任せる技術: わかっているようでわかっていないチームリーダーのきほん
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2011年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532316754
作品紹介・あらすじ
忙しくて教える時間がない、自分でやったほうが早い、失敗の責任を負うのがイヤだ…。そんな悩みを解決、さらに部下・後輩の育成に役立ち、自分のレベル・アップも図れる手法を伝授。
感想・レビュー・書評
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<b>【一口感想】</b>
「部下の仕事は今日の食いぶちを稼ぐことだが、上司の仕事は今日とは違う明日を創ることである」
<b>【3行要約】</b>
・部下に仕事を任せない上司は、高い給料で部下の仕事を奪うばかりか、未来を創るという本来の仕事を放棄している
・部下は任されてこそ育つ。上司も任せることで自分自身もリーダーとして育つ。
・任せ方の7つのポイント「無理を承知で」「何を任せるか見極め」「明確に任せると伝え」「ハードルをギリギリの高さに保ち」「限界まで口出しをガマンし」「定期的にコミュニケーションを取り」「仕組みづくりをして支援する」
<b>【所感】</b>
私が「任せる」シリーズとして読み込んできた4冊の本に加える最後の1冊が、最終的には集大成かつ最も日本人にぴったり寄り添う内容だったことに正直驚いた。
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リクルート社勤務を経て組織人事コンサルティング会社を経営している著者が、自分自身の成長の経験と、3万人以上もの管理職に会いコンサルティングをしていく中で集められたデータが、この本で訴えられている内容の正確さを裏付けている。
日本人は真面目で、仕事の結果よりも取り組んでいる姿勢を重視する傾向から、上司が仕事を任せにくい環境にあると思う。というのも、本来上司は、部下に仕事を任せ、問題が起きた時に責任を取る腹を括り、空いた時間を部下やチーム、部署、そして会社の未来を支えるために「今日とは違う明日」を作り出すための時間にあてるべきだ。具体的には、新しい情報のアンテナを広げ、他者の情報も業界状況も拾い、別の視点からプロットを出す。必要なら組織を変え、ルールを変え、ビジョンを描いて外に発信する。業務をこなすことで評価を得るのではなく、業務をこなす人をどう動かしていくかを導いていくのが上司の役割だ、と著者は語っている。
これをやれる覚悟のある日本人はなかなかいない。なぜならそれは外部から見れば直近に見えている業務や問題に対して、何も行っていないように見えるからだ。
しかし、デキる上司は違う。
セーフティネットを張りながら、日々の業務を責任を含めて部下に預ける。預けられた部下は業務ではなく責任ごと受け取るので、その業務をスムーズにこなすための調整作業や、それによって生じた問題の解決に至るまで、基本的には任された本人自身が行う。上司は部下が働きやすい環境を「見えないように」整えてあげるようにし、部下は仕事を命令されたものとしてではなく、自分自身のものとして解決していく。
もちろん、これまで優秀なプレイヤーとして評価されてきた上司自身も変わる必要がある。これは部下という立場から上司という立場に職位が変わったように、部下をを持つということは上司という業務にシフトチェンジする必要があり、その変わった環境に慣れていくための成長が必要なのだ。
この本には、そのために必要なステップや項目が、実例をもとに描かれている。
しかもすべて日本人の例なので、日本人にとっては共感できるポイントが多い。
著者が言う、任せるための7つのキーポイントは下記のようなものだ。
<u><b>人を育てる任せ方 7つのポイント</b></u>
<b>?ムリを承知で任せる:</b>できるようになってから任せるでは遅い
<b>?任せる仕事を見極める:</b>作業を渡すのはNG。責任ごと渡す。適任にリーダを任せる。
<b>?「任せる」と伝える:</b>自分の意思で受けることを決めさせる
<b>?ギリギリまで力を発揮させる:</b>ハードルは超えられる限界点を目指す。相手をプロとして尊敬する
<b>?口出しをガマンする:</b>できる限り手を貸さない。転ぶのを見守るくらいでいい。
<b>?定期的にコミュニケーションする:</b>伴走しながら定期面談。
<b>?仕組みを作って支援する:</b>戦うための武器を用意してやる。お膳立てをして創造性を助ける。
具体的には本書を参考にされたいが、これまで読んできた4冊の中で繰り返し語られてきた「任せなければ人は育たない」ということの裏側にある「人を育てるための覚悟」とはなんたるかがよくわかった気がする。
究極的に言えば、上司は業務執行を可能な限り持たないで済むよう部下を導き、自分はその部下が働きやすいように徹底的にバックアップに回ることが「育てる技術の極み」なのではないだろうか?先頭に立って模範を示すのではなく、部下が前に立てるよう、時には伴奏し、時には背中を押し、精神的/組織的にお膳立てをし、動き出せるようになったら絶対に死なないように真後ろから、見えないように守ってやる。そういう覚悟が必要なんだろう。
優秀なプレイヤーが優秀な司令塔になれるとは限らない、と良く言うが、これは技術者がCTOに上がるためのまさにジレンマ。技術者として優秀であればあるほど、そしてそれが社内外に有名であればあるほど、優秀な上司になるためのハードルはとても高くなる。
「本当の意味で上司になるためには?」
この言葉は当分の間、僕の心の中のテーマとして流れていくことになりそうだ。
<b>【自分向け読書メモ(Evernoteリンク)】</b>
[more]
