- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532264482
作品紹介・あらすじ
鎖国下の100万都市江戸を襲うコレラ、インフル
八百八町を救うため、幕府が講じたあの手、この手
「度重なるパンデミックに対する江戸幕府の危機対応」をテーマに、様々なエピソードを通して幕府の危機管理(特に経済政策や福祉対策)の実際を解説します。
鎖国下の日本にも、長崎の出島を通してコレラやインフルエンザといった海外からの感染症が入り込み、パンデミックとなりました。特に、人口過密な大都市江戸での感染症大流行は、多くの人命を奪い、経済を大きく停滞させることに繋がりかねないものでした。
パンデミック発生に対し、江戸幕府はどのように対応したのか?
実は幕府には、感染症の流行だけでなく地震、火災、水害、飢饉など江戸を襲った度重なる危機のなかで蓄積された危機管理のノウハウがありました。医学的な対応は現代とは全く異なりますが、当時世界最大の都市だった江戸の経済対策や被災者(住民)の救援に関しては、現代に通じる対策が講じられていたのです。
コレラと安政江戸地震に見舞われた幕末は、東日本大震災後に新型コロナウイルスに襲われた現代と非常に似ています。
新型コロナ禍を乗り越えて、経済機能を復活・復興させていくためのヒントが、江戸時代に意外なほど転がっているのです。
感想・レビュー・書評
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外国と接する機会の増えた江戸時代、麻疹やインフルエンザやコレラによるパンデミックに対する幕府の対応が解説された一冊です。
“御救(おすくい)”という給付金制度や江戸時代版GoToキャンペーンの遊山奨励など、COVID-19対策と同様のものを江戸幕府が前例として行っていたことに感心しました。
医療水準は現在と違いますが当時の出来得る限りの手当があった背景には、町民や窮民による打ち壊しへの恐怖があると記述されています。
今の日本ではデモはあっても打ち壊しや暴動は発生しないでしょうが、だからといってその場しのぎの手当が正しいわけではありません。
太平の世は幕府が一所懸命に維持してきましたが、政府になった後は太平などあったのでしょうか。
災害の頻度と規模は今とあまり変わらないので、我々はまだまだ先人から教わる必要があると感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ふむ
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「この本に興味はある!けど、読む時間はない…」という方は、ぜひそちらにアクセスしてみてください。
KC>経営企画室>全グループ会社>05.読書会 -
<閲覧スタッフより>
今やコロナで社会が一変してしまったが、これは今に始まったことではなく、江戸時代でも定期的に天然痘、麻疹、インフルエンザにコレラなどがパンデミック化し多くの人の命を奪った。それに対して江戸幕府がどのような対策をとったのかが詳しく書かれている。生活が困窮している庶民の救済措置としてお金を配るなど、現在の政府と同じ対応をしていたことに驚く。今も昔も根本は変わらないということだろうか。
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所在記号:493.8||スス
資料番号:10257763
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東2法経図・6F開架:B1/9/448/K
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江戸幕府がパンデミックの際に行った経済政策について紹介されている本。
ただ、その内容は今で言う日雇い労働者である「其日稼」に給付金を出す、というのがメインなので途中で飽きてしまった。
それよりも、パンデミックと同じような大事件だった江戸の火事が、すべてをぶっ壊して作り直す雇用を生むので、火事を望むような人々の動きもあったというのが面白かった。
結局は、自分の生活が大事ですよね。
明日から緊急事態宣言。早く収束しますように。