45歳からの会社人生に不安を感じたら読む本: 成功するキャリア30の秘訣

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
3.08
  • (5)
  • (17)
  • (33)
  • (13)
  • (4)
本棚登録 : 227
感想 : 34
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532317348

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 人生100年時代と寿命は延びたがキャリアの寿命は縮む一方だ。若いスタートアップ経営者の躍進、目まぐるしいIT技術の進歩、組織フラット化による中間管理職の排除。そんな厳しい時代、45歳は仕事人生の舵取りの最後の波止場といえる。本書はそれに向けた忠告本である。

    本書の難点は、45歳前後でキャリア的に失敗した事例を記して読者の恐怖心を煽り30代から意識的かつ戦略的に人生設計(特に有益な人脈構築)をする必要性が語られているが、「45歳から」のタイトルに偽り&齟齬があり、45歳の読者は絶望してしまう可能性があるところだ。(結構大きいマイナス要素だが)それはさておき著者はハイキャリア、本作品内で取り上げられる方もハイキャリア、そんな方でも一歩間違えると足場を踏み外す可能性を警告をしており、特に自分のキャリアや能力に自信を持つ大企業の30~40代は読んでおいたほうがいいかもしれない。著者は見聞や推測を断定的に咀嚼し論理展開がやや客観性に欠けるが、体験談が持つ迫力は感じる。

    ある日放り出されて茫然自失とならないために、30代くらいのビジネスマンは読んでみてもいいかもしれない。(40代以上のキャリアに自信のない人は絶対読まないほうがよい。陰鬱かつ暗澹たる気持ちになるかも。)

  • 何も考えずに働いていると、同期で役員が出た時点で人生がひっくり返りかねないから、それまでに準備しておこう、という話。

  • 日経新聞に広告が載っていたのでついつい読んでしまいました。
    キャリアというのが中年でいかに脆くなくなってしまうのか、が、身につまされます。

    この本には使えるソリューションがないばかりか、「45歳を超えた人にはあまりオプションがない」「あなたという商品には賞味期限がある」とか言われ・・・・余計にブルーに・・・

    まあ、万人受けしなくても。「あなたという45歳の高コストの人間」を雇ってくれる、あるいは自分で稼いでいけるだけの相手「さえ」見つけたらいい、と、開き直るしかないかなと、あきらめがつきました。

    これから中年失業者があふれるかもしれず、この手の本が今後も売れるかも。

  • 実例がリアルで引き込まれた。脚色も入っていると思うが、かなり残酷な事例もあり、ハイキャリアを目指してきた方々の断末魔も感じた。
    ようは、ある程度のスキルの幅の中で、人格を磨き、覚悟がどれだけあって、時に風雨に耐え、チャンスを引き寄せられるか。40代の会社人生に不安を感じた際に読むと身に染みるかな。

  • 著者本人の失敗も記されており信頼できると感じた。(日本法人退任、倫理観にかけるビジネス)

    ・キャリア上致命傷になるのは1年以内での転職
    ・中高年なら3割アップ程度では転職してはいけない。給与・退職金
    ・優秀なヘッドハンターと言い関係を保っておくことが必要。転職する気が無いときは誰かを紹介する、などして情報提供をする。もしくは業界情報。

    ・Aさんはプレッシャーがかかると人との関係を悪化させるというクセ
    ・ワンマン経営の会社は要注意。蜜月の時はいいがウマが合わなくなると途端にクビ。
    ・私は外資系では、収益責任を負わない企画とか、管理部門の取締役の職が一番おいしいと思っている。責任は他の人がとるので。

  • これからのサラリーマン人生を考えさせられる。
    不安ばかりではないが、準備や意識の仕方により人生は好転も暗転もするということがよくわかる

  • 私、タイトル通り、「45歳、会社人生に不安を感じ」ており、思わず手に取った。
    先に読んだ「差異力」は、リストラされようもんなら、そんな自分を活かそうとしない会社にいることをよく考えろ、というのに正反対で、「年収3割UP程度なら安易に転職せず中にとどまれ」という内向きなメッセージが印象的。それは45歳以上の年齢での転職は厳しいから、というのが背景だが、それは間違っていないのだが、これが書かれた2011年から今2018年はそうでもなくなってきていると思う。
    45歳でそこそこのポジションになっている人向けの本ではあるが、そうでなくても、40歳代に入る前に、会社人生をどう生きるか、考えるためのきっかけにはなる書である。
    後半は司法試験にどうやって受かったか、勉強方法の具体的な進め方。司法試験受けない人には興味ないかもしれない。資格試験勉強一般への取り組み、としてとらえると学びもあると思う。
    個人的に取り入れたいと思ったのは、メモを取らなくても記憶に残す方法:新聞や雑誌を読み、仕事や興味に関連付けた疑問を問うてみる →思考の練習にもなる。

