- Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532313258
作品紹介・あらすじ
「便利で危険は株式会社」の本質をその起源から歴史的に説き明かし、証券市場をフル活用する新時代の企業のあるべき姿を示す。村上ファンド、ライブドア、スティール・パートナーズなど、相次ぐ大事件・裁判の真相を究明し、その是非を問う。不公正社会が生んだ格差問題の根源を解明。公開株式会社法と資本市場法の導入による「人間中心の日本型企業社会」へのパラダイム転換を提唱。これからの市民社会を担う社会人・学生必読のテキスト。
感想・レビュー・書評
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上村教授の、学者としての法の見方や見識が集約され、非常に面白かった。証券市場と市民社会が密接に関係していること、アメリカにおける証券市場の意味その他多くの目からウロコのことごとが含まれていた。15年前の本のため、今の時代を教授がどう語るか、次のご著書を読もうと思う。
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対話ではなく持論の展開が強いので、一般的な資本市場の原理に対するパブリックな視座、という目線で読むほうがよい。
余談だが、金子さんがちょいちょい社交ダンスネタを挟むのを上村氏が一切拾わないのが面白かった。
証券市場は、市民社会のためにある
Public Company (公共の会社)という責任は、市民社会を支えているという前提である。
市民→(断裂)→機関投資家→株主 という歪んだ構図が起きているのではないか。
確かに、機関投資家と対話する時、その出資者について考えたことはなく、ファンドマネージャーのことしか考えていない。
ただ、どういうファンドか確認したところで対話が変わるわけではないよなぁ。
「公正価格」って?
競争的であること。つまり流動性の高さ。
持ち合いなど硬直している部分、売買がない部分は価値が低いはず。
(ちなみに持ち合い株は、「出資の空洞化」である。従って不健全なB/Sが生まれる。)
流動性が高い上澄みの部分は希少性が高まり、価値が高くなるはず。
従って流動部と硬直部は価値が断裂している。
硬直部が流動し始めると、希少部分の価値が薄れて時価総額が下がるのではないか。
なので、持ち合いい比率の多い企業の時価総額は見せかけではないか?
会社の所有者とは一体誰なのか?
証券市場が発達するほど(HFT、デイトレ)、所有という概念は薄れていく
従って理屈上は株主総会決議事案はミニマムになるべきである
自己規律には内部通報制度が有効であるが、それには人材の流動化が前提である。
(村社会では村八分にされてしまうため)
スティールパートナーズ→ブルドックソース買収の件で高裁から「濫用的買収者」と認定された -
ファイナンスなどのクラスも踏まえ、会社は誰のものでどうなっていくのかという問いに興味があり読書。
やや偏りのある視点からの議論という印象。
事例など参考になる部分はあるが、議論の偏見偏りがすごい。
答えありきで、全くイーブンでない印象。保守的、既存支持的