- Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532263126
作品紹介・あらすじ
上司がアドバイス上手、「頭のいい人」が周囲にそろっている、無駄口をきかず効率最優先…こんな職場こそ、実は心が折れやすい?数々の実例を知るプロカウンセラーが、パワハラや長時間労働だけではない、不調を起こす本当の原因についてひもとき、働きやすい職場とは何かを掘り下げる。
感想・レビュー・書評
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またしてもメンタル休職者が出たので購入。
仕事は優秀だがメンバーを不調にさせる課長により
これで5年間で4人目。
年若の課長に対して年齢が高いメンタル不調メンバー。
アドバイス上手なスピード出世課長が部下の心を折る
というやつでした。
結構当たっているのですが対策が抽象的なので★3つ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「心が折れる職場」の解決本ですが、どう向き合うのかどう解決するのか
という思いがあまり伝わってこず、ちょっと物足りなかった。
気になった言葉は
・異動や担当替えが多い会社は、心が折れやすい
・SEの方々がメンタル面で問題を抱える際に、原因となるのは仕事の内容面であることが圧倒的に多い。
業務上でのスキル不足からもたらされるストレスやプレッシャーが原因というケースが非常に多い。
・心が折れてしまう原因の1つには、「自分の頑張りを見てもらえていない」と感じてしまうこと。
・メンタル不調者が続出するのは、上司の叱責それ自体ではなく、プロセスを認めてあげる「フォローアップ」が足りない。
・どうすれば相手の話をしっかり聞くことができるか。
・仕事の実力もあって、なおかつ部下の面倒見がよく、しっかりと守れる上司は、スピード出席はなかなかできませんが、、コツコツと着実にポジションを上げていきます。
・部下のサポートには4つの基本。①情報面、②情緒面、③道具的、④評価面
・運動系の部活をしてこなかった人、趣味のない人は、不調になりやすい
・職場の満足度が高い人は、プライベートでの満足度も高い
・「自分はどんなふうに仕事をしたいのか」というキャリアアンカーを大切にする(内発的なモチベーション)
構成は以下です。
はじめに
1章 飲み会が少ない職場は危ない
2章 「アドバイス上手」な上司が部下の心を折る
3章 なぜ運動部を経験していないと、心が折れやすいのか
4章 90分のメンタヘルス研修で不調者が増える理由
5章 心が折れない職場とは?
おわりに -
新聞広告でタイトルに惹かれて図書館で借りた。さらっと読める。199頁に書かれてる内容はなるほどと思った。
以下メモ。
●自然と「飲みに行こう」と声をかけ合える職場は普段から気兼ねないコミュニケーションがある。
●会話から「いま、このような問題を抱える部下はどんな気持ちなのか」と相手の心情に思いを馳せるこのでコミュニケーションは成立する。
●親身に指導する上司が空気を悪化させる。
●「頭のいい人」が揃ってる職場ほどメンタル面での問題が多くなる傾向がある。
●ひとりでトラブル対処にあたる職業は要注意。
●心が折れてしまう大きな原因のひとつに「自分の頑張りを見てもらえていない」と感じてしまうこと。
●「自分は問題解決能力が高い、仕事ができる」と自己認識している上司が、悩みがある仕事上の問題を抱えている部下と話す際に、まず手をつけるのが「情報収集」。部下がどのような状況にあるのか、担当している業務には誰がどのように関わっているのか、業務で起こりうる問題とは何か。徹底した情報収集をしたうえで、部下が抱える個別の問題について「適切な解決策」を見つけ、それを実施するよう部下に「アドバイス」します。それはまるで能力がそれほど高くないコンサルタントのような所作。
●部下とのコミュニケーションは、対企業のコンサルティングとは違う。
●質問して答えてもらうというのも、下手なコンサルテーションに近くなってしまい、そこで受け取れる「情報」は必ずしも部下が話したい内容ではないかもしれない。
●サークルは「今を楽しむ」傾向があるのに対し、部活動は「目的に対して今がある」という違いがある。
●他人と比べずに過去と比べる。
●メンターは「新入社員が困ったことを相談できるマッチングシステム」ではなく、「メンター」という役割を果たすことでその人が大きく成長できるためのシステム。実施する企業が勘違いして「メンター制度は新入社員のためだけにやるもの」と思ってしまい、メンターになる側に自らの成長を意識させるということを行わないため、効果が表れないことが起きる。