    メモ)
    ・キャリアの幹を太くしろ
    ・物事は結果から考える(マーケティングならどういう結果になっていたいか?データ収集が目的になるな
    ・常識的に考えておかしなもの、難しいものは疑え。45年間生きてきて身につけたそれなりに正しい
    ・記憶に残るビジネスマンを目指せ・・一本筋が通っていること
    ・人脈は広げるより、メンテナンスが重要

  • *協調性のない人、リーダーとしての素質に欠ける人は、45歳を超えると相手にされなくなってしまうのである。
    *調査分析能力や行動力で競争しなければならなくなる。しかし、45歳ぐらいになると、そうした力には陰りが見えてくる。だから、あなたが45歳の人に期待されるレベル、つまり、判断能力とリーダーシップをうまく使えるレベルに達していなければ、リストラの対象とされてしまう。
    *給料はもらいすぎるな。早い出世は命取り。なぜ給料が高いかをよく考える。高い給料は高いリスクの裏返しでもある。会社が高い給料を払うのは、高いパフォーマンスを求めているからだ。収益責任を負う者は給料も高いが、それだけ責任も重いということだ。
    *全体を把握するバランスの取れた人間となることが、自分の価値を高めていくことにつながる。個人レベルで、もう一つ注意しておかなければならないのは、自分のスキルにぴったりあてはまるような仕事はまずないということだ。専門家といっても、その分野の中で幅広く知識を持っておくこと、また、仮に自分に知識がない場合にはそれを得る方法を知っていること、勉強しようという意欲を持ち続けることがきわめて重要だ。
    *周辺分野にも仕事の幅を広げる
    自分のキャリアの幹を太くしていくことができれば、仮に自分の専門分野でお払い箱になったとしても、近接分野で生き残っていくことが可能となる。
    *完璧とか正確性を求めて、自分のつまらない考えにこだわることは早くやめるべきだ。細かいことにこだわっていると、大筋を見失う。他人の考えを受け入れられないと、自分の時間をムダにする。
    *自分の考えにこだわりすぎると敵を作る
    もう一つ重要なのは、自分が高い地位についたからといって、謙虚さを失わないことだ。高い地位についたら、自分の考えに自信を持ちそれを部下に伝えることも必要だが、もしその考えが間違っていることに気づいたら、すぐに修正すべきである。
    *あなたの性格に応じた仕事をしよう
    いわゆる体育会系の人なら、仕事は営業職のような外交的な仕事が合うかもしれない。文化系の人なら、管理の仕事のような分析的、内向的な仕事が合うかもしれない。相手にする顧客の性格も、体育会系の人は体育会系の人、文化系の人は文化系の人が合うだろう。だから、自分の性格をよく分析し、どういう仕事をするのか、どういう相手と仕事をするのかを選ぶことが重要である。
    *地道な自己改造のすすめ
    地道に自己改造を行っていくことで、あなたは他人からより好かれる人物になっていくことができる。この点は、直前に述べた自己の性格に合った仕事を選べという話とは少し違うが、次のように理解してもらいたい。つまり、自分の仕事は自分の性格に合ったものを選ばなければダメだが、自分の性格に合ったものを選んでも、あらゆる点でピッタリと一致することはない。だから、自己改造をして、少し合わないところは修正しなければならないと。
    *本当に役立つ人脈を維持する方法
    人脈を作ったとしても、それをメンテナンスしないと、すぐにあなたは忘れられてしまう。人脈をメンテナンスしておくことの重要性を意識するのがポイントだ。もちろん、人脈をどんどん広げながら、すべての人に会い続けることなどできるはずがない。人脈を作るために会ったたくさんの人を、本当の「人脈」になる人だけに絞り込んでいかなければならない。あなたがその人に会えば何かを学ぶことができ、将来役に立ちそうだと思う人を「人脈」の対象とするのである。このようにして相手を決めたら、できるだけ定期的に会って話をするようにしよう。あなたがどんな情報を持っているかだ。相手が欲している情報が何かは会ってみるまでわからないから、あなたが普段どれくらい活発に仕事をし、どれほど多くの人と難しい商談をこなし、その過程であなた以外には仕入れることのできない情報をどれだけ得てきたかが、人脈を長続きさせるための手となる。
    *世の中の動きに合わせて自分の考えを修正し、以前の考えにとらわれず、フレキシブルに対応することが重要だ。自分の目の前に現れたキャリアアップのチャンスを見て、それが自分の将来にとってどういう意味をもつかを、その場その場で考えていかなければならない。
    目の前に与えられたオポチュニティで得られるものを考える。
    目の前に与えられたオポチュニティで自分が得られるもの、10年前の自分に活かせるものが何かを考えることが重要である。あなたにとっては、同じような仕事ばかりやっていては進歩がなく、キャリアの幅が広がらない。自分の経験を活かすことはできるが、新しいものを学べるオポチュニティをつかんでいくことにこそ意味がある。キャリアチェンジをするのではなく、自分の軸を持ちながらキャリアの幅を広げることを第一に考えるべきだ。たとえば、営業をやってきた人ならマーケティングに取り組んでみる、経理をやってきた人なら財務戦略に取り組んでみることで、自分の強みのベースを崩さない範囲で、その幹を太くするような展開を考えるべきである。
    *何か目標を立てて勉強するときには、まずその目標が何を要求しているかを理解することが重要だ。そして、そこにたどりつくための最短の道を見出すこと。そして、その道からはみ出していることはやらないこと。結果を出すことに集中するのである。このことは、日ごろの仕事の進め方にも応用可能だ。つまり、仕事の目標を達成するためには何が必要かを正確に理解する、それを実現するための最短経路を見つける、雑音は捨てる、成果を出すことに集中するということだ。
    *濫読はするな
    いろいろなテーマを1冊ずつ読む弊害
    読書が趣味の人は、いろいろなテーマの本をよむだろう。だが、私はそういう読書の仕方は、自分のキャリアに活かすという点ではムダではないかと思っている。なぜなら、あるテーマの本を1冊だけ読んでも、著者によって違った視点から書かれており、偏りのある意見しか得られないからだ。そうすると、そのテーマについての中立的な見解はわからない。せっかくあるテーマについての本を読むのなら、数冊読んで、偏りのない意見を仕入れるべきだろう。
    *目的意識を持って読書をすると、情報がおもしろいように頭の中にインプットされる。読む時間も、目的意識がはっきりしているから大幅に短縮できる。
    *結局、自分一人になっても仕事ができるようなスキルを身につけることを考えなければならない。そう、最後は自分のスキルがすべてなのである。自分一人になって仕事をするということになると、顧客への営業力、顧客とのコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力などを含めたビジネスマンとしての総合力を持ち合わせていないとダメなのだ。
    *体力と外見の維持も仕事のうち
    体力がなければ、時間のかかる難しい仕事に取り組むことができなくなるし、外見が老いぼれて見えれば、もうあの人は終わったと思われてしまう。だから、体力維持も仕事のうちと心得よう。45歳は人生の折り返しと考えれば、今後の40年、45年を生き抜くために、体力と健康と若々しい外見をどう判断するかを真剣に考えなければならない。仕事に没頭するのはほどほどにして、毎朝散歩をするとか、通勤時にできるだけ歩くようにするとか、週に2日は休肝日を設けるとか、自分でルールを決めて、会社生活を送ることをおすすめしたい。
    *とにかく中途半端な気持ちで転職しないことだ。どうしても行きたい気持ちがあるのなら、競合会社に移る。なんとなく気持ちが割り切れないなら、今の会社に残って一生懸命やるべきだろう。一度決めたら後まで引っ張らず、バッサリと気持ちを切り替えるべきだ。客観的に判断することが第一だが、どうしても迷うときはどちらかに決め、気持ちを切り替えて、自分で決めたことを徹底的にやってみる。反省を込めて言うが、「一度決めたらそれを貫く」そういう覚悟が必要なのだ。

