管理会計がうまくいかない本当の理由: 顧客志向で売上を伸ばす新アプローチ
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2011年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532316815
感想・レビュー・書評
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会計の本かと思っていたけれど、むしろマーケティング寄りの本だった。
こういう会計の本を読むのは初めて。目からうろこが落ちる思い。
管理会計が会社の経営の為にいかに重要なツールかということ、
財務会計とは全く違うものと考えた方がいいことなどがよくわかった。
稲盛さんの「稲盛和夫の実学」に書いてあった標準原価計算が使えないというのも納得できた。
読みやすいし非常にいい本。どこかでまた読みなおそう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新しいアプローチというほどのものは紹介されていないように思います。
オーソドックスに、顧客別・商品別に売上分析を行い、ターゲティング・ポジショニングを考えるといった内容。
ただ、ABC分析については、顧客志向なバリューチェーンとなじみやすいので、両者を関連づけるというコンセプトはおもしろいと思います。 -
読了しました。10年近く前の本でしたが、参考にできることが多く、個人的には満足でした。
読む前に見た本への評価が割と低かったので、読みながら「そんな悪くないな」と思いながら読んでましたが、なんとなく理由が分かりました。本のタイトルと内容が合っていないのだと思います。管理会計を会計手法として認識されてる方にとっては期待外れの内容になるし、管理会計をあくまで手段として経営の目的実現に繋げようと考えている方にとっては面白い内容だし、示唆に富んだ内容だと思った。
あと、やや浅はかで強引な決めつけが多いことは印象に残った。
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そもそも企業内部でそこまで会計情報を参照したいと思っていないから、ではないだろうか。
CEO/COOが、管理会計情報を参照して再拝するイメージがなかなか沸かないんだが。。。
何か上手くやる秘訣になる材料が載っていないか、気になる。 -
管理会計が有効に機能しない原因を指摘し、(①原価計算止まり②コストマネジメントのみ③人の行動を促さない、等)同時に新しい管理会計の在り方を提示した本。
売上は顧客からもたらされる事から、顧客を意識するマーケティングの考え方を導入する事で「顧客に目を向けた」管理会計の概念を説明。
「アドボカシー・マーケティング」の実行の為に、管理会計が行動のドライバーとして業績評価指標の設定を行う、それによって従業員の行動はマーケティング戦略と結びつけられる、という流れ。
難しく読了した今でも理解できたかどうか不安。再読必須 -
管理会計がうまくいかない本当の理由…財務会計のカタチから抜けられていないとか、確かな経営思想に基づいたカタチになっていないとか、おそらくそういうことなんだと思う。全体的に、語る内容が散漫な印象。根拠なくいろいろなことを安直に決めつけているようなところも多い。
とはいえ良いことも言っていた。
「人は目に見える指標に従って動く(だかからこそ適切な指標としての管理会計が大事)」
「何を大切にした経営をするのか、それがあってこそあるべき管理会計のカタチが見えてくる」
「製品別損益管理VS顧客別損益管理。製品別損益管理では、全社最適にならず部分的最適に陥る危険がある。」
メモ
「顧客開拓型マーケティング→顧客維持型マーケティング→アドボカシーマーケティング」 -
顧客開拓者型マーケティング → 顧客維持型マーケティング → アドボカシー・マーケティング
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管理会計とは本来、業種・企業によって多様であるべきなので、教科書に書いてあるような画一的な内容の本を読むのもどうかと思い、違った視点がほしくて本書を手に取った。
前半部分では、財務会計が経営に役立たない理由、管理会計=原価計算、コストマネジメントと誤解されている現状についてわかりやすく説明されていて、勉強不足な自分としては非常にためになった。今後「利益」という言葉を見るときは、それが「何を表した利益なのか?」「誰のための利益なのか?」ということに注意していきたい。標準原価計算の盲点については、以前読んだ『原価計算の知識』に記載されていたことと一致していて、納得した。『稲盛和夫の実学』においても、標準原価計算はあまり役に立たないという記述があったが、ようやくその真意を理解できてきたような気がする。
後半は、会計というよりかは、経営、マーケティングに関する記述が多かった。顧客開拓型マーケティング→顧客維持型マーケティングへと変遷してきたが、今はそれさえも陳腐化していて、第3のマーケティング手法として、アドボカシーマーケティングという概念が提唱されていた。ただし、これをどのように管理会計における評価指標として落とし込んでいくか、具体的なアイデアまでは提示されていなくて、その点は物足りなかった。それほどに現代の顧客のニーズをつかむのは困難で、簡単に答えを導き出すことはできない、という暗黙のメッセージなのだろうか。
終盤では、会社は誰のものかというテーマにちなんで、財務会計の損益計算書のようなカタチにこだわっていては、従業員の報酬までが削減対象になってしまい、それがやがて企業としての競争力の低下を招いてしまうという示唆があった。私もまったく同感で、現在の日本において、報酬を下げてしまっては、人口減に輪をかけて内需が縮小してしまい、国としての危機に直面するはずである。国として、努力する若年者の報酬アップにつながる仕組みづくりを行ってほしいと思っている。
話が脱線してしまったが、損益計算書のカタチを少しだけ修正し、税引前当期純利益から人件費を控除した「人件費前利益」を算出し、この利益を最大化する努力をすれば、人件費は削減対象とならない、という提案があった。これには目から鱗で、既存の会計のカタチをほんの少しの工夫で修正するだけでも、目に見える利益と、それに伴って企業の経営と従業員の行動を大きく変えることができるのでは、と管理会計の可能性の大きさに期待を寄せた。 -
新着図書コーナー展示は、2週間です。
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