「30分遅れます」は何分待つの?経済学

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532261801

感想・レビュー・書評

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  • コミュニケーションデザイン学科とか会計ファイナンス学科など、大学の学科に聞きなれないものが増えてきている昨今、経済学においても行動経済学、実験経済学、神経経済学、経済物理学といった聞きなれない(というか何かが付加された)経済学があるようです。これらの先端の経済学を易しく解説してくれるのがこの本です。学者ではなく、ジャーナリストの方が書いているので、ツカミもナカミも分かりやすくて面白いです。

    特に印象に残ったのが、「人は相手の何手先まで読めるのか(読むべきか)」という、実験経済学のお話。

    さて、ここで問題です。数字当てゲームです。

    投票用紙があります。そこには、「1から100までの好きな数字を書いてください」と書いてあります。この投票用紙を合計して、その平均値に0.7をかけた(乗じた)数を投票用紙に書いた人が勝利者です。

    この問題に、あなたはどのように答えるでしょうか。

    その解答は本書で・・・

    といっても読まない人のために、簡単に解答を。

    その前に、まず自分の投票用紙に書いたものが自分の解答になるということに注意してください。つまり、結果的に、みんなが当てにいくわけですから、ランダムに数字が投票されるとは限らない、ということです。

    これを踏まえて、まず、よくある答えは35です。1から100を平均すると50。それに0.7をかければ35です。だから35。

    さて、ではみんながそう考えて35に投票した場合、どうなるでしょうか。そうすると35✕0.7=24.7となりますね。そして、これを無限に繰り返していけば、無限に0に近づくということになります(理論値は0ということを意味します)。

    したがって、この問題の解答は、要するにその集団が何手先まで読むのか、というのを当てるゲームということなのです。どいつもこいつも頭が悪そうだと思えば35に近い数字が正解になるでしょう。また、理工系の学生に対して実験すれば、より小さい数字が正解になるでしょう。

    このように、初めて問題を聞いたときの問われていることの意味と、解答を聞いたときの問われていることの意味が変わったなら、僕の解説がうまくいったということになるのですが、どうでしょう。

    このように、具体的な例をもとに最新経済学に触れることができるのが、本書です。

  • 経済学をわかり易い例をもとに噛み砕いて説明してくれているけども、例の数が少なく感じた。
    経済学をもっと網羅的に説明してほしかった。

  • 読みやすい。分かりやすい。

    分量としては少ないぐらいなのに、多彩な内容をすっきりまとめているところが非常によい。

  • 身近な事例をもとに、経済学のエッセンスを紹介する。乗数効果、不確実性、予想の自己成就、流動性の罠、など。

    作家、サイエンスライターさんによる、趣味の経済学、とのこと。理論ではなくまず現実ありき、の視点。

  • 私には結構難しかった。

  • 本の題名にあるように、日常生活でよくあることを経済学の視点から説明してくれる本。

    時間管理の問題と乗数効果を読めば、本のタイトルの答えが導きだせる…ような気がする。

    さくっと気楽に読めます。
    あらゆるレビューで、経済学の知識を得ようと読んでがっかりな感じの感想を見かけましたが、こういう系統の本に学問的な知識を得ようというのはどうなんだろうと逆に思いました。
    学問的な知識を身につけたいのであれば、分厚い専門書を読むべきでは?

    あくまでも、こういった系統の本は、「そっか!なるほど!!」的な補足的に読むものだと思います。

  • 日常生活や人間心理に関する経済学の分野への興味は湧くが、限りなく日常に近いところに留まる内容。もう少し経済学の深い知識と日常を結びつけてくれると(勝手に)思い込んでいたので少し残念だった。乗数効果とラストストロー現象はおもしろくて使えそうな考え方だが、本書1冊を読了して経済学の何かを得たという感想は持てなかった。こういう考え方が経済学に必要なのだというメッセージなら、伝わったと思う。

  • さっと読めたけど勉強になった お寿司とオークションの話が印象に残った

  • ■経済

    A.締め切りを守ってもらう方法:開始日をコミットしてもらい、その次に何日後にできそうか、コミットしてもらう。

    B.保有効果:自分の持っているものは、他人が持っているものより価値があると認識する。

    C.企業が設備投資をすると、デフレ下では痛い目にあいます。資産が消耗して価値が失われていくのに加え、デフレによる資産のプライスの低下がのしかかってきます。

    D.ケインズ:個人のお金は使えば減りますが、他人のお金を増やし続けていって、全体でみるとお金が増える。

  • 難しいものと思っていた経済学も身近な行動を説明する分野があることに驚き。

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著者プロフィール

経済評論家、作家。
大手メディアグループ経済系・報道系記者/編集者、ビジネススクール研究員/出版局編集委員、民間企業研究所にて経済学、経営学、社会学、心理学、行動科学の研究に従事。著書に『経済学的にありえない。』など。コラムも多数。

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