●自分と立場が違う人にいかに自分の想いを伝えるか、相手に語ってもらうか、どういう人と関わっていくか、ということをメンターとして学ぶことで、自身がマネジメントする立場になった時に、大きく役に立つ。
●苦手なことをやらねばならず不調になった、のではなく、根本的な理由があり潜在的には意識しているが上司には絶対言えないことがある。それをきちんと認識していなかったためにきちんと向き合うことができなかったという本人のきっかけがある。
●「職場適応を考え、本人の情熱、仕事の内容、人間関係を把握するようにする」「いかに支援していくかのサポート体制をどう機能させるか」「本人自身の努力やストレス耐性を高める心がけ」この3つを合わせて60点くらいできれば良いと考える。それぞれが100点満点だったとしてそれぞれで20点くらいで良い。
●目の前の人をどれだけ尊重できるのか。しっかりその人の気持ちと向き合おうとしているのか。上司が部下と対峙したときに、その部下を産み育ててくれたご両親や配偶者や子供など家族を感じられるか。 -
モチベーションが生まれる源泉には大きく2つある。
外側から与えられるもの(外的な動機づけ)と
内側からあふれてでてくるもの(内的な動機づけ)
外的なものとして、具体的には職場の環境、作業状況、待遇、正真。
内的なもの、仕事が好き、達成感や満足感がある、仕事の意義を感じる、自分が成長できる、なりたい自分に近づける、というように自分の中から生まれてくるもの。
この2つを比べると、内的な動機付けのほうが、はるかにモチベーションに強い影響を与えることがわかる。
「自発的な飲み会」のない職場で、メンタル不調が多発する
職場でのコミュニケーションは2つの種類がある
①「業務上」
②「業務外」
業務上のコミュニケーションが十分でなければ、業務外のものはほぼ成立しない。
仕事で問題を抱えている部下がいれば、今の状況をしっかりと聞いて、「問題の原因は何か」「解決するためには何が必要か」「それは部下だけでできるのか」「自分(上司)はどんなサポートをするべきか」など、会話を通じて問題解決を図る必要がある。
ただ単に「こうしなさい」とアドバイスや指示をすればいい、これで業務上のコミュニケーションは十分だと勘違いしてはいけない。
会話から「今、このような問題を抱えている部下はどんな気持ちなのか」と相手の心情に思いをはせることで初めて成立する。
肝心なのは、飲み会や食事会の回数が多いか少ないかではなく、職場の人たちと、雑談を含め、「仕事の話が気軽にできる、あるいは仕事以外の話ができる空気があるか」
メンタル不調を抱えてしまう人がでてくる職場は、必要に迫られた「業務連絡」以外の話をしにくい傾向が大変に強く、場合によっては、「仕事の話すら、気軽にはしにくい」とう状況がある。
親身に指導する上司が空気を悪化させる
心に余裕がないから、そもそも映画や小説にふれようという気持ちが起こらない
論理的思考が重視される職場の欠陥
あまり論理的思考を重視する環境ですと、「同じ時間を使って本を読むのに、小説など読んでどうするのか。役に立たないのでは」という考えが支配的になってしまうのかもしれない。
メンタル不調を抱える人は、「正しい解決策」を欲しているのではなく、まず「このつらい気持ちをわかってほしい」と感じている
没頭して時間がすばやく過ぎ去ることを、心理的用語で「フロー」という。
フローの状態であれば、長時間にわたって働いても、心理面ではさほど苦痛とは思わない。
また、「やらせれている状態」ではなく、積極的に仕事に関与していることを「ワークエンゲージメント」という。
その対極にあるのが、「燃え尽き」を指す「バーンアウト
●社員間のコミュニケーションが少なくなっている
●社員同士の助け合いが少なくなっている
●上司が部下を育てる余裕がない
●仕事の意味を考える余裕がない
上記、業績が悪化している会社では、イエスと答える人が多くなる。
業績絶好調なのに不調者続出の会社の実態
A社「社員を大切にする」
B社「業績を上げて、採用人数を増やす」
というスローガン(経営理念)を掲げていた。
A社は社員に対して、まる一日単位のメンタルヘルス研修の機会を設けて、管理職向けのラインケア研修や、一般従業員向けのセルフケア研修を行ったり、傾聴力、自己表現力、モチベーション・マネジメントなど、応用編の研修を続けたりしています。
