
通貨が同じになると
インフレ率が高い国(南欧)の物が高くなるため
国際競争力が落ちる。
GIIPS(ギリシャ、アイルランド、イタリア、ポルトガル、スペイン)が破綻しないのは、
自国でユーロを印刷できるから
破綻しかけの国でユーロを使いまくったツケは
自国では返済できるはずもなく
最終的にはドイツが間接的に負わなければならない。 -
内容が結構濃いのでページ数の割に読むのに時間がかかってしまった。
共通通貨の問題点の分かる良書だと思います。