  • 45歳という年齢が、企業の中に置いていかなる立場におかれたものであるのかを、日本企業、外資系、オーナー企業それぞれのケースで現実的に見せてくれた1冊。浮ついたり、悲観したりせず、現実を見つめ、そのうえで精いっぱい生きていきたいもの。

全34件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

植田統(うえだ・おさむ)
国際経営コンサルタント、弁護士、名古屋商科大学経営大学院(MBA)教授。
1957年東京都生まれ。東京大学法学部を卒業後、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。ダートマス大学エイモスタックスクールにてMBA取得。その後、外資系コンサルティング会社ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン(現PWCストラテジー)を経て、外資系データベース会社レクシスネクシス・ジャパン代表取締役社長。そのかたわら大学ロースクール夜間コースに通い司法試験合格。外資系企業再生コンサルティング会社アリックスパートナーズでJAL、ライブドアの再生に携わる。2010年弁護士開業。14年に独立し、青山東京法律事務所を開設。
著書に『人生に悔いを残さない45歳からの仕事術』『企業再生7つの鉄則』(いずれも日本経済新聞出版社)、『残業ゼロでも必ず結果を出す人のスピード仕事術』(ダイヤモンド社)、『日米ビジネス30年史』(光文社)などがある。

「2022年 『2040年 「仕事とキャリア」年表』 で使われていた紹介文から引用しています。」

植田統の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×