業務上で求められる技術水準にまで達していないことからもたらされるストレスやプレッシャーによって、メンタル面で問題を抱える(SE)
上司が発する「言葉」は、部下の心の健康を維持する上で、大変重要な意味を持つ。
部下が仕事をさぼったり、失敗をしてしまった際には、きちんと指摘、指導するのも上司の重要な役割。
問題は、部下が失敗した際など、ネガティブなメッセージを伝えなければいけない時に、それをどうフォローするか、できるかということ。
この点において、「言いっぱなし」のケースが多いので、部下の心は折れていく。
自分の仕事ばかり優先する上司の弊害
本当に正しいマネジメントの役割という意味で考えれば、上司は現場の仕事を持ってはいけません。
野球やサッカーの監督のように、1人ひとりの部下の個性をしっかり見極めたうえで、どのように有機的に結び付ければ、組織のパフォーマンスが最大化するかを考えるのが仕事。
それなのに、自分の(現場の)仕事にばかり集中して、部下のことに関心がいかない上司が多いので、問題が発生してしまう。
上司は自分の手を動かすよりも、メンバーのモチベーションを高め、スキルや知識の不足があれば、それを補い、行き詰ったメンバーがいれば、しっかりフォローする。これが本業。
部下との関係で、アドバイスを押し付けてしまう上司は下手なクライアントと同じ。
最低限、「部下とのコミュニケーションは、対企業のコンサルティングとは違う」というくらいの認識を持っておく必要がある。
問題や悩みを抱えた部下と接する際には、アドバイスの前の段階である、「会話」をいかに行うかが、大切なプロセスになる。
一番効果があるサポートとは、
部下のサポートには「4つの基本」が必要になってくる。
●情報面のサポート
知識や情報収集をベースにコンサルテーション的に解決法を示すこと
●情緒面のサポート
共感したり、努力に気づいてあげたり、見守ったりする。これを本人に伝えることで精神的な支えになる働き。
●道具的なサポート
部下がいよいご大変になってきたときの場面で必要となる、「直接的な手助け」
「自分でやってきなさい」と、突き放すのではなく、上司自ら手を差し伸べること。
●評価面のサポート
上司が部下に、業績の結果のみならず、しっかりプロセスを含めて、フィードバックを伝えていく。
上司が部下に適切なサポートができるようになるには、まず「自分が得意とするサポートは何か」を知ること。それによって、何が足りないか認識できるようになる。
そのことで「直接的な手助けも、上司がするものなのか」とか、あるいは「自分はアドバイスしかしていないけれど、精神的なサポートも必要だったのか」など、自分のスタイルを見直してほしい。
「趣味が少ない人」が不調になりやすい
画期的な成果を残す人は、仕事外も活発
職場の中で「叱責」が頻繁に飛び交うような状態
その指導は、部下のためか、上司の自己アピールか
絶対に口にだしてはいけないのは、他人と比べる言葉。
カウンセリングで目指すゴールは「まず本人が本質的にはスキル不足になっていることに気づき、それを直属の上司に伝えられるようにしましょう」ということになる
ほんとうに働きやすい、成果が出やすい職場の上司は、自分の、そして部下のキャリアについて正しい未来志向のマインドを持っている。
一番大切なのは、やはり職場のリーダーが「関わる気持ち」を持つこと。
1日かけて、知識や意識、意欲が強化されると、必ず行動変容が起こる。
上司が部下に対してどう行動するかー。そこを変えていくことで、職場のメンタルヘルス環境は大きく改善していく。 -
人と対峙するとき、その人個人の背景に家族があることを思い描けるか。それが出来れば、ときに相手に厳し過ぎたり、相手が不快に思うような…などなど、さまざまな過剰な言動を抑制することができると理解しました。
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文字通り、問題を抱える職場と、それへの対象法を指南した一冊。
この本は、新任管理職研修のテキストとして使用出来る良書だと思いました。
もちろんベテラン管理職にも読んで欲しいです。 -
結論から言うと、如何にコミュニケーションが取れるかだと思う。コミュニケーションの取り方も、仕事の問題点を指摘するのではなく、仕事の大変さを共感できることの方が重要かも。また、一緒に仕事をする等の相手とどれだけ同じ時間を共有できるかも大切だと思う。
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「心が折れる職場」 見波利幸
