資本主義がわかる本棚

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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本棚登録 : 110
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532262983

作品紹介・あらすじ

文学、社会学、哲学、宗教、科学史…幅広いジャンルの本を読んでいくと、あるときふと、点と点がつながって、一つのテーマが浮かび、形になる。ブローデル『地中海』、シュミット『政治神学』からピケティ『21世紀の資本』まで、「資本主義の終焉」を唱える著者が、53冊の書評から、グローバル資本主義の命運を占う。

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/685132

  • 資本主義について深く知るというよりは、あまり知らない人が触れてみるのに向いている。水野和夫氏の著書を読むきっかけに。

  • 自分とは全く違う畑の経済であるが、社会学から誘引されここに行きついた。経済にまつわる本や雑誌を読んだことがないわけではないが、特に資本主義の原理と歴史が頭に入っていないためわかるようでわからない。あるところまでは理解できていたつもりが、一つの概念をもって自分の中の構造が乱れていく。要するに勉強していないからそういうことになる。

    そういうわけでその手掛かりとして本書から取り組むようにした。資本主義を理解するための本棚、というコンセプトで数十冊の書籍が並べられている。知っている本すら数冊で、持っているものとなればピケティだけ、読んだことがあるものに関しては皆無であった。それが逆に刺激的。必ずしも経済を直接語っているものばかりじゃないところがいい。とりあえずここからいこう、と思えるものが数冊見つかったので、頑張ります。


    17.8.23

  • コペルニクス「天球回転論」(1543年)からニュートンの「プリンキピア」(1678年)までの150年間に、近代科学の成立とそれに伴う知的変革が起こった(野家啓一「パラダイムとは何か」)。

    1987年2月のルーブル合意によって、これまで以上のドル安を防ぐために日独の協調利下げが行われた。9月にドイツは国内のインフレ懸念からアメリカの要請を振り切って利上げを実施したが、日本は超低金利を維持して、株価や土地のバブル化を招いた。ドイツは、この金融政策をめぐるアメリカとの対立から、1992年にマーストリヒト条約を締結し、ユーロ=ドイツ第四帝国の道を歩み始めた。

    数字で表すことができる科学は、お金で測った豊かさが手に入る進歩と整合性がある。これは、速くできること、手を抜くこと、時間を紡ぐこと、すなわち生きることに逆行する(「科学者が人間であること」中村桂子、「科学と人間」佐藤文隆)。

  • 大ベストセラーになった「資本主義の終焉と歴史の危機」の著者である水野和夫・日本大学教授が、朝日新聞と日本経済新聞に寄稿した書評と小論をまとめた一冊。重厚かつ読み応えのある本が並んでおり、できることなら、この本で紹介され本を全部読破したいと思ってはいる。しかし、この本で紹介されている本は、一般向けとは思えないほど難易も値段も高い本が多く、一般人にはおいそれと手が出せないのが現状だ。「資本主義は立ちゆかなくなる」と思うのならば、もう少し一般人向けに書かれた、安価で易しい本を紹介して欲しいなと思うのは私だけではあるまい。本書で紹介された本の中には、大学の授業で教科書として指定されている本も少なくないだろうが、1冊3,000円以上もする教科書を入手するのに、四苦八苦する学生の懐事情を、大学教員たちは慮ったことがあるのだろうか?メディアでは貧困問題や格差是正を訴えながら、自分の授業では、平然と高い学術本を教科書に使う著名教授。彼らの授業を受講する学生は「メディアではかっこいいこといっているのに、自分たちだって格差拡大に手を貸しているではないかと、冷ややかな眼差しを向けているに違いない。「『反安倍集会』を大学で開催しても、学生が参加してくれない」と彼らはこぼすが、その理由は自分たちにあるのだということを、よくかみしめてほしいものである。

  • よい読書ガイドになります。

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著者プロフィール

1953年愛媛県生まれ。埼玉大学大学院経済科学研究科博士課程修了。博士(経済学)。三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミストを経て、内閣府大臣官房審議官(経済財政分析担当)、内閣官房内閣審議官(国家戦略室)を歴任。現在、法政大学法学部教授。専門は、現代日本経済論。著書に『正義の政治経済学』古川元久との共著(朝日新書 2021)、『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』(集英社新書 2017)、『資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社新書 2014)他

「2021年 『談 no.121』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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