<a href="https://www.evernote.com/shard/s33/nl/3445181/41b6cb19-fc51-4c18-9a25-75eaaa89e5e7?title=%E4%BB%BB%E3%81%9B%E3%82%8B%E6%8A%80%E8%A1%93
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『感想』
〇部下に任せる技術について書かれている。途中著者の失敗経験を引き合いにしながら書かれているところは現実感がありよい。
〇こういうのは絶対的な正解はないものだから個人でよいと思った部分を参考にしていけばいい。
〇緊急でないが重要事項を、実質上司が締め切りをつくることで緊急で重要な事項に変えるところはどうかと思った。確かに締め切りがないと後回しにしてしまうところはあるが、重要なところにどう時間をつくって取り組むか、そのために基本短期的な成果しか生み出さない緊急事項をどれだけ素早く処理するか、そもそも緊急事項にしないかを学ぶことが大切かと思う。最初にこの表をつくったと思われるコヴィー氏もそう言っている。こここそ我慢して手を出してはいけないところだ。
〇まとめがない。まるで予定されていたページ数が来たのでそこで止めたように。最後にまとめた成果と課題なんかがあるんじゃないかな。
『フレーズ』
・上司が成長しない限り部下は成長しない。目先の仕事に汲々としていた上司が、ゆったり構えて未来づくり、環境づくりに集中する。そうすれば、部下はより良い環境の中でのびのびと仕事ができるようになるだろう。上司から自分の仕事を奪われることもない。上司の成長が部下の成長をさらに促すのだ。(p.38)
・「やりがい」とは、楽ちんな仕事を通じては手に入らない。「やりがい」は壁を乗り越えた向こう側にあるものだからだ。決して壁の手前にそれはない。(p.42)
・「失敗」から「成功」へ至るプロセスこそが部下を育てる。だから「任せる」ことで人が育つのだ。(p.48)
・人は「責任」を負い、「責任」を果たすことで成長する。果たしていった「責任」の大きさに比例して成長するのだ。任せるとは、「作業」ではなく「責任」を与えることにほかならないのだ。(p.61)
・任せた以上は、自分と違うやり方を許容しなくてはならない。(略)失敗することも含めて部下に経験させなくてはならない。それが本当の意味での任せる、ということなのだ。(p.108)
・過去をリセットして未来へ向かう。それは目標未達成の時だけに通用する話ではない。みごとに目標達成をした時にこそ、過去をリセットして未来へ向かうことが大切だ。(略)そして、さらに高い要望をするのだ。人間の成長に限界はない。求めるのをやめることは相手の成長の機会をつぶすことに等しい。(p.136)
・緊急でない重要事項の2つの特徴(p.182)
1 複雑かつ複合的。大きなかたまりを小さなかたまりへと砕く。上司は部下のブレーク・ダウンをお手伝いしてあげる必要があるのだ。
2 締め切りがないこと。ならば、締め切りをつくればいい。締め切りがない仕事に「自分の意志」で部下に締め切りをつくらせるのだ。(略)「最終形の完成日」だけを決めるのではなく、途中、途中に、いくつかの中間締め切りをつくるのだ。 -
【概要、大事だと思った点】任せる際には相手の主体性、自主性が大事。任せられることを自分で決断させる。進める際も自分の方法を考えさせる。(相手が未体験の内容の場合は、レビューを繰り返して意見する(指示ではない))。大きい仕事を振る際は小さい仕事に分割するところまでは一緒にやるなど、フォローは必須。子供の舞台を舞台袖から見守る母のような状態が理想的。
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詳細なレビューはこちらです↓
http://maemuki-blog.com/?p=8890 -
仕事を「任せる」時のポイントが事例を交えて解説されています。
職場で実践できるワークが複数掲載されているのも良かったです。
リーダーは「スーパーマンを求める」のではなく、「平凡な人材で非凡な成果を上げる組織」を創るべきという話は共感しました!
読みやすいですし、お勧めできる一冊です。 -
「仕事を任せる」ことについて学びたく手に取った。
具体的な方法や技術が細かく書かれていて、勉強になった。
部下の仕事とは、「今日」の食いぶちを稼ぐことにある。一方で上司の仕事とは、「今日とは違う明日」を作ることである。
↑これに目から鱗で、私は雑務に追われ、このことをしっかり認識していなかったことに気づかされた。
私ももっと上司らしい仕事をしたいと思った。
上司としての基本マインドが詰め込まれた一冊。 -
人を育てるためにいかに仕事を任せるか、可能な範囲でムリをさせる、能力を最大限発揮させる、口出しを我慢する、仕組み化する。
ついついやってしまいがちな過ちと、その改善策あり。多くの気づきになった。 -
同じ著者が書いた「自分でやった方が早い病」とほぼ同じ内容なので、復習にちょうど良い。
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非常に学びの多い一冊だった。任せるという行動とそれに伴う内面の葛藤もあるがままに示してくれているのに共感した。
ワークもあったので自分の振り返りとして定期的にやっていきたい -
任されることで人は育つ
マネジメントはポジションについてからと思ってる人は、ついてもできない
感情や心に関心のない人はリーダーをやるべきでない
影響力にゼロはない。ゼロだと思ってる力はマイナスの力
過去について、言及しない。未来へとつなげる
問題解決ではなく、共感理解
ムリを承知で、作業を渡すのはNG、ハードルは超えられる限界点を目指す辺りは、すごく納得しました。
ただ、転ぶのを見守るくら...
ムリを承知で、作業を渡すのはNG、ハードルは超えられる限界点を目指す辺りは、すごく納得しました。
ただ、転ぶのを見守るくらいでいいは、勇気がいりますよねw
ただ、自分はともかくも、上司って、そうだよなーと思います。