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上司がアドバイス上手、「頭のいい人」が周囲にそろっている、無駄口をきかず効率最優先…こんな職場こそ、実は心が折れやすい?数々の実例を知るプロカウンセラーが、パワハラや長時間労働だけではない、不調を起こす本当の原因についてひもとき、働きやすい職場とは何かを掘り下げる。
「BOOK」データベースより
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チームワークとか、働き方とか、女の人生とか、読み物ネタとして大好き。
ってことで、小説ではなく今度は新書で「働く」系の本を読んでみました。
作者は、エディフィストラーニングの首席研究員として、研修や講演、カウンセリングなどを行っている方です。
働く環境や、職場の人間関係の理想的なあり方ってのは、どの本を読んでもたいてい同じですね。たくさんそれ系の本を読んできたけど、言ってることはほぼ共通してる。だからもう「こうあるべき」っていう明確な答えはあるんだよ。
ただ、ほとんどが、そこにたどり着けてないだけで。
いっぱいなるほどポイントはありましたが、この本のなかで、特に「確かにー」と思った点をいくつか紹介します。
職場でのコミュニケーションは2つの種類がある。1つは「業務上」、もう1つは「業務外」。業務上のコミュニケーションが十分でなければ、業務外のものはほぼ成立しない。このポイントを押さえずに飲み会しても意味はない。
さらに、業務上のコミュニケーションについては、2つ種類がある。1つは問題解決が図れるように導く会話、もう1つは問題を抱えている人の気持ちをくみ取ること。どちらか一方でもかければ、業務外のコミュニケーションにはつながらない。
(P18-19の内容を要約)
↓
確かに。
特に納得したのは後半の部分の業務上のコミュニケーションについて。問題解決を図れるように導く会話をするのを取り入れてる上司・リーダーは割と多いと思う。でも気持ちをくみ取る方はかなり軽視されてる気がする。多分おんなじくらい大事だよね。辛いという気持ちは論理的思考から発生してるんじゃなく感情側から発生するわけだから、そこに論理を持ち込んでもあんまり納得感はないよね。
知的労働に携わる職場の方々の多くは、自分のことも、他人のことも、どうしても理詰めで考える傾向が強い。それが行き過ぎると、かえってメンタル不調者が多く生まれることもある。
最終的に理屈ではなく、誰かが困っている時に、「俺にまかせろ」という文化があるかどうか。それがある組織では、心が折れる人はあまり発生しない。
(P34-35の内容を要約)
↓
これも納得。助け合ったり相談しあえる文化があるかどうかでかなり違う。
1人で戦ってたら誰でも多分すぐに心が折れる。
部下のサポートには「4つの基本」が必要。
人によって得意不得意はあるけど、4つのサポートをバランスを考えて提供しないといけない。
・情報面のサポート
知識や情報収集をベースに、コンサル的に部下の仕事や悩みを解決する
・情緒面のサポート
共感したり、努力に気付いたり、見守ったり。またそれを本人に伝えて精神的な支えになる
・道具的なサポート
部下がいよいよ大変なときに必要とする「直接的な手助け」。上司自ら手を差し伸べる
・評価面のサポート
上司が部下に、業績結果だけでなくプロセス含めてフィードバックする
(P106-107の内容を要約)
たくさんあるけど書ききれないので、より詳しくしりたい方は読んでみてください。
でもトータルで言えることは、
「理屈だけじゃなく感情部分も同じくらい大事にする」
「相談できず1人で対処しないといけない環境はかなり危険」
「長時間労働そのものが心が折れる原因になるわけでなく、主体的に動ける環境か、やらされてる環境か、などの方がメンタルへの影響は大きい」
ってことかな。
タスクをこなせるか否かって、仕事の要素の半分くらいでしかないと私は思ってまして、あとの半分は人間的な感情部分とか、コミュニケーション部分だと思うんですよね。
さらに言うと一般的によく言う「仕事ができる」「仕事が早い」ってことでさえ、それをどう定義してるかで全然見方がかわるものだと思うんです。
そういうことをさ、子供たちにはもっと伝えていきたいな、と思ったりします。 -
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