レゴはなぜ世界で愛され続けているのか: 最高のブランドを支えるイノベーション7つの真理
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2014年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532319366
作品紹介・あらすじ
3億ドルの大赤字から驚異のV字回復。アップルをしのぐイノベーションの宝庫、その知られざる裏側を初めて明かす。フォーブス誌記者が選ぶ2013年ベストブック。
感想・レビュー・書評
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最近レゴにはまっています。
制約こそが革新を生む。
イノベーションってそんなものなのかもしれません。 -
40年にわたり遊び続けている、このおもちゃについての成書を初めてしり、読んでみた。歴史から、近年の迷走、そして復帰への道を詳細にルポ。大体の流れは把握しているつもりだったが、多くの事実を新たにしり感動。
アイデアブックや、30年くらい前にあったレゴ新聞なんかが取説以外の唯一の情報だった頃から比べ、今はすごい。改めてネット化後の世界で、これほど多くのファンがいるのを感じ取った。子供がもう少し大きくなったら一緒に遊べるようになるだろうからそれを今から楽しみにしている。5~9歳がメインの製品だったとは知らなかった(他にもシリーズもので15、6歳というのもあるが)。
一方、レゴ社のビジネス的動きを、イノベーションというキーワードで俯瞰するところは、一理あるのだろうが、もう少し詰めた議論、話題があってもよい。組み立てるのは自分自身ではあるものの、ヒントとなるネタはもっともっと同社にあるはず。それをもっと拾ってほしかった(もっと分厚い書籍にしてほしい)。と思いつつも結構触発されているところ・・・。 -
私には学べることがあまりなかった。
人名が多くて誰が誰だか覚えられない。
時系列が行ったり来たりで流れが理解しにくい。
全て成功した理由を後付けであれこれ説明しているだけのように感じてしまった。 -
まず出だしが最高。『見よ、レゴのブロックを!世界中の親たちが今日もどこかで素足で踏んで、痛い思いをさせられてる、あの角張った形の、カラフルなプラスチックの直方体を。』
そして、どれくらいこの世に存在してるかのユニークな例として、『2000億個以上のレゴブロックが世界中に散らばってることを考えると、「控えめに見積もって、ソファーのクッションの下に100億個、掃除機のなかに30億個のレゴブロックがあると思われる」』と表現したフォーチュン誌のレゴ紹介の仕方も面白い。
私自身レゴで育ってはおらず、旦那の影響で触れ合うことが増えた。住んでいるマレーシアはレゴ信者がかなり多く逆にレゴにはまってないあなたはなんなの?ってなくらいの割合で皆(たまたまかもしれないけど)レゴ好きな人ばかりで、その流れもあり自然と家にはレゴやレゴデュプロが増えていった。だけどレゴ社のことについては何も知らなかった。どんな歴史があり誰がどんな想いをこめて作ったものなのか。
私が子供の頃、おもちゃ選びにレゴは全く候補になかった。女の子だったからというのもあるけど、そんなに流行ってた印象もないし、そもそもであったことすらなかったと記憶してる。
読んでみるとちょうどレゴの歴史は1932年からスタートし、1970年代、1980年代にぐっと売上を伸ばしたあと1990年代に停滞してる。なるほど、だから私はあまり印象に残っていないわけだ。ゲームボーイとか、スーファミとかが世間では流行ってて霞んで見えていたのかもしれない。
メディア漬けされた1990年代の子どもたちをどうやってまたブロックに熱中させるかで血迷い、エクスプロアシリーズに力を入れて、第二主力ブランドであったデュプロを打ち切り舵切りをしたこと、スターウォーズシリーズの未曾有の大ヒットにより弱体化した中核事業の弱点がさらに見抜けなくなってしまったこと、倒産の危機に追い込まれたこと、 -
レゴのイノベーションについて学んだ。既存の成功体験にしがみつき、何もしないでいるとやがて凋落してしまう。そこから這い上がろう、陥らないようにしようと闇雲にイノベーションを推進し多角的に手を広げても効果は望めない。自分たちの強みとビジョンを明確にし大切なものは大切にし、そこから今までにない価値を見出していくこと、多様性に富んだチームを築いて挑戦すること、自分たちだけでなく外の世界や顧客との関係性から新たな価値を創造していくことが大切だとわかった。うちの会社にも本当に参考になることが多いと思う。
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レゴの会社も苦労しながら今に至っていることがわかった。写真がもっとあればよかったように思う。
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・一定の枠の中で新しいものを生み出す。制約がはっきりしているため、肝心なことに意識を向けやすく、いいイノベーションが生まれやすくなる
・売上高の10%を占めるまでに成長の見込める新しいチャンスを、一年以内に二つ見つけること
・製品を完成前に販売し、ユーザーの声を聞きながら、販売と並行して製品の改良を続ける
・「まちがいなくレゴだが、今までに見たことがない」製品を開発する
・ブランドの発展のためには、その前に自律的な成長の土台を築くことが欠かせない。健全なバランスシート、持続可能な債務水準、安定した中核事業、利益の出る製品 -
世界的に有名なブロックメーカーであるレゴが、2000年代初頭に低迷期を迎え、それをいかにして乗り越えたかの企業の経営史書的なもの。
内容としては1章から4章で、レゴには6つの基本理念があることの紹介から始まる。
①価値観が肝心
②果てしない試行錯誤が画期的なイノベーションを生む。
③製品ではなくてシステムを作る。
④的を絞ることで、利益の出るイノベーションが生まれる。
⑤本物だけをめざす。
⑥小売店が第一、その次に子ども
その後スターウォーズを受け入れて、様々な改革に取り組んだブローメン氏だったがほぼ失敗に終わり、後ろ盾に創業者一族のケル・キアク、財務のオヴェーセン、クヌッド・ストープという三頭体制で乗り切ることになった。
その中で改革に失敗した7つの方向性をレゴに合う形で行った。
①レゴらしさを取り戻す(イノベーション文化の構築)
②レゴシティーの復活(顧客主導型)
③バイオニクル(全方位イノベーションを探る)
④マインドストームなど(オープンイノベーション)
⑤レゴ・ユニバース(建築などの破壊的イノベーション)
⑥レゴゲームの誕生(ブルーオーシャンに漕ぎ出す)
⑦ニンジャーゴー(創造性と多様性の人材活用)
それらによってレゴが段階的にブランドを復権することができたとしている。改革の失敗の上に成功への導く過程が面白かった。